感謝100%で書きたいこともあれば、怒り100%みたいなこともあって
──V.Aアルバム『Dress to Kill』は、既存のExWHYZ楽曲のリミックスも収録された作品ですけど、まさにExWHYZならではの作品ですよね。
maho:そうですね。原曲があってリミックスがあるので、その変化を聞き比べたり存分に楽しんでほしいアルバムになってますね。私は「Unknown Sense」と「Fleeting」の作詞をしているんですけど、「Unknown Sense」は昨年12月に渋谷WOMB LIVEで開催した『ExWHYZ TOUR 2023 ‘eLATION’ part.3 [Final Series YEAREND PARTY]』で披露するって言われていて。その日を想像して、ツアーのへのモチベーション、自分の気持ちを思いながら書きました。「Fleeting」は、そのあとの2023年年末に書いていたんです。
──だいぶ最近書いた歌詞なんですね。
maho:EMPiREからExWHYZに変わって1年ぐらい活動してきて。始まった時はただ前向きに、やれることを全部やりたいって勢いで突っ走ってきたんですけど、そこから1年やって積み重ねてきたものができてきた中で、一旦、立ち止まるじゃないけど、色々思うことを見つめなおしたんです。変わらないものもあれば、変わらないと思ってたけど変わってしまうものもあるかもしれないとか、続きだと思ってたけど続きじゃないかもみたいな部分とか。色々考えることがあったんです。2023年から2024年へ変わる時に考えてたものが削ぎ落とされて、最後に残ったのは、ライブに来てくれる、今来てくれてるマスターへの感謝しかないってところに行き着いたんですよ。年末も色々考えちゃったんですけど、最後に辿り着いたのはマスターへの感謝。来年も一緒にいたいなって気持ちを書きました。
──mahoさんはずっとマスターへの愛を書き続けてきた印象があります。
maho:そうなんですけど、余裕がなくなると言い訳じみたことに包まれそうになるというか。でも制作期間って、そういう部分を削ぎ落として見つめ直せるのですごくいい機会なんです。

──「Fleeting」の作詞は、mahoさんとmayuさんの連名になってますよね。それぞれ、どのパートに歌詞が採用されているんでしょう?
maho:サビはmayuちゃんの要素ですね。Aメロと全体は私です。あとは、こういう方がいいんじゃない?ってアドバイスいただいて書き直したりした歌詞が使われています。
──mahoさんの作詞する環境についても訊きたいんですけど、どうやって歌詞を書くことが多いんでしょうか?
maho:生きていると、常に色々考えているじゃないですか? ずっと考えている中で、これだ! と思う言葉を掬い上げている感じですね。だから、この時間に歌詞を書こうと決めるみたいなことはなくて。基本的に何かしながら考えている。この気持ちを書いてみようと思いながら家を出て、電車に乗って、なんとなくずっと考えていて、これかも! と思ったら帰ってきてまとめる感じというか。作詞期間中は、1人でずっと散歩をしたり、買い物をしたり、自分1人で何か考え続けて、その中で書くことが多いですね。
──いいなと思った言葉がひらめいたときにメモしたりはしない?
maho:いいなと思った言葉を残しておくよりは、こういうことを書きたいなというテーマをいただいたときに、そのことについてずっと考えている感覚です。例えば、マスターのことを書きたいときは、マスターのことをずっと考えているんです。
──mahoさんの歌詞が生まれる場所はバラバラなんですね。
maho:バラバラですね。日常生活を送ってる中で書いているので、どこで何を思いついたかとか何にも覚えてなくて。ずっと頭の中にあるし、書き直し続けているので、覚えてないんですよね。

──常に考え続けて、ブラッシュアップし続けているからこそですね。先ほど、「Unknown Sense」は去年のライブに向けて書いていたと話してくれましたが、どのように歌詞が生まれたんでしょう?
maho:「Unknown Sense」は、曲が強いというか、ハードモードな曲という印象を持ったんです。書きたいことって色々あるんですけど、感謝100%で書きたいこともあれば、怒り100%みたいなこともあって。それで言ったら、「Unknown Sense」は怒りではないけどそっちのモードで、日常で感じたものをここで消化させようって気持ちで書いていった曲ですね。
──本当にmahoさんの日常生活と連動しているんですね。いまのモードは、これから書く歌詞にも何か影響与える可能性は大きいですね。
maho:正直、そういう考えもあったんです。ずっと同じメンバーやチームと過ごすことはいいことだと思うんですけど、逆に変われないこともあると思っていて。だからこそ、もうちょっと自分の考え方や歌詞も広げたいなと思ったんです。今まではこう言ってたけど、もうちょっと違う角度で言えることがあるかもしれないとか、違う表現ができた方が面白いなって。あと、自分はずっと同じことを言ってる気もするなみたいな。そこで自分をシャットダウンするのは良くないなという気持ちもあって。もっと色々な人と会ったり、話したりしていけたら、制作活動や自分のモチベーションにも繋がっていくんじゃないかなと考えているんです。
