
2011年9月、新宿歌舞伎町のライヴ・ハウス5会場6ステージを使って行われた大型イベント『ETERNAL ROCK CITY.2011』。ZAZEN BOYSやthe telephonesから、インディペンデントに活動する若手バンドまで、総勢60組近いアーティストが熱いライヴを繰り広げ、見事大成功を収めました。そして同イベントが、2012年も開催決定!! それを記念して、OTOTOYでは2回に渡って『ETERNAL ROCK CITY.2012』の特集を展開いたします。第一弾となる今回は、『ETERNAL ROCK CITY.』の主宰者・辻友哉と、毎年青森で開催されている音楽フェスティバル『夏の魔物』の主宰者・成田大致の対談を決行!! まだ20代前半の2人に、D.I.Yで音楽イベントを行う理由、想いについて本音で語ってもらいました。SOLD OUTして後悔しないよう、チケットのお求めはお早めに!!
新宿歌舞伎町のライヴ・ハウス6会場7ステージを使って開催決定!!
Yuya Tsuji Presents ETERNAL ROCK CITY.2012
【日程】2012年9月15日(土)~16日(日)
【会場】新宿MARZ / 新宿Marble / 新宿Motion / 新宿LOFT HALL STAGE / 新宿LOFT BAR STAGE / 新宿OTO / 新宿RUIDO K4
※Midnight ROCK CITY.(深夜公演)のみ、会場が新宿MARZ/新宿Marble/
新宿Motionの3会場になります。
【時間】
一日目 : OPEN / 9:00 START / 9:00 END:22:00
一日目深夜:OPEN / 23:00 START / 23:00 END:5:00
二日目 : OPEN / 9:00 START / 9:00 END:22:00
※各入場時につき、1Drink(¥500-)~3Drink(¥1500)必要。
券種詳細はOfficial web siteをご参照ください。
2012.09.15.Sat(1日目)
▼OPENING ACT
如何に崇高な精神といえども顔面が伴わなければ『彼女』は出来ない。 / QOOLAND / Day and Buffalo / FOX CAPTURE PLAN
▼MAIN ACT
aie / the unknown forecast / 【NEW!!】赤い公園 / about tess / 【NEW!!】avengers in sci-fi / 或る感覚 / ANYO / indigo la End / 【NEW!!】ent / otori / 快速東京 / KAGERO / 完全にノンフィクション / 聞こえないふりをした / クウチュウ戦 / Christophert Allan Diadora / 【NEW!!】THE★米騒動 / JABBERLOOP / The sisi / 6eyes / Jeepta / 新世界リチウム / SuiseiNoboAz / SEVENTEEN AGAiN / SELFISH / 太平洋不知火楽団 / 【NEW!!】QomolangmaTomato / deepsea drive machine / told / native / 【NEW!!】Half-Life / 【NEW!!】HaKU / バックドロップシンデレラ / ひらくドア / Brian the Sun / The Flickers / BLUE ENCOUNT / FOUR GET ME A NOTS / MUGWUMPS / mississippiroid / the mornings / MOROHA / 【NEW!!】Large House Satisfaction / レムチャップ / 【NEW!!】WRENCH / THE UNIQUE STAR / WOZNIAK and more..!
