戦慄かなのが作り上げた、唯一無二のファビュラスな楽園──ソロワンマンライブ2023〈Solitary〉

戦慄かなのが、2023年1月14日にZepp Diversity Tokyoにて、ソロワンマンライブ2023〈Solitary〉を開催。戦慄かなののソロ活動の集大成となったこちらのイベント。OTOTOYでは、その模様を独自のレポートでお届けします。
戦慄かなの、「solitary」配信中!
REPORT :戦慄かなのソロワンマンライブ2023〈Solitary〉at Zepp Diversity Tokyo
取材&文 : 西田健

2023年1月14日。戦慄かなの初のソロワンマンライブ2023「Solitary」が、Zepp Diversity Tokyoにて開催された。彼女がソロ活動の集大成として作り上げたファビュラスな世界。そこは時に幻想的で、時に煌びやかで、時に妖艶で、時に暖かで、時に儚げな、まるで夢のなかにいるような空間だった。
定刻。最新アルバム「Solitary」に収録の“intro”が会場内に鳴り響いた。ステージいっぱいに広がるスクリーンに、見る者をまるで楽園へと誘うような映像が映し出されると、フロアの期待が一気に高まった。そして、無数のレーザー光線が客席を照らし、この日の主役である戦慄かなのが現れた。
セットリストの1曲目は、戦慄かなのがソロとして初めてリリースした曲“Fire Paan”。ポップなトラックにキュートなヴォーカルを乗せ、その楽曲タイトルよろしく、会場内の空気を音楽の炎で一気に温めていく。戦慄はそこから間髪入れずに「戦慄かなのです!今日は盛り上がっていきましょう!」という合図と共に次の曲“drop”へと繋げる。ケンモチヒデフミ謹製のぶっ太い重低音に、戦慄はキレッキレのダンスで応え、フロア全体を完全に支配していた。
最初のブロックを終えると、MCへ。戦慄は「お騒がせしております、戦慄かなのです」と挨拶し、先日自らの身に起きたパパラッチ報道について、ネタにしながら話していく。このまま、その件についてスルーする選択肢もあったのだろうが、ファンに向けて自分の言葉でしっかり伝えるところに彼女の誠実さが見える。推測でしかないのだが、ファンを安心させたい気持ちもあったのだと思う。

ライヴはさらに、「あなたを迎えに 遠くの星から来ました」というキラーフレーズが印象的な“baby ufo”をプレイ。途中のダンストラックでは、戦慄ビッチーズと呼ばれる大勢のダンサーたちと共に、まるでニューヨークで行われるショーの如く、妖艶かつセクシーな世界を展開。そのパフォーマンスは、終始息を飲むほど美しかった。
この日のライヴにおいて忘れてはならないのは、空間演出ユニットhuezが手がけた、映像やレーザーを使ったビジュアル面での演出である。その一切妥協のないクールなステージは、あらゆる側面を持った戦慄かなのワールドを表現する上で欠かせないものとなっていた。

“distance”を披露し終え、ダンサーと共に戦慄がステージからいなくなると、真っ黒なスクリーンには、「Special Guest 呂布カルマ」の文字が浮かび上がる。まさかのゲストの登場に、客席からは思わず驚きの声が聞こえていた。普段のスタイルを崩さず、飄々とステージに現れた呂布カルマは、さっきまでの煌びやかな戦慄のステージとは対照的に、ダークなビートにラップを重ねて、ライヴの流れにコントラストを生み出していく。呂布本人は「かなのちゃんが休憩している間に、場を繋ぎにきました」と語っていたが、この日のライヴ全体を通して考えれば、彼のステージングは次の戦慄のブロックへの橋渡しとして重要な役割を果たしていたと思う。

