INTERVIEW : 夏芽ナツ

グループで新しいことにいっぱい挑戦したい
――昨年2023年はどんな年でしたか?
夏芽ナツ(以下、夏芽):音源のリリースとか、ツアーとか大きい会場でのライヴがなかったので、時間やスケジュールにゆとりがありましたね。これまで毎年リリースして、終わったら準備して、またリリースしての繰り返しだったので。あと、去年からメンバーで遊んだりするようになったんですよ。みんなのプライベートが見えて距離が縮まって、さらに仲良くなって、MCの雰囲気も良くなった気がします。そういう面では良い一年だったなと。
――良い流れですね。
夏芽:結成から5年目にして、そういうことをするようになりました(笑)。プライベートで話すと「こういう考えを持っているんだな」とかそういうことも伝えてくれるようになったので、わかりやすくなりました。
――どこで遊ぶんですか?
夏芽:いろいろですね。ご飯にいったり、映画も結構観に行きました。「ウォンカ(ウォンカとチョコレート工場のはじまり)」とか「スーパーマリオ(ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー)」とか見ましたよ(笑)。ディズニー・ランドもUSJも行きました。USJもわざわざ大阪の遠征の日に、もう一泊自分たちでホテルを取って連泊して行ったんですよ。
――仲良いんですね(笑)。今回はパフォーマンス周りのことをそれぞれに聞いていこうかなと思っています。初めて人前に立った時のこと覚えてますか?
夏芽:中学生くらいの頃、ソロでステージに立ったんですよ。その時に緊張しちゃって歌詞飛ばしちゃって歌えなくなっちゃって。確かHKT48さんの「メロンジュース」を歌っていたんですけど、「わかんなくなっちゃった!」と思ってごまかすために何回も頭ブンブン振りました。顔めっちゃ引きつってたと思います。それが初ライブの思い出ですね。
――なるほど。SANDAL TELEPHONEの初ライブは覚えてますか?
夏芽:覚えてます。結構やばかったですね。本当に何もできない少女たちが、ステージにポンって立って、何をしていいかわからなくて。歌もダンスも基礎がないし、とりあえず暴れてるみたいなステージでした。全然できなかったです。でも、その時は「よし!このまま売れるぞ」って思って、ポジティブでした。
――自信はあったんですか?
夏芽:自信はありました。メンバーみんな可愛いと思ってたし、「こんな可愛いグループがデビューして売れないわけがない」って思ってました。自信満々でしたよ。でもいまでもずっとポジティブには考えてます。

――これまでの活動の中で、パフォーマンスにおいて、ターニングポイントになったこととかありますか?
夏芽:メンバーが3人になった時かな。その時に振りをしっかり揃えようっていう話をして、メンバーとかスタッフさんとみんなで話したんですよ。4人の時は、みんな個人プレイみたいな感じで自由にしていて、それが良いみたいな感じだったんですよ。でも、3人でやっていく時に、全力でやっても大人数のグループには迫力で負けてしまうかもしれないなと思ったんです。だったら、ちゃんとダンスを揃えて、まとまったもので魅せていこうみたいな気持ちになりました。昔はパフォーマンスに対して、自分が目立てばいいと思ってたんですが、いろんなごまかしが効かなくなったからこそ、そこで色々意識が変わったなって思います。
――最近のライブはどうですか?
夏芽:声出しを解禁してから、ファンの人も最初は恐る恐るだったんですけど、ようやくみんな好きなように思う存分声を出せるようになってきましたね。最近はクラブセットでライブすることも増えたんですけど、声出してる人もいれば、踊っている人もいたり、リズムにノって揺れてる人がいたり、楽しみ方がバラバラなんですよ。こういうふうに各自でみんなが好きなように楽しめるのがいいなと思いました。
――クラブセットのやり方は掴めてきた感じですか?
夏芽:ようやくわかってきましたね。自分たちもクラブとか行かないので、ノり方がわからなくて。ようやくこうやってノるんだなって感覚が掴んできました。
――2月20日には最新ミニ・アルバム『SHUTDOWN→REBOOT』がリリースされます。楽曲もかなりパワーアップした印象があります。
夏芽:ダンスも難しくなってきました。特に1曲目の“SHUTDOWN→REBOOT”が難しかったです。テンポが速いから、うまく踊ってみんなで合わせるのが難しくて。今までみんな流れてる音楽に合わせるようにしてたんですよ。でもそれじゃ揃わないから、みんなで頑張ってカウントを数えるようにしたんです。今までやってなかった部分だったので苦戦しました。
――振り付けはどなたが担当されたんですか?
夏芽:振り付けは小栗かこさんにやってもらっています。かこ先生は“微熱フェノロジー”からご一緒しているんですけど、今作でも“BLACK DIAMOND”、“悲喜劇的アイロニー”もかこ先生にやってもらってます。今まではとりあえず大きく動いて、ドカンみたいな感じの曲が多かったんですよ。でも、かこ先生のダンスはしなやかに細かく綺麗に動く感じなので、ごまかしが効かないんです。
――なるほど。今作の推し曲を教えてください。
夏芽:推し曲は“Sparkle”です。私基本的に明るい曲が好きなんですよ。自分は元々キラキラアイドルに憧れてスタートしてるので、こういう曲は元気もらえるし、自分もやってて歌ってて楽しいです。
――こういうディスコっぽい曲はバチっと合いますよね。
夏芽:ファンの人もすごく盛り上がるんですよ。初めて聴いた人も、広い層に刺さりやすいし、そういう曲は好きです。自分に元気くれる歌詞なので、自分も明るくなりますね。
――今作には電気グルーヴの“Shangri-La”のカバーも収録されています。
夏芽:“Shangri-La”は、私たちのファンには世代の方も多いので、どういう風に受け入れてもらえるかなって思っていたんです。そしたら、ちばさんのアレンジのおかげもあってすごい好評だったんです。対バンライヴでも、初めて見た人にも印象が残りやすいので、ひとつ強みになった感じがします。
――“Shangri-La”はアルバムの中に入っていてもすごく馴染んでいますよね。
夏芽:今までと歌い方違って、力を抜いて歌う感じだったんですよ。レコーディングのときも、あんまり声を張らないで、リラックスして歌ってるんです。ライブ中とかも力みすぎてる時に、自分たちも一旦落ち着けます。
――最後に2024年の抱負をお願いします。
夏芽:私最近、書初めをしたんですけど、そこには「健康」って書いたんです。去年は体調崩しちゃったりもして、悔しい思いもしたので、「今年こそは!」って思っています。あとは、グループで新しいことにいっぱい挑戦したいです。やっぱりそういう新しいことするとファンの人も盛り上がるし、新しいファンの人に見てもらう機会になったりすると思うんです。
――いいですね。
夏芽:今年は、それこそカバー曲がもう早速新しいことですし、はじめて海外公演もやるんです。海外はどんな感じか分からないので、いろんなことに触れて感じたいと思います。あとはメンバーと一緒に意地でも遊びたいですね。そうやって、今年は新しいことをいっぱいしたいです。