▼GUEST DJ
【NEW】あばっと(TOKYO BOOTLEG) / 【NEW!!】石毛 輝(the telephones) / 【NEW!!】 岡本 伸明(the telephones) / 【NEW!!】小倉 健一(Shinjuku Rolling Stone) / 【NEW!!】渋谷リュウ(Shinjuku Rolling Stone) / 【NEW!!】SMYLE(TOKYO BOOTLEG) / 【NEW!!】タイラダイスケ(FREE THROW / Parade) / ツジユウヤ(HIGH SCHOOL DISCO / ETERNAL ROCK CITY.) / 【NEW!!】ヒサシ the KID(THE BEACHES / Parade) / 【NEW!!】ホリエアツシ(ent / ストレイテナー) / 野垣内 悠(Synchronized Rockers) / 紀(Whoop de doo!) / 【NEW!!】Yuki Abe(AFRICAEMO / Boys Get Hurt)
※出演予定でした、DJマキトは一身上の都合により、キャンセルになりました。ご了承ください。
2012.09.15.Midnight ROCK CITY(深夜)
▼MAIN ACT
AFRICAEMO / ORLAND / Dorian
▼GUEST DJ Party
FREE THROW
▼GUEST Live Party
Love Action(Canopies and Drapes/kenta hirano/NILE LONG/#9)
▼GUEST Label
Second Royal Records
2012.09.16.Sun(2日目)
▼MAIN ACT
ircle / OUTATBERO / YeYe / いったんぶ / UHNELLYS / winnie / 【NEW!!】嘘つきバービー / sgt. / おさむらいさん / キドリキドリ / Cathy lost one's apricot yesterday / キュウソネコカミ / Clean Of Core / GRIKO / 撃鉄 / KONCOS / 385 / the chef cooks me / suzumoku / 3markets(株) / Sorrys! / ソンソン弁当箱 / DALLAX / deepslauter / talk / チーナ / dob / tricot / 【NEW!!】HALFBY / 【NEW!!】BYEE the ROUND / bacho / 【NEW!!】PAN / HANDSOMEBOY TECHNIQUE / BAND A / viridian / 百蚊 / FOX LOCO PHANTOM / the brown / BLACKS / Fragile / Predawn / FLUID / 【NEW!!】蜜 / Moonbug / memento森 / moja / MONICA URANGLASS / yEAN / ゆれる / johann / Liaroid Cinema / Lighter190E / Rhycol. / 【NEW!!】0.8秒と衝撃。 / and more...!
▼GUEST DJ
【NEW!!】遠藤孝行(Freak Affear / New Action!) / オオイユウスケ(BYEE the ROUND) / KAZUHIRO ABO(DONUTZ) / 【NEW!!】クボタマサヒコ(kuh.) / 【NEW!!】クロマティーゆうや(ピストル・ディスコ) / しゅうぴー(Rock Anthem) / SEKITOVA / 【NEW!!】TA-1(KONCOS / SUNNY CLUB / Anorokes) / TAMAYAMAN(KaTie) / ツジユウヤ(ETERNAL ROCK CITY./HIGH SCHOOL DISCO) / ナルケユート(Grass Code) / M!-ke(Synchronized Rockers) / 【NEW!!】68(MONICA URANGLASS)
【TICKET】
早割一般二日通し券 : THANK YOU!! SOLD OUT!!(※¥4,500-(with 3Drink/¥1,500-)
早割高校生以下二日通し券 : THANK YOU!! SOLD OUT!!(※¥2,500-(with 2Drink/¥1,000-)
一般15日入場券 : ¥4,500-(with 1Drink/¥500-)
一般16日入場券 : ¥4,500-(with 1Drink/¥500-)
高校生以下割引15日入場券 : ¥2,500-(with 1Drink/¥500-)
高校生以下割引16日入場券 : ¥2,500-(with 1Drink/¥500-)
Midnight ROCK CITY.(深夜)入場券 : ¥2,500-(with 1Drink/¥500-)
一般通し券(15日/深夜/16日入場可能) : THANK YOU!! SOLD OUT!!(※¥7,000-(with 3Drink/¥1,500-)
高校生以下割引2日通し券(15日/16日入場可能※深夜入場不可) : ¥3,500-(with 2Drink/¥1,000-)
チケット購入については、Official web siteをご参照下さい。
【MORE INFORMATION】
ETERNAL ROCK CITY.2012 Official Web
【主催】
ツジユウヤ(HIGH SCHOOL DISCO / ETERNAL ROCK CITY.)
【お問い合わせ】
ETERNAL ROCK CITY.2012 Official Web
Mail:info.yuya.tsuji@gmail.com
HOT STUFF PROMOTION
2012年は会場を夜越山スキー場に移して開催決定!!
