2016/10/04 18:12

アイドル・グループ構成員増殖計画vol.71ーー新生BiS アヤ・エイトプリンス「音楽の人生だったんです」

2014年に解散したアイドル・グループ、新生アイドル研究会・BiS。2016年9月1日〜4日に行われた合宿オーディションで選ばれたプー・ルイ、ペリ・ウブ、アヤ・エイトプリンス、ゴ・ジーラ、キカ・フロント・フロンタールの5人のメンバーに加え、サウンド・プロデューサー松隈ケンタ、プロデューサー渡辺淳之介の布陣で再スタートを切った。11月16日には1stアルバム『Brand-new idol Society』のリリースも決定、ワンマンライヴのチケットは即完するほどの注目を集める彼女たち。OTOTOYでは新生BiSの個別インタヴューを実施。5回に渡り初インタヴューをお届けする。

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INTERVIEW : アヤ・エイトプリンス

もともとモデルの仕事をしていた八王子出身のアヤ・エイトプリンス。周りの友人などからは美人だと言われるも、本人は自分のことをよくわからないとさらっという。自分のことをおっさんキャラと言いつつも、どこかヤンキー風のしゃべり方をするときもある。メンバーからは残念な美人と呼ばれるなど、早くもおバカキャラが定着しつつある彼女だが、3泊4日の合宿オーディションではまったく辛い顔を見せずに、コツコツと練習を行っていたのが印象的だった。合宿直前には不安からか、まったくつけていなかった日記を書き始めたとも語るアヤ・エイトプリンスの初インタヴューをお届けする。

インタヴュー&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐希

ちょーネガティヴで、ちょーポジティヴだと思います

ーー合宿最終日、合格発表で名前を呼ばれた時、どんな気持ちでした?

アヤ・エイトプリンス(以下、アヤ) : 前のメンバー3人の名前が呼ばれた時点で「私はない」と思っていたんです。そんな中で呼ばれたので、えっ? ていう気持ちと、呼ばれてない子たちもいたらから、どういう反応していいかわからなくて、微妙な反応になっちゃいました。当たり前に受かったんだって反応に見えたみたいですけど、全然そんなことはなくて。

ーー実は一緒に過ごした12人に対してすごく気を使っていたんですね。

アヤ : セカサマ(セカンドサマーウイカ(仮))とかも仲良かったし、パリピ(ミチハヤシリオ(仮))とかユフちゃん(テラヤマユフ(仮))も一緒にいたから。そんな優しさは出さなくていいって周りからは言われるんですけど、あの瞬間は嬉しかったけど、素直にいえーいってなる感じではなかったですね。

ーー普段から自分の感情を表に出したりはしないんですか?

アヤ : 怒りの感情とかはあんまり出さないです。あっても押し殺しちゃいますね。結構平和主義なところがあって。それがいいところでもあり、悪いところでもあるんですけど、あんまり争いごとが好きじゃないっていうか。

ーー自分でも中身はおっさんみたいなことを言っていましたけど、そういう雰囲気はどこで形成されたんでしょうね。

アヤ : ははは。どこで形成されたのかな。お兄ちゃんがいるからかな。

ーーお兄ちゃんはどんな感じなんですか?

アヤ : 女姉妹2人でお姉ちゃんがいるので、逆にちょっと女々しい感じなんですよね。私はお兄ちゃんが好きで、小さい時から男の子が遊ぶような遊びをしていたので、そういう影響もあるかもしれない。

ーーどんなことをして遊んでいたんですか?

アヤ : 木登りとか。あと、踏むとパンってなる爆竹あるじゃないですか? あれをこっそりお兄ちゃんの引き出しから盗んで幼稚園に持って行って、お母さんにすごい怒られたのをぼーっと見ていました(笑)。

ーーあはははは。性格は昔から変わらないんですか?

アヤ : よくわからないんですよね。塾の先生とかには「根暗だね」とか言われたりして、いろんな人にいろんなこと言われるからよくわからないんです。

ーー自分自身はどう思います? 自分の性格。

アヤ : ちょーネガティヴで、ちょーポジティヴだと思います。落ち込む時はとことん落ち込むけど、次の日寝ればもう直っている(笑)。

ーー寝ると忘れちゃう(笑)?