呂布カルマがステージを去り、トライバルなビートが鳴り響くと、デニムを身に纏った戦慄かなのが再び姿を現わす。彼女は超攻撃的なキラーチューン“ice blink”で、令和のカリスマとしての風格を見せつけた後は、新曲“unstable”を叩き込み、さらに観客のボルテージを上げる。このブロックでは、これまで魅せていた妖艶なものとは異なり、ストリート感を意識したようなダンスを見せていた。ひとつのライヴのなかで様々なスタイルを見せることができるのは、戦慄かなの自身が貪欲に新たなクリエイティビティーを取り入れているからなのだと思う。

戦慄の妹、頓知気さきな(と猫)による超絶まったりした映像出演を挟み、ライヴの後半戦では、femme fataleの楽曲“mellow mellow”と“鼓動”の2曲を戦慄かなのひとりで披露するコーナーも。これまでプレイしてきたクールさや緊張感のあるソロ楽曲とは一味違う、暖かな空気が会場に包まれていた。
新曲“broken”を歌う前、戦慄かなのは「少年院に入っていた時から、ステージに立って、こういう活動をする予感がしていた」と語っていた。戦慄はその予感を頼りに、紆余曲折ありながらも、自分のやりたいことを実現している。もちろん、彼女が進んできた道は決して平坦なものではなかったはず。いろんなものを背負い、破壊しながらも新たな道を切り拓いてきた彼女の姿は、これからも多くの人の心を掴んでいくだろう。

最後のMCのなかで、たまたまマイクを渡された戦慄ビッチーズのSHINKOが「かなのちゃんがずっと努力してきたのを、そばで見てたので…」と感慨深げに涙を流すシーンが印象的だった。ビッチーズは、ただのバックダンサーではなく、戦友と呼べる存在でもあるのだろう。前述のビジュアルチームと同様に、彼女たちが戦慄かなのの世界を表現していく上で、必要な存在であることは言うまでもない。
セットリストの最後を締めくくる“soda”で、戦慄かなのは客席に向かって手を振り、終始ファンサービスを欠かさなかった。こういうファン想いなところが、彼女についていきたいと思わせる魅力なのだ。こうして戦慄かなのソロ活動の集大成、初めてのワンマンライヴは幕を閉じた。彼女の類稀なるプロデュースの才能とたゆまぬ努力が、この日の素晴らしいステージを作り上げたのである。まるで夢のようなライヴだったのだが、これからも彼女は我々に見たことのない夢を見せてくれるはず。戦慄かなのの挑戦は終わらない。


■セットリスト
戦慄かなのソロワンマンライブ2023〈Solitary〉at Zepp Diversity Tokyo
OP intro
M1 fire paan
M2 drop
M3 baby ufo
M4 distance
ゲストライブ 呂布カルマ
M5 ice blink
M6 unstable
M7 mellow mellow(femme fataleカヴァー)
M8 鼓動(femme fataleカヴァー)
M9 broken
M10 moist
M11 soda
戦慄かなの、「solitary」配信中!
INFORMATION
●戦慄かなのソロライブ「LEVEL UP vol.4」
日時:2023年2月7日(火)
op/st 18:00/19:00
会場:渋谷WWW
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町13-17 ライズビル地下
TEL:03-5458-7685
前売チケット:4,000円(+1D)
https://eplus.jp/kananosenritsu0207/
出演:戦慄かなの
guest act:眉村ちあき
1/14(土)21:00情報解禁、チケット販売開始
●2023年6月28日(水)新宿歌舞伎町
Zepp Shinjuku(TOKYO)にて
戦慄かなのワンマンライブ開催
チケット販売開始日程など詳細は後日発表
PROFILE

戦慄 かなの(せんりつ かなの、1998年9月8日生まれ)
フジテレビ「アウト×デラックス」2022年3月までレギュラー出演
セルフプロデュースアイドルユニット「femme fatale」で実妹・頓知気さきなと活動中
2021年6月1stシングル「Fire Paan」をリリースしソロ活動を始動
●femme fatale公式HP/ファンクラブ
隠し子倶楽部 https://fuckin-femmefatale.jp
●twitter
・戦慄かなの[@FABkanano]:https://twitter.com/FABkanano?s=20
・femme fatale[@femme_iDOL]:https://twitter.com/femme_iDOL
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