AOMORI ROCK FESTIVAL '12 ~夏の魔物~
【日程】 : 2012年9月22日(土)
【会場】 : 青森県東津軽郡平内町 夜越山スキー場
【時間】 : 7時開場 / 7時30分開始
※再入場可能 (受付にてリストバンド提示)
※雨天決行(荒天時、天災時除く)
【TICKET】
一人券 : ¥7,000
4人券 : ¥26,500
中高生1人券 : ¥3,000(当日券のみ)
【ACT】
内田裕也&トルーマン・カポーティR&RBAND / 神聖かまってちゃん / スチャダラパー / 在日ファンク / 曽我部恵一BAND / Hermann H.&The Pacemakers / ZONE / ブリーフ&トランクス / 藍坊主 / アーバンギャルド / 0.8秒と衝撃。 / OGRE YOU ASSHOLE / bloodthirsty butchers / KING BROTHERS / SCOOBIE DO / キノコホテル / ザ50回転ズ / ラフィンノーズ / ニューロティカ / 人間椅子 / バンドTOMOVSKY / 武藤昭平(勝手にしやがれ)withウエノコウジ(the HIATUS /ex.thee michelle gun elephant) / THE NEATBEATS / 騒音寺 / 夜のストレンジャーズ / 三上寛 / SILLYTHING / でんぱ組.inc / BiS / しず風&絆~KIZUNA~ / ULTRA-PRISM / パスピエ / 東京カランコロン / 踊ってばかりの国 / 撃鉄 / 住所不定無職 / SAKANAMON / KETTLES / 忘れらんねえよ / THE☆米騒動 / hotspring / ボトルズハウス / ソンソン弁当箱 / 本棚のモヨコ / TEENAGER SEX LESS / ヒロシ / 吉田豪×杉作J太郎 / あやまんJAPAN / DJ.ダイノジ / DJ.掟ポルシェ / DJ.桃知みなみ / DJ.鹿野淳 / DJ.サミー前田Tribute to Fuckin'Great YUYA! / DJ.FREE THROW(弦先誠人、神啓文、タイラダイスケ) / DJ.TOKYO BOOTLEG (O-ant / SMYLE / あばっと) / MC.アントーニオ本多 / DDTプロレスリング / ほもいろクローバーZ and more!more!!more!!!
【INFORMATION】
AOMORI ROCK FESTIVAL '12 ~夏の魔物~ Official Web
成田大致のすばらしい日々
対談 : 辻友哉(『ETERNAL ROCK CITY.』主宰) × 成田大致(『夏の魔物』主宰)
「成田大致さんと対談したいです!! 」。『ETERNAL ROCK CITY.』の主宰者である辻友哉に、誰と対談してみたいかを尋ねると、勢いよくそう言い放った。確かに2人には共通点がいくつか見受けられる。辻が10代で『ETERNAL ROCK CITY.』を立ち上げたように、成田も10代で『夏の魔物』というイベントを立ち上げた。そして、どちらもロックを主軸に、商業的なフェスとは違った角度からブッキングを組んでいる。もちろん、違う点もいくつかある。『ETERNAL ROCK CITY.』は新宿歌舞伎町のライヴ・ハウスを何店も使っているけれど、『夏の魔物』が開催されているのは青森の決して交通の便がいい場所ではない。そして、辻はROCK DJの顔を持っており、成田はバンド・マンの顔を持っている。
そんな似ているようで、違う点も持っている両者だが、僕にとっては、どちらも野心を持って行動を起こしている若者であり、本当におもしろいと思える2人であった。それだけに、対談を実現させたいと思い、成田にコンタクトをとってみると、二つ返事でOKの返事をくれた。その結果、2人が一つの場所で向い合い、忌憚なき意見を交わし合うことになった。とにかく行動すること。そこからしか、何も始まらない。それをビシビシと感じさせてくれる対談になった。これを読んだ人の中から、また新しく行動を起こす人が現れることを期待してやまない。
インタビュー&文 : 西澤裕郎

ロックの基準は音楽だけじゃなくて行動とか思想を全部含んでいると思う(辻)
——まずは簡単な自己紹介からお願いします。
辻友哉(以下、辻) : 『ETERNAL ROCK CITY.』を主宰している辻と申します。普段はライヴ・イベントの制作とDJをやっていて、月に1度、下北沢で『HIGH SCHOOL DISCO』というパーティーをやっています。
成田大致(以下、成田) : 青森ロック・フェスティバル『夏の魔物』の主宰者で、SILLYTHINGというバンドをやっております成田大致です。
——今、お二人はおいくつですか?
