やるしかねえ!ってことばかりでしたね(笑)
──グループのヴォーカルの中心であるmayuさんがいなかったことは、かなり大きな影響があったんですね。
mikina:mayuちゃんは、サビの大部分を歌っている人だったので。サビは、私にあう音域ではない曲が多くて。どうしても出せないってなったとき、私以外のメンバーが補うことになるじゃないですか。それも結構もどかしくて。私が歌えたら、もっと満遍なくいいところを出せるのになとか思ったんですけど、そんなに急ピッチで出せるわけもなくて。落ち込んだりして。
──自分のスキルを上げる期間でもあったわけですね。
mikina:それまで自分が思っていたより練習しましたね。純粋に練習量がいっぱい増えた。全然倍ところじゃないぐらいはやったけど、それぐらいしないと追いつけなかったですね。その甲斐もあって、最近はすごくいろんなことがやりやすいんです。歌も歌いやすいなって。うまくなったなとは思わないけど、すごくやりやすくて、嬉しい(笑)。
──ちゃんと歌の部分での筋肉のようなものがついた、と。
mikina:あと、気持ちを強く持てるようになったのが大きいかも。自分がこれだけやっているからって。もっとやっている人もいるけど、自分基準でやるようになったからこそ、ちょっとのことで心がぶれなくなったりはしましたね。その分、ミスしたときの悔しさみたいなのも大きかったけど、それはそれで経験だしと思えるようになりました。

──メンバーのバランスの点でいうと、2人抜けたことで、グループとして変化みたいなものはありますか。
mikina:今はどっちかっていうとmayuちゃんが戻ってきた安堵みたいなものが大きくて。多分、これから生じてくる変化もあるとは思うんです。でも、mayuちゃんが戻ってきて1個安心したことで安定はしているし、ちょっと前の期間で自分自身もいい意味で些細なことで気にしなくなるようになったから。噛み砕き方とかも変わったから、案外うまくいっています。不安要素はないかな。
──nowさんの脱退に関しては、突然の出来事でした。グループとしてはどんな状況だったんでしょう。
mikina:さっきお話したみたいに、もともと6人のバランスというか、スムーズさみたいなものを感じていて。doriがおやすみし始めたり、mayuちゃんがお休みしたときに、多少なりとも歩きづらさみたいなのを感じちゃっていたのかなと思って。4人の時期は、結構、個人プレーで頑張るみたいな感じだったので。4人になったときは、みんながとにかく保とうみたいな。雰囲気はどうだったかな。でも、みんな気を張っていたのかなと思いますね。
──nowさんが中心になって、ダンスや振り付けもやっていたわけで、そこのバランスも変わってくるところですよね。
mikina:nowってやっぱりかっこよくて。私、練習のときに、身のこなし方とか筋肉の使い方とか、自然と視界に入れて真似するみたいなことを今までやってきていたんですよ。そういうのは、これからきっと気づいていく部分なのかなと思います。頑張るしかないなって。
──ちなみに、3人のフォーメーションは、どうやって考えていたんですか?
mikina:3人のフォーメーションは、nowがライブをお休みするって決まったときに集まって、とにかく動いて、その場で決めました。フォーメーションで歌割り決めるぐらいの感じで、腹くくってやるみたいなことができました。そこは、あまり苦しいとかはなかった。苦しくないけど……悲しいですよね。

──考える暇もないぐらい、いろんなことが起こりましたもんね。
mikina:最近は、やるしかねえ!ってことばかりでしたね(笑)。ただ、グループの内情とか関係なく、お客さんに対しては、ちゃんとライブを見せたいと思っていて。やるしかないって思えるのは、何年かやってきて積み重ねがあるからのことではあると思います。
──2024年は、19都市20公演のツアー〈Futura Free〉も回りました。振り返ってみて。どのようなツアーでしたか。
mikina:ツアー自体、記憶がいろいろありすぎて。四国とか北海道、九州の方とか、その日しか会えない人ばかりなので、そういう機会をいただけているのはありがたいなと思ったし、すごく楽しかったけど、いろいろありましたからね。自分は、めっちゃ強くなったと思います。強くなったし、自分の駄目なところもわかった。だから、よかったって思いますね。人って最終的にはそう思うんですね(笑)。
──9月8日にZeppShinjukuで開催した〈Futura Free〉追加公演は、Shin Sakiuraさん、堀正輝さんという2人の生楽器が加わったライブでした。いつもと雰囲気の違う、いいライブでしたよね。
mikina:私としては、もっと乗りこなせる、引き連れるくらいの力が欲しいなって思いました。お2人がすごく格好よくて。マスターにとっても、今までになかった高揚感とかあっただろうし。その上でできることはやってみたけど、純粋なスキルだとか、もうちょっと積み重ねた上でやれたら、もっといいなと思いました。そういう意味では、いい経験ですね。けど、悔しかったです。もっとやりたいって思ったかな。
──満足せずに、まだもっとできるっていう気持ちなんですね。
mikina:本当に、お2人が格好よかった。アイドルがそういう体制でエンタメをやるみたいなのって、あまり見たことがないかなと思うんです。オケの上に重ねてやっていたので。Shin Sakiuraさんもギターだけじゃなく、いろんな楽器を使ってくれて。とにかく音の種類がいっぱいあって、すごい楽しかった。そういうことができるありがたみ、音楽の可能性があるから、余計に頑張りたいなって思いました。
