Roseliaが描く“今”と“未来”──相羽あいな&中島由貴が語る、バンドとしての成長、そして自分たちの強み

「BanG Dream!(バンドリ!)」から誕生したバンド、Roseliaが待望の3rd Album『Für immer』をリリースした。今作にはRoseliaの持ち味である、ダークでゴシックな世界観を突き詰めた新曲のほか、彼女たちの原点とも言うべき“BLACK SHOUT”、“LOUDER”といった人気曲を収録。Roseliaの“今”と“未来”を投影したような作品に仕上がっている。今回OTOTOYでは、Vo.相羽あいな(湊友希那役)とBa.中島由貴(今井リサ役)の2人にインタヴュー。Album収録の最新曲についての話や、Roselia初のツアー〈Roselia LIVE TOUR「Rosenchor」〉について語ってもらった。
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INTERVIEW : Roselia (相羽あいな、中島由貴)

Roseliaの3rd Album『Für immer』を再生して、1曲目“Sage der Rosen”から一気に彼女たちの世界に包まれた。彼女たちらしい、ゴシックかつシンフォニックなサウンドに重厚なコーラス、そこに乗る湊友希那(CV:相羽あいな)のヴォーカルが本当に絶品だったからである。今作にはRoseliaが大切にしてきた人気曲も多数収録されており、新たにRoseliaに興味を持った人や、いまのライヴの空気を知る上でも重要な作品になることは間違いない。今作のラストに収録されている“Floral Haven”はバラード調からハードに展開しながらも、Roseliaが未来へ向かって進んでいく姿を感じられるドラマチックな楽曲だ。歩みを止めることなく、さらなる成長を続けるRoseliaの音楽を存分に味わってほしい。
インタヴュー・文 : 西田健
撮影 : MANAMI
愛知公演で生まれた「奇跡のフォーメーション」
——Roseliaは2月からはじめてのツアー〈Roselia LIVE TOUR「Rosenchor」〉を開催中です。残すところあとは東京公演 -Final-のみとなってきましたね
相羽あいな(以下、相羽):Roseliaのはじめてのツアーということで、新たな発見とそれぞれ成長ができましたね。
中島由貴(以下、中島):はじめましての方も多くいらっしゃって、やっと他の地域にも生のライヴをお届けできているツアーになっているのかなと思います。特に北海道と福岡は初めての方が多かったですし。
——ツアーはお客さんも待ち望んでいたと思いますよ。
中島:そうですね。北海道と福岡ははじめて行ったので特に熱量がすごかったですね。どの会場も盛り上がっていたんですけど、各会場によって盛り上がりのベクトルが違うというか。
相羽:まず〈大阪城ホール〉からスタートしているんですけど、〈大阪城ホール〉は個人的にもライヴをたくさん観てきた会場だったので、そこでライヴができたのが嬉しかったですね。
中島:大阪はMC中にツッコミがたくさん飛んできたよね。
相羽:活発だったよね。会話にも大きくリアクションをとってくれました。今回のツアータイトルの「Rosenchor(ローゼンコール)」って「合唱」という意味が含まれているんですが、大きな声で歌ってくれてそれもすごく嬉しかったですね。
中島:北海道ははじめましての方も多いし、ステージと客席の距離が近かったので、私たちに対して秘めていた思いや愛をドーンとぶつけてくれました(笑)。
相羽:会場が物理的に近かったんですよ。手が届くくらい。
中島:マイクを通さずに喋りが聞こえるくらいの近さでしたね。普通に会話できちゃうレベル。
相羽:愛知は2回目だったんですけど、お客さまがとにかく元気でしたねー。
中島:元気だったねー。コールが大きかった記憶があるかも。
相羽:愛知は会場の作り的に、天井近くまでお客さまがいたんですよ。それもすごく楽しかったですね。
中島:次の福岡では、事前にスタッフさんから「静かに観てくれるお客さんが多いので、いままでの公演と雰囲気が違うかもしれません」って言われていたんですよ。だからちょっと構えていったんですけど、全然そんなことなかったよね。
相羽:だから普段から大声あまり出さないのかなって思っていたんですけど、最初から最後まで熱量がすごかった。

——今回のツアーで印象に残っていることはありますか?
相羽:大阪は特別公演だったので、そこでしか観られない演出もあったんですよ。演出、演奏やパフォーマンスなど、終わってからすぐに反省会をしていたよね。
中島:そうそう。1日目が終わった後に、集まれる人だけ集まって話し合いました。「ここは改善できたらいいね」って話もしたり、褒めあったり(笑)。
——なるほど。“反省”と“褒め”はどのくらいの割合なんですか?
中島:半々くらいかな(笑)。大阪の2日目は本当に“褒め”がすごかったよね。工藤(晴香)さんだけ先に仕事で帰らないといけなかったんですけど、残った4人でお酒を飲みながら褒め合いが始まってね。
相羽:楽しかったよね。映像を観ながら褒め合いしてたんですよ。
中島:「あなたはここがいい!」とかね(笑)。相羽さんに言うとしたら、「ここのロングトーン決まった!」とか「あんたはピカイチだよ」みたいな(笑)。
相羽:「腰の位置とか足がかっこいい!」とかね。たとえばミスがあったとしても、「ナイスフォロー!」とか「あのミスは絶対バレてないよ!」とか言っていましたね。
相羽:もうひたすら褒め合ったよね。反省してすぐ次に活かせるのが、個人的にもバンド的にもありがたかったですね。

——仲良いですね(笑)。
中島:今回のツアーは北海道以降、セトリをあまり変えていなかったんですよ。演奏していると会場によって響き方が全然違うんですけど、ずっとやってきているセトリだから余裕をもって調整したり、気をつけるポイントを考えたりできましたね。今までとは違う目線でリハもできました。
相羽:やっぱり会場ごとに自分の声に対しての聞こえ方が違うんですよね。静かな場所だと自分の声が二重に聞こえてきましたし。そこを冷静に分析できたのは大きかったです。
中島:あとは今回のステージのセットの作り方で、階段に登って上にいったら全然低音の響き方が違くて、お客さんも聴いている位置によって、聞こえ方も違うんだなと改めて感じました。
——同じセトリでツアーをするからこそ、気づける部分ですよね。
相羽:そうですね、ツアーっておもしろいなって思いました。同じ曲でも全く同じように披露することはないですし。あと個人的になんですけど、「奇跡のフォーメーション」というものをしてしまって…。愛知公演で“Sprechchor”という楽曲を演奏したんですけど、そこではセットの上の方で3人並ぶ予定だったんです。私がもうとにかく楽曲に入り込んで熱唱していて、そのことを忘れていて…。ふと隣を見たらギターの工藤さんがいなくて(笑)。そしてベースの中島さんもいなくて(笑)。
中島:気付いたの、そのタイミングだったのね(笑)。私たちが上に上がろうって言っていたタイミングが、落ちサビに入った瞬間だったんです。でも相羽さんがなかなか上がってこないぞってなったんですよ。本来相羽さんが立つ立ち位置に、工藤さんと背中合わせで立って埋めたという「奇跡のフォーメーション」が完成してました(笑)。あのとき工藤さんと私で本当に「ニチャー」って悪い笑顔で演奏してたんですよ。
相羽:でも映像がないんだよなー。ふたりの悪い笑顔見たかった(笑)。
中島:ツアーを経て、わたしたちRoseliaもさらにアドリブ力がついたということで(笑)。