辻 : 今20歳で、今年21歳になります。
成田 : 25歳です。
——お二人とも、10代の頃からイベントを企画・運営し始めたんですよね。やりたいと思っても、なかなか行動に移せる人は少ないと思うんですけど、自分でイベントをやろうと思ったきっかけは何だったのでしょう。
辻 : 17歳の頃、都民なのになぜか京都のライヴ・ハウスの店長から「ライヴの企画やってよ」と言われたのがきっかけです。今思えば"ダメな企画"をやってしまったんですけど…。僕は日本のアーティストが大好きなので、好きなアーティストを呼びたい、でもやるからにはちゃんとやらなきゃと色々考え出したのが18歳の時ですね。

——じゃあまだ高校生のときってことですか。
辻 : はい。その時はまだ高校生でした。
——成田さんも高校生の頃に『夏の魔物』を始めたんですよね。
成田 : そうですね。最初はライヴ・ハウスで立ちあげて。大好きなスピッツの「夏の魔物」という曲名をイベント・タイトルにし、一番最初はKING BROTHERSが出演してくれました。春夏秋冬、季節ごとにイベントやって根付いてきた頃に、「大致、次は誰がゲストなの? 」と友達にファミレスで聞かれて。「次はフェスやるよ! 」と言ったのが18、19歳くらいの頃で。
——それぞれ、現状のフェスなりイベントに不満があって、自身のイベントを始めたわけではないんですか。
成田 : うーん。僕は自分の見たいバンドがツアーで青森を飛ばしちゃうから、青森に来てほしいと思ったのが始まりですね。
辻 : 僕も不満はなかったけど、東京にはあまりフェスがないなとは思っていました。ライヴ・ハウス・サーキットが限界で、それ以上のことがしたかったというのが最初です。
——お二人に共通のキーワードは「ロック」だと思うのですが、やっぱりそれぞれのフェスの中心にはロックがあると思いますか。
辻 : 僕の勝手な思いですけど、ロックの基準は音楽だけじゃなくて行動とか思想を全部含んでいると思うんです。だからロック・フェスと名乗ってはいるけど、音だけじゃないんだよってことをわかってもらいたい。それもあって、バンドだけじゃなくてDJなど色々な人たちを呼んでます。
——成田さんはどうですか?