アヤ : まあいっか、死ぬわけじゃないしって。最終的にはそういう感じ。死ななかったらOKかなみたいな(笑)。

ーー合宿もそうだし、今しゃべっている感じも、からっとしてますよね。友だちはどういう人が多いんですか?

アヤ : B型の人が多いですね。

ーーそういうことじゃなくて(笑)。

アヤ : (笑)。気まぐれな方が多いです。「今日遊ぼうよ」「いいよー!」「ごめん、今日無理だった」「おっけー!」みたいな。お互い怒らないし、冗談もめっちゃ言い合ったりする関係。

合宿の2日前の夜に不安になりすぎちゃって日記をつけはじめちゃって

ーー根本的な話、なんでアイドルになりたいと思ったんでしょう。

アヤ : 最初はディズニー・ランドとかで踊っているテーマ・パーク・ダンサーを目指していたんですけどちょっと違うなと思って、そのあとモデルをやってみたいなと思って事務所に入ってたんですけど、それもなんか違うなって。多分、昔からアイドルが好きで、自分もアイドルになりたいと思っていたんですけど、それを言うことが恥ずかしかったんだと思うんですよ。

ーーアイドルになりたいってことは、あまり人には言ってなかったんですね。

アヤ : 誰にも言っていなかったです。でも、今やらないで死んでいくのはイヤだなと思って。それでBiSのオーディションを受ける前に、他のオーディションを本気で受けたんですよ。ファン投票とかもあって、すごい本気でやったんですけど、落ちちゃって。でも本気でのめり込めたし、ショックだったけど後悔はなくて。その時にやっぱりアイドルになりたいんだと思って。ちょうどBiSHが募集をしていて、これをやりたいって直感で応募しました。

ーーBiSHは、締め切りギリギリに応募したんですよね。

アヤ : 勇気がなくてギリギリに送ったんですけど、連絡がこないから落ちたなと思って。そのあとBiSの募集がはじまったので調べて面白いなと思い、渡辺さんとか松隈さんと一緒にやりたいなと思って応募しました。

ーーBiSはアイドルの中でも結構極端なアイドルじゃないですか。なんでBiSに興味を持ったんですか?

アヤ : 私は鈴木愛理さんが大好きなんですけど、自分がやるとしたらハロプロよりBiSの方があっている気がするし、王道じゃなくて面白いことがしたかったので、こっちのほうがいいなと思って。

ーー3泊4日の合宿、今振り返ってみてどうでした?

アヤ : 行くまでは本当に怖くて。裸で走らされたり、100kmマラソンとかするのかなと思って(笑)。合宿の2日前の夜に不安になりすぎちゃって、自分でもよくわからないんですけど日記をつけはじめちゃって。今思ってることを書き残したんです。

ーー遺書みたいな感じ(笑)?

アヤ : 超恥ずかしいから見せたくないんですけど(笑)。

ーーどんなことを書いたか覚えてますか?

アヤ : 人生を変えたいとか、もう怖いとか(笑)。やばかったですね。

ーー3泊4日、ほとんど寝ないで練習してましたけど、あまりつらそうなところを見せなかったのがすごく印象的でした。

アヤ : それ、よく言われるんですよ。へらへらしてるって。

ーーダンスとかもひたむきにコツコツ頑張っていましたよね。

アヤ : 自分のなりたいアイドル像が鈴木愛理さんとかアイナ・ジ・エンドさんで、そういうふうになりたいと思っていたので。私は結構不器用でトークとかも得意な方ではないし人見知りでもあるので、どこで自分を人に見せられるかなと考えたら、まずは歌とダンスを誰よりも頑張っている姿を見せたいなと思って。ずっと本番だと思って練習していました。

人生で何を頑張った? って言われたら、音楽かなって

ーー今振り返ってみて初ライヴはどうでした?

アヤ : 正直言ってしまいますと、リハーサルで頑張りすぎてしまって、ちょっとバテちゃって… これからはリハーサルを頑張りすぎないようにしようと思いました… リハーサルまで本番だと思って超全力でやっていたんですよ。そしたら会場が暑くて、思ったより酸素が吸えなくて、ポワポワしてきちゃって。やばいっていうか頭が真っ白になっちゃって。ちょっとバテましたね。

ーー会場のお客さんたちの研究員の人たちの盛り上がりは、ステージ上から見てどういうふうに感じました?

