希望をつないでくれて、本当に感謝しています
──RAYには様々な楽曲がありますが、メンバーそれぞれの一押し曲を教えてください。
琴山:「世界の終わりは君とふたりで」です。自分の中のRAYの代表曲で、入ってからも歌う機会が多くて、自分自身とグループが一緒に成長してきたような思い出が詰まっている曲。
紬:私は「See ya!」という曲ですね。毎回、披露するたびにそのときの気持ちで表現が変わるので、生き物みたいな曲だと思ってます。RAYの「魂」みたいな部分をライブで感じてもらえる曲だと。
月海:私は新曲の「おとぎ」ですね。自分が主人公っぽく振り付けがされている部分があって、一番思い入れのある曲。ラストの歌のパートも私が担当しているので、パフォーマンスするうえでも特別に考えながら臨んでいます。
内山:「読書日記」が大好きです。みこちとまお、愛海が加入したときにRAYのオリジナル曲としてもらったんです。当時は「これからどうなるんだろう?」ってすごく不安だったんです。でも「これを今の体制でやるよ」って言われて曲を聴いたときに、「あ、大丈夫だなRAYは」って思えたんですよね。すごく変拍子で難しいんですけど、セトリに入ると、イントロの1音目から感情がグッとこみ上げてくる曲です。
──先日5月4日、渋谷CLUB QUATTROにてRAY ONE-MAN SHOW「Preserved Flowers」が開催されました。この日をもって、メンバーの愛海さんが脱退されましたが、みなさんはこのライブについて、どんな思いを抱いていたんですか?
内山:この日のライブは、5人での活動の集大成みたいな感覚がありました。このときの5人の姿を“プリザーブドフラワー”みたいに、枯れず色褪せないものとして残そうという気持ちで、あのライブに臨んでいました。
紬:「5人の形を残したい」という前向きな気持ちが大きかったです。その場ではあまり感傷的にはならず、「愛海を送り出してあげよう」って思ってて。だからバイバイするまでは平常心だったんですけど、家に帰ってから「ああ、終わっちゃったんだ」って寂しくなりましたね。
月海:しずくちゃんはこのとき活動休止中でその場にいなかったけど、「フロンティア」のパフォーマンスで、彼女の声が入った音源で歌ったんです。4人でのステージだったけど、心の中では5人でパフォーマンスしているつもりでした。落ちサビでしずくちゃんの声が聞こえた瞬間に涙が出てしまって、最後の挨拶のときは溢れてしまって…… もう「ワーン!」って泣きました。

──6月14日に大塚Hearts+にて開催されたRAY presents「琴山しずく、復帰おめでとう会!」にて、2025年3月27日以降、病気の療養のため活動を休止していたしずくさんが復帰しました。このとき、みなさんはどんな気持ちだったんですか?
月海:イベントの少し前にメンバーが揃ってしずくちゃんに会ったんです。その瞬間に「よかった!」って気持ちが溢れてきて、「また一緒に活動できるんだ」って思ったら、泣いちゃいました。でも隣ではこの人(内山)が“うー”って泣いてました(笑)。
内山:私が一番泣いてましたね(笑)。しずくちゃんがいなかったら、続けられなかったことが本当に多くて。残りのメンバーで活動しているときは、支え合ってはいたけど、不在の寂しさがずっとあったんです。久しぶりに会って、「生きててよかった」って思うくらい嬉しくて、大号泣しちゃいました。
紬:話を聞いたときは「戻れるのかな?」って不安もあったんです。だから今こうして一緒にライブできてることが、本当に幸せです。隣で楽しそうにライブしてるしずくちゃんを見るたびに、嬉しくなります。
琴山:私も2〜3日で戻れるかなって軽く考えて病院に行ったんですが、思った以上に時間がかかってしまって…。RAYでの活動は私にとって“人生そのもの”みたいなものだから、それが突然なくなってしまったことで希望がなくなったというか。「すぐに戻ってライブがしたい」って気持ちが一番大きくて。でもそれができなかったことが悲しかったです。
メンバーには、負担をかけてしまってると思っていました。クワトロのワンマンにも出ようと頑張ったけど、病気のことを考えると難しくて……。でも、「フロンティア」で私の声を入れてくれたり、不在の間もファンの人に安心を届けてくれたのがすごくありがたかったです。メンバーやスタッフの皆さんが、いつか戻ってくるっていう希望をつないでくれて、本当に感謝しています。