成田 : フェスの色とか流れはロックを意識してますね。
——つまり、音楽的な意味だけでのロックというわけではないんですね。
成田 : 僕も同じく精神的なロックの方が強いですね。特に今年のうちのフェスはそういう感じですよね。パブリック・イメージの中の『夏の魔物』や成田大致のイメージを今すぐ壊したいんで(笑)。
——今年の『夏の魔物』には、アイドル・グループの、でんぱ組.incが出演したりしますもんね。
成田 : そうですね。やっぱり自分がお金払って行きたいものを作りたいし、遠くても何かが起こっているから生で見たいと思わせたくて。全国津々浦々からそれぞれの熱い思いを携えていろんな人が来てくれて、会場で繰り広げられる、本気と本気の闘いに何かを感じ、 交信し、再びそれぞれのエリアに帰っていく… ということをいつもイメージしています。プロレス・ファンなので(笑)。
——辻さんはどんな基準で出演を決めているんですか。
辻 : 「格好良い!」というのが第一ですね。無名でも格好良いアーティストは沢山いるから多くの人に見せたい。でも、それだけじゃ、お客さんは来ないと思うので、大きなアーティストももちろん呼びます。ただ、客寄せ感は好まないので、昔来てくれていたお客さんが見にこなくなってしまうのではなく、また見に来れる場所を作りたいと思ってブッキングを組んでいます。
成田 : 素晴らしいですね。
——成田さんは、ご自身のバンドSILLYTHINGでもプロデューサー視点を持っていますよね。「バンドは音楽だけに集中していればいいんだ」という考えから一つ上の俯瞰した点で見ているというか。
成田 : そうですね。全部自分でやらないと気がすまない性格なんですよ。自分で築き上げてきた関係性とかを強めて、自分らしいプロモーションもしたいし。今まで出演してくれた先輩方や、協力してくれたいろんな方のおかげで、ここまで成長することができたと思います。

——辻さんの立場からすると、成田さんのような「集客やイベントを一緒に盛り上げていこうぜ」って意識を持っているバンドの方が、主宰者との相乗効果で盛り上がっていくと思うんですね。反面、いくら応援したいと思っても、これだけ出演者が多いとそれに応えてくれない出演者もいるかと思うのですが、それによって気持ちが萎えてしまったりしませんか。
辻 : これだけ沢山いると仕方がないというか、応えてくれるアーティストのために頑張りたいと思います。たぶん「一緒に頑張って行こう!! 」っていう人達の方が当日に良いライヴするので。だから、別に萎えたりはしないですね。
時代的に今まではフックだった部分がメインに組み込んできた(成田)
——『ETERNAL ROCK CITY.』は、去年の開催で規模が相当大きくなって集客もあったから、バンド・サイドからの売り込みも増えたんじゃないですか。
辻 : ZAZEN BOYSとthe telephonesが出た影響も強くて、増えましたね。その反面、変な売り込みも多くなりました。
——変というのは?
辻 : メールのコンタクト・フォームから「出させて下さい」とオファーが来るのですが、たまに「お金を出すから出演させて下さい」って言うアーティストがいて、それはちょっとどうなんだろうって。あとは「私、このバンドも担当しているからお願いします」なんていう事務所の売り込みの仕方があまり好きじゃないですね。
成田 : いわゆる、バーターですね。
——大きなイベントになればなる程、そういう政治的な部分っていうのは避けられないと思うんですけど、そういう依頼があった時はどうするんですか。
辻 : もちろん出て欲しいと思っている人達なら何の問題もないんですけど、「何でETERNAL ROCK CITY. にこのバンドが? 」と思うときはお断りします。「(出演料を)安くしますよ」と言われても、それでライヴがダメダメだったらお客さんに失礼だし。それはお金を払って来てくれたお客さんに嘘をついてしまう事になりますので。
——『夏の魔物』にも、もちろんそうした売り込みはありますよね。
成田 : 沢山あります。
——逆に言えば、それってイベント自体が認知されていて、求心力や影響力を持っているって証拠ですよね。イベントが大きくなればなるほど自分のコントロール出来ない部分が出てきたり苦労もあると思いますけど、成田さんは『夏の魔物』をやめようと考えたことはないですか。
成田 : やめようと思ったことはないです。でも、毎年全力投球で「今年が最後」という気持ちでやってますね。それに今年は今までより以上に「最終回かもしれない」という気持ちが大きいです。悔いのないように徹底的にやるつもりです。
辻 : 僕も同じですね。実は、僕がフェスを始めようと思ったきっかけは成田さんなんですよ。

——ええ!?
成田 : まじっすか!?
