いまはじまった「紫陽花は降らない」の物語 ──デビュー・ライヴ『わたしが来た!』

新たなアイドルグループ、「紫陽花は降らない」(通称:あじふらい)が渋谷WWW Xにてデビュー・ライヴ『わたしが来た!』を開催。初々しくも、その全身全霊を込めたパフォーマンスで、集まったオーディエンスたちに想いを届けた彼女たち。その模様を熱量たっぷりにお届けします。
紫陽花は降らない、オリジナル楽曲配信中
LIVE REPORT : 紫陽花は降らない DEBUT LIVE『わたしが来た!』
取材&文:ニシダケン
2025年4月26日。新たなアイドルグループが、ついに動き始めた。その名も「紫陽花は降らない」(略して、あじふらい)。彼女たちは、この日、渋谷WWW Xにてデビュー・ライヴ『わたしが来た!』を開催し、群雄割拠のアイドルシーンへと名乗りをあげたのである。
「紫陽花は降らない」のメンバーは、颯 詩音、花谷 杏菜、唐澤 ひかり、小河 心優、郡山あきか、仲 ありすの6人。他のグループ経験者などを含め、個性豊かなメンバーが集結している。会場であるWWW Xには、彼女たちの門出を祝うべく、デビュー・ライヴにも関わらず多くの人が集まっていた。
会場に入ると「紫陽花は降らない」というグループ名をイメージしたような、花柄の傘がステージのセットとして用意されており、これからはじまるライヴの期待が高まっていく。そして定刻を迎え、SEとともにメンバーが現れると、歓声が沸いた。セットリストの1曲目は、初のオリジナル曲“青春の栞”。爽やかかつエモーショナルに6人の歌声が重なり合い、会場に響き渡る。すると、ステージの一生懸命な姿に呼応するように、フロアからも声が飛び、1度しかない初ライヴのはじまりに彩りが加えられた。
ライヴは続いて、2曲目の“わたしが来た”へ。ポップな曲調とともに、元気いっぱいのパフォーマンスで客席に笑顔を振りまいていく。デビュー・ライヴらしくまだまだ初々しい様子の彼女たちだったが、「この日来てくれたお客さんを楽しませたい」という思いは本物だった。

と、ここで初めてのMCへ。まずはひとりずつ自己紹介からスタート。「ドラゴンクエスト」が好きで客席に特大のメラゾーマを放った仲 ありすから始まった自己紹介タイムは、その後、コンピューター系の資格を持っている小河 心優、「彩の国21世紀郷土かるた」を詠む花谷 杏菜へと続く。さらに郡山あきかは「私は緑色担当で狸顔なので、緑のたぬきと覚えてください」と話すと、颯 詩音は「麻雀と町中華と二郎系ラーメン」が好きですとアピール。最後の唐澤 ひかりは「ヘボいと言ったらひかり、ひかりと言ったらヘボい」と自虐を交えてキャッチフレーズを届けた。
そしてライヴは早くも後半戦へ。3曲目は、“君は君を往け”。ド直球な応援ソングながらも、コミカルな振り付けが特徴のこの曲。曲間にはペアダンスも披露され、これからのグループの大きなキラー・チューンになっていく予感を感じさせた。これで事前に公開されていた3曲を歌い終えた6人だったが、ここで彼女たちは「次の曲はサブスクも配信されてない曲です。今日は、ここにいるみんなのために特別に披露したいと思います。 雨が降っても、みんなにとって 優しくて淡いお花でいられますように」と語ったあと、新曲である“雨音に咲く”をサプライズで初披露。6人の届ける真摯なメッセージが、会場中を温かな空気に包んだ。
4曲を歌い終えると、ここからは石橋哲也氏をMCに迎えたトークコーナーへ。ここでは先ほどの自己紹介からさらにメンバーの魅力が深掘りされた。まずトップバッターは、仲 ありす。FRUITS ZIPPERの鎮西寿々歌に憧れているという仲は、打ち合わせの際に「ギャグをやりたいです」と伝えていたそう。そこで「ぞーうさん ぞーうさん お話が長いのね♪」とオリジナルのギャグをぶっ放すと、続けて隣の小河 心優を巻き込み、「このみゆちゃんの髪の毛、すっごく綺麗でしょう。実はこの髪の毛、狼の尻尾でできてるんです!」とかなり高度なセンスを披露し、会場を大きく苦笑いに包んでいた。

続く、小河 心優はMOSエキスパートの資格を持ってることを明かし、アイドルとして新しい方向での展開を期待させた。また花谷 杏菜は、先ほど披露した「彩の国21世紀郷土かるた」を再び、披露。なおその腕前は県大会まで出場したとのことで、確かな実力も感じさせた。また花谷は小学生の頃からアイドルを目指しオーディションに応募しつづけていたが、なかなか陽の目を浴びることができなかったという。この「あじふらい」のメンバーとして下剋上を起こしたいと語る彼女の目は、爛々と燃えていた。


郡山あきかは、先ほど披露した「緑のたぬき」というワードにちなんで「たっぷりの愛を注いで、3分で好きにさせます。」というキャッチフレーズを披露。また郡山は1年5ヶ月前に、別のアイドルグループを卒業し、その間「アイドルなんて大嫌いだ」と思うほど悩んだことを語る。しかしこの日集まったファンの姿を見て、「やっぱりアイドルが大好きです」という熱いメッセージを伝えた。

麻雀が趣味だという颯 詩音は、「好きな役は?」と聞かれると、「バラバラだけど、それが合わさると強くなるから」という理由で「国士無双」と回答。またその後も独特のトークを展開し、MCの石橋氏もタジタジの様子だった。トークパートのラストは、唐澤 ひかり。先ほど、登場した「ヘボい」というキャッチフレーズについて、MCの石橋氏によると、トークレッスンの際に、「緩急って…なんですか?」「抑揚って…なんですか?」となかなかの天然っぷりを発揮していたとのこと。ただそれも愛らしいヘボさということで、彼女なりの個性なのだと感じた。


トークコーナーを終えると、最後の楽曲の披露へ。「本日は私たちのデビューライブにお越しいただき、本当にありがとうございました。私たちの目標は東京ドームシティホールでワンマンライブをすることです。 まずはその目標に向かって、メンバー一同これから精一杯 走り出していきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と伝え、このライヴのタイトルでもある“わたしが来た”を熱唱。温かくも力強い歌声が、会場中に響き渡っていた。

アンコールではまず“青春の栞”で登場。その後、お客さんに向けてこの日やった4曲のなかからリクエストを募り、もう1曲を決めたのだが、ここで選ばれたのも“青春の栞”だった。この日、合計3回披露された“青春の栞”。しかし披露するたびに、観客の耳にも馴染んでいきメンバーの緊張も解けていたのか、この日一番良いパフォーマンスが見られたような気がした。
こうしてデビュー・ライヴ『わたしが来た!』を大成功に収めた、紫陽花は降らない。この日、この場所に来た人ならわかる通り、このグループには、とても個性的なメンバーが揃っている。まだまだはじまったばかりの紫陽花は降らないの物語。ぜひ、これから追いかけていって欲しい。

紫陽花は降らない、オリジナル楽曲配信中
INFORMATION : 紫陽花は降らない

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