アヤ : 私はアイドルとかやったことないし、初めて見る光景だったので、ちょっと圧倒されちゃいました。最初の「Give me your love 全部」から勢いがすごくて。

ーー圧倒されちゃったし、バテてしまったけど、無我夢中だった。

アヤ : そうですね。もう終わっちゃうんだって時が経つのが早かったですね。メンバーも楽しそうな顔をしていたり感動して泣いちゃってたり、プーちゃんも歌いながら泣いちゃってたりとかしていて、すごい素敵なライヴでした。

ーー面談の時、表現したいってことを言っていましたよね。それはどういうことなんでしょう? 例えば自分の特技みたいなのがあって、それをやりたい?

アヤ : 私、サックスをやっていたので、ちょっとそれやりたいなと思って、練習しよっかなって思いました。吹奏楽部だったんです。そういうのもできたら楽しいのかなって思いました。まだ誰にも言ってないですけど(笑)。

ーーあははは。音楽は小さい頃からやってたんですね。

アヤ : ピアノとサックスをやっていました。ピアノは年中さんから高1まで。吹奏楽部ではサックスをやっていたので、ジャズもクラシックも聴いていました。音楽がすごく好きなんですよ。

ーー音楽以外に続けてることとか夢中になったことってありますか?

アヤ : それがないんですよ。たぶん、音楽の人生だったんです。人生で何を頑張った? って言われたら、音楽かなって感じですかね。ジャズとバレエを少しだけ習っていて、ミュージカルがすごい好きでそれを始めたんですけど、それも続かなかったです。

ーー音楽だけはなんで続いたんでしょうね。

アヤ : 好きだったからですかね。部活も週7で全然休みがなかったんですけど、つらいと思ったことはなくて。クリスマスもなかったけど辞めたいと思わなかったし、今と似ているなって思います。まだつらくはないんですけど、みんなでダンス練習をしている時とか、この間のライヴとか合宿とかも全部楽しいなって思いました。

ーー実はすごい努力家なのかもしれないですね。

アヤ : 好きなことに対しては努力家だと思うんですよ。好きじゃなかったらできない(笑)。

ハッピーな世の中になってほしいです(笑)

ーーBiSが始まって、だいぶ生活は変わったんじゃないですか?

アヤ : びっくりするくらい変わりました。1週間ちょっと前までは普通の人だったから、実感が湧かなすぎて大丈夫かなと思ったりもするんですけど。ふふふ。

ーーSiSができた時はどう思いました?

※本インタヴューが行われたのは9月14日。SiSは9月25日に中野Heavy sickでお披露目ライヴを行ったが、翌日Twitterで突如活動中止がアナウンスされた。

アヤ : 正直言うと、全然嫌じゃなかったです。みんな同じ方向を目指してやってきたけど落ちちゃう人もいて。そこでSiSをやりますってなったとき、清水さんが希望をっていう言い方変なんですけど、みんなに与えてくださったんでよかったなって… なんて言ったらいいんだろう。絶望ではないっていうか。敵かもしれないけど、頑張る場所があるっていうのが、私はよかったなと思いました。

ーーオーディションの時、最終目標はエンターテイナーって言っていましたけど、それはどういう意味なんでしょう?

アヤ : アイドル、歌、ダンスもそうなんですけど、アイナ・ジ・エンドさんみたいに雑誌のグラビアに載ったり、いろんな面で人を楽しませられるようになりたいんです。ざっくりしてるんですけど、人に夢を与えられるようになりたい。

ーー平和主義者って言ってたのもあるけど、みんなの幸せを願っている?

アヤ : そうですね、ハッピーな世の中になってほしいです(笑)。これはちょっとバカっぽいから採用しないでください。

ーーわかりました(笑)。ちなみにBiSというグループをどういうふうにしてきたいですか?

アヤ : やっぱり王道は嫌なので、見てくれた人がおもしろいと思わせるようなことをしたいです。BiSが最初できた時、武道館で解散することが目標だったじゃないですか? なのでプー・ルイさんも渡辺さんも言ってたんですけど、武道館に立ちたいと思っています。

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BiSプロフィール

英語でBrand-new idol Society の略、日本語で新生アイドル研究会。アイドルを研究し、アイドルになろうとする、アイドルになりたい。プー・ルイ、ペリ・ウブ、アヤ・エイトプリンス、ゴ・ジーラ、キカ・フロント・フロンタールからなる5人組。11月16日に1st AL『Brand-new idol Society』リリース。

BiS Official Web