辻 : はい。人から聞いた情報しか知らなかったんですが、格好良いなと思って。成田さんがフェスを始めたのは18歳と聞いて、自分も高校卒業までにフェスをやらないと何も残せないなと思って始めました。
成田 : ひょえ~。
辻 : フェスのお手本は勝手に貰っていて、毎年全力投球の部分とか、Twitterで見て感動してましたから。
成田 : 悪影響(笑)。でもどこかで書いてましたよね。「(夏の魔物に対して)悪いイメージがあったのに」って。実は今日ここに来るにあたって、この話いつしよう、シュート(プロレス用語/真剣勝負)をいつしかけようかと考えていたんですけど(笑)。
辻 : 聞いた話が悪いイメージばっかりだから…。正直今まで良いイメージがなくて、実際のところはどうなんだろうと思って今回のこの対談をOTOTOYさんにお願いしたんですよ。
成田 : そうなんですか。ご指名頂きありがとうございます(笑)。
辻 : ここまで対談して面白い方は他にはいません。あとフェスのお手本になった人と一番最初にやりたいなと思って。
——ちなみに、辻さんは具体的にどんな印象を成田さんにもってたんですか?
辻 : 僕から見たらの話なんですけど、今までフェスのカラーが1色だったり、成田さんのイメージが「勢いだけで、全て"ロック"で片付けようとする人」だったんです。
成田 : オダジョーの、この前打ち切りになったドラマじゃないんだから(苦笑)。そのパブリック・イメージも全然違うんですよね。出演してくれた人がそういうロックンロールよりのバンドが多かったから、無理やり色を付けてた部分もある。それが毎年の流れになってて。
——自分が意図していたわけじゃないんですね。
成田 : もちろん意図していた部分もあるんですけど、毎年「面子をこうしよう! 」と思って決めていたわけじゃないんです。出演者が決まってから、ストーリー・ラインを作っていたんですよ。どうしてもプロレスが好きだから、そういうのを意識してしまうっていう。
——今年はそれが違うと。
成田 : 基本的には変わらないんですけど、もっと今年は意図的に色々仕掛けているというのもあるし、時代的にそれが許されるようになってきた。今まではフックだった部分がメインに組み込んできただけですよね。もう、今ってフェスも溢れてしまっていて、どうすれば「面白いからお金を払ってでも青森まで見に行きたい! 」って思ってくれるんだろう、って考えて今年はああいう形になりました。
——辻さんは今回の『夏の魔物』の出演者をみてどう思いました?
辻 : 「色が違う!」と思って感動してました。
——具体的にどのあたりに色の違いを感じたのでしょう。
辻 : DJにFREE THROWがいたのにすごく感動しました。だから今年の面子を見てすごい! と思ったのが最初の印象です。
——成田さんが考えて組んだモノがちゃんと辻さんにも伝わっているんですね。
成田 : 時代の流れもあると思うんですよね。今だったら「時は来た!! 」という感じです。今年ってとくにそういう年だと思ってるんで。そういう「時代」みたいなのは意識してますね。

——一歩先を行く成田さんは辻さんの意見を聞いていて、自分が歩んできた部分と近いものを感じますか。
成田 : バーターとかも、確かに最初は自分もよく思ってなかったり色々ありましたけど、今はしょうがないなと思う部分もあります。だから、ケースバイケースですよね。
僕はこれが失敗したら本当に人生終了なんです(辻)
——さっき時代の流れという話がありましたけど、辻さんは時代の流れを意識したりしますか?
辻 : 時代というかフェスの流れで考えていて、本当は今年で13店舗くらい使ってやりたかったんですけど、現実問題として無理でした。それに去年のインパクトがすごい強かったから、インディ・アーティストをもっと沢山呼んでもいいんじゃないかと思って。僕、新宿LOFTの元店員なんですけど、店長と話をしたのは、去年の動因はそのままリピーターとして来てくれるから、さらに同じだけのお客さんを呼ぶにはどうしたらいいかってことで。
——辻さんは新宿にこだわる理由はあるんですか?
辻 : ありますね。僕、新宿MARZがすごく好きなんです。新宿って風俗街のイメージが強いけど、音楽シーンがもっと盛り上がってもいいんじゃないかと思うし、もっと足を運んで欲しいんですよ。例えば下北だったら、『インディーファンクラブ』があるし、そっちでやっても面白くない気がする。
成田 : 新宿でやってるのは面白いですよね。田舎者からしたら新宿じゃなくて「すんずく」なわけですから(笑)。
——これだけの面子を集めると、お客さんを集めてギャラや経費をペイするのが中々難しい気がするんですけど、実際黒字にはならないですよね?
