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INTERVIEW : mayu (ExWHYZ)

取材&文 : 西澤裕郎
写真 : 大橋祐希
WACKの中で私達だけの色を1つ示している気持ちがあります
──昨年11月3日の〈ExWHYZ First Tour "xYZ"〉初日仙台公演の直後に、渡辺(淳之介/WACK代表)さんから武道館公演の開催を告げられました。その際、言葉が出ないみたいな雰囲気でしたが、率直にどう思ったんでしょう。
正直、最初に聞いた瞬間、私はやったー武道館!って感情より、大丈夫かな……みたいな気持ちが先に出てきちゃって。私は何事にも大丈夫かな……って思っちゃうタイプなのでそうなってしまったんですけど、メンバーと話していくうちに、ちょっとずつ前向きになって、みんなで頑張ろう!って気持ちになっていきました。
──WACKにとって武道館は特別な意味を持つ場所です。事務所の中でPEDROがすでに立っていますけど、グループとして立つのはExWHYZが初めてになります。そこに関しては、どう受け止めていますか。
武道館に立ちたいけど立てなかった歴史がWACKにはある中で、最初にグループとして立つことに私達で良いのかなって気持ちがあったんです。でも、そんなことを思っているグループが武道館に立っちゃいけないなと思って。先輩たちが積み重ねてきた歴史があって、事務所のグループがそれぞれ頑張ってきた中で、私たちにそのチャンスが巡ってきて立たせてもらえると受け止めています。
──メンバー間では、どのように話し合って受け止めていったんでしょう。
武道館だからってことじゃなく、1つの大きい舞台に対してどう向き合っていくかって考え方はこれまでもしてきていて。今までも幕張メッセに立たせていただいたり、自分たちがここ1番で絶対に決めなきゃいけないものに向かって1つ1つのツアーも回っていたので、目の前のことを1個1個積み重ねて大事にやっていこうって話をしました。そもそもExWHYZで初めてのワンマン直後に言われたから、正直わからないことばかりで。自分たちのライブをちゃんと作ることを一生懸命頑張ってやろうって活動してきました。

──初ワンマンとなった仙台公演は振り返ってみてどうでしたか。
すごく自信のあるアルバムができたし、何ヶ月も準備してきて、よしやるぞって気持ちはあったんですけど、ライヴはお客さんありきなので、みんながどう受け取ってくれるのかなとか楽しんでくれるか不安はありつつ、緊張しながらステージに上がりました。みんながいてくれるからいろんな制作ができたり、頑張ろうと日々思えているなと改めて思えて。そういう気持ちでやってきたことを届けようって思えたし、ちゃんと受け取ってもらえたんじゃないかなって思います。ちゃんと気持ちを込めていれば、見た目とか衣装とかライブの作り方が変わったとしても、ちゃんと届けられるんだ、伝わるんだなと思って。気持ちをマスター(※ExWHYZファンの総称)たちが受け取ってくれた感じがして嬉しかったですね。
──mayuさんはMCで「それぞれが自分の楽しみ方で自由に楽しんでくれたら嬉しいです」と伝えていましたが、そのスタンスはEMPiREの延長戦にあるものなんでしょうか。
EMPiREで模索していく中で、自由に踊ろうってスタンスが生まれてきて。ExWHYZになって、より楽しみ方が広がったらいいなと思ったんです。自由に踊ったり、踊らなくてもいい。それぞれが自分の好きなスタイルでライブを楽しんでねって思い続けてはいたんですけど、やっと口に出して発信できたなって気がします。
──WACKのグループはメンバーと観客が一緒に手を挙げて一体感を生むという部分を重要視してきたと思うんですけど、ある意味真逆の宣言とも言えるわけですよね。
EMPiREでアルバム『the GREAT JOURNEY ALBUM』を出した辺りから自分たちの音楽性を見つけられた感覚があって。一緒に振りコピするっていう楽しさはもちろん最高だし、手が上がっている方が一体感が可視化できていいなと思うんですけど、それは楽しみ方が1つになっちゃっていることでもあるのかなと思って。もっと自由に、色々な楽しみ方があって良いなと思えるようになったんですよね。最初の頃、WACKっぽくないってすごく言われて、自分たちも元気すぎてエモくなれない部分もあったりしたんですけど、自分たちみたいな存在がいていい事務所だと思うから、WACKの中で私達だけの色を1つ示している気持ちがあります。そういう意味でももっと自由な楽しみ方を広げていけたらいいなって。ExWHYZになって、よりダンスミュージックとかクラブミュージック寄りになったので、振りを作る時も手を挙げるだけじゃないところは意識して作るようになりました。
──元EMPiREとExWHYZのライヴを比較して聞くと、音の質とか音量も違くて。歌だけじゃなくダンスにも比重がより置かれるようになったのかなと感じました。
振り付けを作る時には、意識する音とかが明らかに変わったなと思います。それは音楽性が変わったからだなと思いますね。EMPiREと比べたらダンスで見せる面がちょっとだけ強くなったのかなとは思います。濃くなったっていうか。
──音の気持ちよさを感じる曲が多いですが、歌う時に変わったことはありますか。
特に私がそうなんですけど、松隈(ケンタ)さんの楽曲は素のままで歌えるけど、ExWHYZの曲では自分の声が強すぎるというか。ファーストアルバムの曲は意識して柔らかい声で歌うようにしました。具体的に言うと、声帯を閉じすぎないとか息を多めに混ぜるみたいなことは意識して歌いましたね。
