いまは次に行くための成長痛
──先ほど世界が変わったと話してくれた「ANSWER」の振りは、どのようなプロセスで考えていったんでしょう?
mayu:私の中で「ANSWER」の原曲のイメージが、小さい箱の中で踊ってる人形たちなんですよ。逆にリミックスのイメージは宇宙で、自然みたいに大きかった。なので原曲のダンスはすごいちっちゃい世界というか限られた空間のイメージ。それに対して、リミックスはアースを感じて、ドロップに入った時に世界がひっくり返るみたいなイメージだったので、自分のたちの踊ってる視界を変えたいと思って。ビートが変わるとき、自分たちの視界を物理的に変えようと思って、上から下に突然落ちるとか、そういう振りにしたいなと思ったんです。クラブで初披露だったから、しゃがんじゃったら見えないかもと思って、前を向きながら腰をそった振りにしました。そしたら地面の見え方が変わるじゃないですか? どっちが下かわからない。「ANSWER」の振り付けは、そこがすごくお気に入りです。
──1曲目の「Dresscode」もSeihoさんプロデュース曲で、3月には〈SeihoWHYZ〉も控えています。SeihoさんはExWHYZにとってどんな人でしょう?
mayu:楽しい方だなって思います。Seihoさんの雰囲気に憧れます。なんて言うんですかね、音楽を楽しんでやっている感じというか、好きでしょうがないが出てる人の音楽。ちょっとでも関わらせていただいているのが、とても嬉しいです。Seihoさんと対バンした時も思ったけど、やっぱ人柄がDJにも出ていて、私たちの空気にもすごく合っている。Seihoさんって、私たちが目指したいところにも重なってる部分があるなと思うから、ありがたいですね。
──SeihoさんとはEMPiRE時代に「IZA!!」を楽曲提供してもらってからの付き合いですが、どういう部分がマッチしているんだと思いますか?
mayu:Seihoさんのエネルギーって明るくて、引っ張り上げてくれる感じがあるんです。俺も楽しいんだから、お前も踊っちゃえよ? みたいな。そこが私たちっぽい部分と近いのかなとは思います。ぶち上げ先輩として、目指したいところにいらっしゃる方ですね(笑)。
──3月から開催されるSeihoさんを迎えたスプリットツアー〈SeihoWHYZ〉は、どのようなライブになりそうですか?
mayu:『Dress to Kill』の曲をメインでやると思うんですけど、新しい私たちの答えがきっとあるんだろうなと思っていて。原曲のライブの雰囲気とはまた違うんだろうなって感じはしますね。夏の〈eLATION〉ツアーで、『xYZ』の曲とか『xANADU』の曲が育ったと思っているので、このツアーを通してもどのような成長があるか楽しみです。
──今までのExWHYZとは違った表現を提示するライブにもなるかもしれない、と。
mayu:一番は楽しんでほしいってことに変わりはないんですけど、より一層ExWHYZの音とか空間を楽しんでもらうライブになるのかなって思います。Seihoさんの出演時間もあるわけだから、自分の楽しみ方を各々が持って帰ってくれたらいいなって感じ。

──5月からは、ライブハウスツアー〈ExWHYZ TOUR 2024 'Futura Free'〉がスタートします。こちらはどんなツアーにしたいと思っていますか?
mayu:去年の夏のライブハウスツアーで、やっぱライブハウスが好きだなってすごく思ったんですよね。そこで自分の殻を1個破れた気もして。正確にいうと武道館以降ですよね。やっぱマスターと手が触れそうくらいの距離感でやるライブが自分はすごく好きだし、夏っていうのもやっぱり特別。全部ぐしゃぐしゃで、さらけ出すツアーですよね。自分だけでいると殻にこもっちゃうので大事なツアーだなと思います、夏のライブハウスって特別です。
──サイクル的にmayuさんが成長するアゲアゲの時期になるかもしれないですね。
mayu:そうですね。いまは次に行くための成長痛なのかなって。
──そこから、一気に爆発したときのエネルギーはすごそうですね。
mayu:爆発したいんですよね(笑)。だんだん好きな自分になれていっているとは思うんですけど、それでも満ち足りていない部分だったり、自分の中で満足できないことがすごくあって。このイラつきをどうやって形にするか。まだ形にできていないからイラついているんだと思うんです。形にすることは考えているんですけど、仕事として考えたら欲が出てきちゃって、よくないんですよ。商業的になっちゃうと、自分の見られ方とか気にしなきゃいけない。ってくると、ちょっと違うなって。だから、チャレンジとして、自分の中の想いを曲にしてみたりもしたいなと思っています。
──自分の気持ちを作品に昇華するという作業をやってみるのも大切かもしれないですね。
mayu:個人的に形にする作業をやるところに来てるのかもって思います。振り付けも自分の自己実現のためにやってるけど、自分がこう見えてほしいとか、メンバーがこういう風に見せたいだろうなって自分なりに考えて振り付けつけていて。自分もメンバーも、見せたい自分、なりたい自分を見せられたらいいなと思って振り付けを考えてるんですけど、それと一緒で、自分の人生で、こうしたいっていうのを、ちゃんと形にしていく芽を蒔いていかないとと思っています。
──まずはmayuさん自身のために作品を作って、いつかそれを世の中に発信してくれたら嬉しいです。
mayu:1回やってみようと思います。最初に話したみたいに、期待されたら引っ込んじゃうので、まずは1個1個自分の中で形にしていく作業を練習していこうって思います。

編集 : 西田健, 草鹿立
マスター待望のキラーチューンがついにリリース!
LIVE INFORMATION
"SeihoWHYZ"
2024/3/12(火) クラブクワトロ [名古屋]
OPEN 18:00 / START 19:00
2024/3/14(木) Spotify O-EAST [東京]
OPEN 18:00 / START 19:00
2024/3/23(土) 味園ユニバース [大阪]
OPEN 17:00 / START 18:00
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過去の特集ページ
PROFILE : ExWHYZ
2022年6月に突如解散した『EMPiRE』のメンバー、yu-ki,mayu,midoriko,mikina,maho,nowの6名で結成されたグループ。
レーベルはUNIVERSAL MUISC / EMI Records。
2022年11月2日に、大沢伸一(MONDO GROSSO)、Denny White、Shin Sakiura、80KIDZなど国内外の様々なクリエイターが参加した1stアルバム「xYZ」をリリース。
2022年11月3日から2023年1月2日まで、全国ツアー「ExWHYZ First Tour”xYZ”」を開催し、ファイナルとなるZepp DiverCity公演で、活動休止していたmidorikoが活動再開し、6人での活動がスタート。
2023年3月1日に、全曲midorikoのVocalを追加収録し、新曲を加えた「xYZ[hYPER EDITION]」をリリース。
4月1日からは全国4都市にて「ExWHYZ TOUR 2023 xANADU」を開催。 4月19日に2ndアルバム「xANADU」のリリースと、ExWHYZ初の自主企画としてVJセットのExWHYZとBANDセットのBiSHの2マン「ExWHYZ presents"BiSHWHYZ"」を開催、5月13日には初の日本武道館単独公演「ExWHYZ LIVE at BUDOKAN the FIRST STEP」を開催した。
7月から9月にかけて全国19ヵ所20公演「ExWHYZ TOUR 2023 'eLATION' part.1: Live House Series」を開催中、さらに10月からはExWHYZの楽曲プロデュースに関わるアーティスト"Seiho"、"大沢伸一[MONDO GROSSO]"、"yahyel"をゲストに迎え、全国3都市を回るZeppツアー『ExWHYZ TOUR 2023 'eLATION' part.2:with Special Guest Series』を開催予定!