こんなに心強いライヴははじめて
——野音公演がソールドアウトしたときは、どういう心境でしたか?
チーチー:最後の手売りを買ってくれた女の子が私たちより先に泣いてしまったんです。野音完売という目標に向かって頑張ってきたんですけど、こんなに完売を喜んでくれる人がいるんだなという気持ちになりました。そういう人たちの存在に、はじめてちゃんと気付かされました。特別な時間でしたね。
——本当に濃い2ヶ月でしたね。
チーチー:「完売させたい」という思いを口に出してもいいんだなというか、今までカッコつけてたんだなと思いました。
——なるほど。そして12月23日に、日比谷野外音楽堂でのワンマンライブ〈But I Love You TOUR FiNAL -I can fly!!!!!!-〉が開催されました。終えてみていかがですか?
チーチー:お客さんの顔がはっきり見えて、こんなに心強いライヴははじめてでした。自分たちのためだけにお金と時間を割いてくれるんだったら、怯えている場合じゃないなと思いましたね。野音に緊張している自分たちを見せたいわけじゃないし、いまここでしか伝えられないものがあるんじゃないかと思いながら歌っていました。
——ということは、そんなに緊張しなかった?
チーチー:しなかったですね。音響トラブルがあっても、「よっしゃ、これから上がっていくだけだ!」という気持ちになりました。
——音響トラブルがあった後、ナ前ナ以さんが声をあげた場面は忘れられないです。カッコよかったですね。
チーチー:ナ以ちゃんが煽ってくれました。ナ以ちゃんはいつも今何をするべきかを冷静に行動に移してくれるので、かっこいいですし、同じグループですけど憧れています。

——ASPにとって、野音でライヴするのは2回目になりますが、1回目と比べてみていかがですか?
チーチー:埋まっていたからなのか、1回目の野音よりも会場が少し小さく感じたんです。去年の野音は、ASPの7人だけしかいないという感覚だったんですけど、ならず者たちとの距離が縮まった気がします。今回は魅せ方まで考えられたのは大きかったですね。
——パフォーマンスの出来についてはどう思っていますか?
チーチー:声を万全に治してから出たかったです。お母さんも妹も見にきてくれたんですけど、「ライブハウスみたいにちゃんと聞こえなかったよ」って言われたんです。個人的には“NO REASON”をやり直すってなったときに、「もうシャウトできない!」って思いました。やっぱり体調管理をしっかりしないとですね。
——全体の出来に点数をつけるとしたら何点ですか?
チーチー:73点くらいですね。何があってもブレないかっこよさをもっと魅せたかったです。音響トラブル、寒さ、喉の不調、みたいなことがあっても、かっこいいのを目指したいですね。
——野音では、2024年10月8日に開催される、日本武道館公演〈We are in BUDOKAN "The floor is all ours!!"〉が発表されました。武道館公演が決まったときはどういう心境でしたか?
チーチー:玉ねぎが見えたときは「武道館だ」と思ったんですけど、それがASPとはすぐに結びつかなかったくらい、自分たちのこととはすぐには思えなかったですね。いまもあまり信じられていないです。正直自分たちの手で掴んだものではないし、WACKの先輩方のおかげで決まったんだと、最近まで思っていました。でもメンバーと話すなかで、武道館でのライヴを用意していただけるくらいまで、自分たちは頑張ったんだと思えるようになりました。ネガティヴになっていたら、ならず者にもスタッフさんにも失礼だし、胸を張っていこうという意見に変わりましたね。まだ不安なんですけど、堂々と武道館に立てるまで頑張ろうかなと思います。
