時間も時間だったし、楽しむだけだなって
──ExWHYZの活動自体、ステージ上に自由に表現できる幅が広がってきたじゃないですか。 mayuさんにとっても、自分のエネルギーを最大限発揮するために、よりよい環境が整ってきたとも言えるんじゃないですか?
mayu:そうですね。ExWHYZが始まった頃、グループが変わった部分をちゃんと見せないとと思って背伸びしていた気がするというか。あまり素を出せてない感じもあったんです。自分の性格が、そもそも泥臭いって認識なんで。スマートとはかけ離れてるじゃないですか? 自分を出しすぎちゃったらグループにそぐわないかなって思ってたんですけど、夏のライブハウスツアーを回っていくうちに、ぐしゃぐしゃになって、気にならなくなっちゃったというか。そこからどんどん自分を出せるようになっていった感じはしますね。
──〈‘eLATION’ part.2〉東京公演のアンコールで、生バンドで新曲「As you wish」を披露しましたが、あのときのmayuさんの声量と歌声は本当にすごかったです。mayuさんの内に秘めた感情をすべて歌に昇華しているのが伝わってきました。
mayu:やっぱりライブが好きだし、1番自分を作ってないなと思える場所なんです。それでいて、いいライブできたと思えた日は最高の気分になる。自分を作らないで、そのままいい自分出せた時は自分のことを好きになれる。だから、ライブは好きですね。
──見方を変えて言うと、完璧主義なところがある?
mayu:完璧主義ではないと思います。その時のベストを毎回尽くしてるから、それに対してのダメだったなとかはないんですけど、私は自分を作ることができないんだなって、この何年かで感じていて。やろうとすると、すごく不自然になっちゃうんですよ。それを考え始めると多分、完璧主義が出ちゃうんです。あそこでもっとこうすればよかったとか、あのタイミングじゃなかったなとか思い始めちゃうと、楽しくなくなっちゃう。そうじゃなくて、その時の自分のマインドをちゃんと出すっていうか。それも全部自分のためなんですよ。ライブでマスターたちに「自由に」って言ってる自分が作り込んでいたら、そもそも楽しくない。ライブは自分が1番楽しいを目指していく場所だと思ってるから。楽しいの道順は人それぞれでいいんだけど、私の中では素っ裸で勝負できるか。自分が1番裸じゃないと、お客さんも裸になれないと思う。だから自分が1番楽しい、解放してるってしたいし、そうした私を見て楽しいって思ってもらえたらいいなって。それは副産物ですけど、1番は自分が楽しいか。それを見てお客さんが楽しんでくれたらいいなって思うんです。

──そういう意味で、昨年12月に渋谷WOMB LIVEで開催した『ExWHYZ TOUR 2023 ‘eLATION’ part.3 [Final Series YEAREND PARTY]』最終公演は、スタート時間も深夜で、場所もクラブ、年末、というところで、開放感に溢れるライブになったんじゃないですか?
mayu:マスターも私も同じ気持ちだったと思います。時間も時間だったし、楽しむだけだなって。でも、あの日、すっごいミスしたんですよね(笑)。ちょっと浮き足立ちすぎちゃった反省はありつつ、でも楽しかったです。
──リミックス楽曲を収録したV.Aアルバム『Dress to Kill』のリリースを発表しました。ExWHYZにとって、リミックス曲はどのような存在のものなんでしょう?
mayu:原曲があって、1曲1曲自分の中で世界があるじゃないですか? それをめっちゃ変えてくれる存在というか。〈‘eLATION’〉ツアーでSeihoさんと対バンしたときに、SeihoさんがDJで「ANSWER」のリミックスをかけてくださったんですよ。その時、私の知っている「ANSWER」じゃないと思って、世界が変わって。当たり前なんですけど、それが楽しすぎたんです。私、すぐ人生と照らし合わせちゃうんですけど(笑)、答えって1個じゃないんだと思ったというか。自分が好きだと思っていることも含めて、違う捉え方とか違う形にすることもできると思ったら、めっちゃ楽しいなと思って。Seihoさんは自分で作ってくださった「ANSWER」をリミックスしてくれましたけど、違うクリエイターさんが作った曲を、また違うクリエイターさんがリミックスしてくださったり、それぞれの解釈でその曲を感じられるのがすごい嬉しくて。うちら、幅あるねって思います(笑)。
──基本的にボーカルの録り直しはせず、元あるデータを再構築していったんですか?
mayu:そうです。それがめっちゃ楽しいなって思いました。
──そうやって再構築したものをライブで披露する際は、歌い方とか表現の仕方はどう変わっていくんでしょう?
mayu:全然心持ちは違いますね。音の感じとか、BPMも変わっている曲もあるので、世界観がもう全然違う。みんなそれぞれ振り付けや世界観を大事にしていますし、自分も新曲って感じで振り付けをしています。
──mayuさんが新しくつけた振りはどの曲になるんでしょう?
mayu:「ANSWER」に加えて、「D.Y.D」もそうなんですけど、後半のめっちゃ踊るところは振り付け師のユカ先生にお願いして一緒に付けていきました。あとは、「Secret Secret」のサビとBメロかな。新曲「Fleeting」は今みんなで考えている途中で、「Our Song」もつけています。