成田 : うちはそうですね。とんとんを目指してます。立ち上げた頃は『FUJI ROCK FESTIVAL』とか『RISING SUN ROCK FESTIVAL』とかのイメージで頭が膨れ上がっていて、「会場もこれじゃ小さい!」とか言っていて(苦笑)。でも当時働いてたライヴ・ハウスの店長が「お前が思い描いているような人数は来ない」と言って予算組みとかも口出してくれて、システムとかも全部含めて大事にはならなかったんですけど。そこであの規模でやってたら今生きてないんじゃいないかな(笑)。
辻 : 僕は、これが失敗したら本当に人生終了です。毎年、貯金ゼロでやってて失敗したら自己破産しないといけないっていう…(苦笑)。どれくらい動員があるとかもまだ全然見えてない状態で。とあるバンドマンの知り合いがいて、色々とご教授頂くのですが、まだまだどうしたら良いのだろうという感じですね。予算表も作ってますけど現実的じゃない。去年より一日増やしたら、トントンになるラインが2倍じゃなくてすごい上がったのが悩ましいですね。
——そんな後がない中で『ETERNAL ROCK CITY.』をやろうと思えるのはなぜですか?
辻 : 日本のアーティスト、格好良いじゃないですか。あと、大きなフェスはチケット代が高いですよね。同じ値段で僕のフェスは同じくらい格好良いアーティストが2回見られますから、こっちを見た方がいいと思ってやってます。

——そういう思いは出演者にも知ってもらって、協力してくれると嬉しいですよね。
辻 : なって欲しいですね。ただ、去年生まれて初めて何人かの人に名指しで叩かれたんですよ。だから今は、あまり声を大きくするのもダメなのかなと思います。僕の意思を知っては欲しいけど、押し付けるものでもないかなと。
——なるほど。成田さんもメンタルが弱まった時期なんてありました?
成田 : 一回ネットで叩かれすぎて折れかけたんですけど、応援してくれる人の方が多いしと思って立ち直りました。マネージャーから「産業廃棄物レベルに使えないポジティブ野郎」と言われました(笑)。「みなさんが一人でもいるかぎり、夏の魔物は永遠に不滅だ! 」というザ・グレート・サスケ思想です。
——プロレス、お好きなんですね(笑)。今日実際にお互いにあって話をしてみた印象をお聞きしたいです。
辻 : 印象が相当変わりました。やっぱり話してみないとわからないですね。
成田 : そうやって周りにも言っておいてください(笑)。
辻 : もちろん言います。
成田 :ぶっちゃけ実際、パブリックイメージと自分自身が、一致してない部分だらけで本当に困っています。一致してるのは「バカでどうしようもない」って所くらい(笑)。それが一番致命的なとこですよね、
——成田さんはどうですか?
成田 : すごく勉強になりました。
辻 : いやいやいやいやいや。
成田 : 10代の頃に手探りでやってた事を思い出して、初心に帰ったじゃないけど刺激的な遭遇でしたね。
——最後に、それぞれのイベントに対して期待する事と言いますかコメントをお願いします。
辻 : 応援と言える立場ではないんですけど、毎年変わって行ったら本当に素晴らしい思うので、期待しています!!
成田 : いえいえ、ありがとうございます。
——じゃあ成田さんから。
成田 : 面子もすごく良いと思うし、シンパシーを感じてアーティストのみなさんが出演してくれるのは素晴らしい事だと思います。魔物 vs エロフェスで、東京で対抗戦したいですね! 今後も相乗効果でがんばっていきましょう!
『ETERNAL ROCK CITY. 2012』出演者の作品はこちら!
2012年9月15日(土)出演アーティスト
2012年9月16日(日)出演アーティスト