INTERVIEW : RAY

インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影 : 大橋祐希
ギターアンプ20台置いてライブしたりしたんです
──RAYは現在4人体制で活動しています。メンバーの素顔をよく知るオリジナルメンバーの内山さんの方から、他の3人のメンバーについて、どんな方なのかを紹介してもらえればと思います。
内山結愛(以下、内山):月海まおは、みんなから「ちいかわ」って呼ばれています(笑)。でもライブになると艶っぽい表情をしていてそのギャップが魅力の女の子です。あとはサブカルチャーにも造詣が深いです。音楽の話もよくしますし、一緒にライブに行ったりもします。Spotifyのリスナー数が20人以下みたいなところからも、良い楽曲を見つけてくるし、「めっちゃかっこいい音楽知ってるな」っていつも思ってます。
──まおさんは音楽以外では、どんなものが好きなんですか?
月海まお(以下、月海):音楽以外だと、ゲームや漫画、アニメが大好きです。SFっぽい世界観のアニメが好きで、『攻殻機動隊』とか『エヴァンゲリオン』、『新世界より』や『輪るピングドラム』とか、そういう系のアニメが好みですね。


──続いて、紬実詩さんは?
内山:みこち(=実詩)は、私の中では「ダンス」と「MC」でRAYを引っ張ってくれている存在です。みこちのフィルターを通じてダンスを言語化してくれることで、「こう動かすともっとかっこよく見えるんだ」って、新しい発見が今でもあるんです。ライブ中のMCでも、うまく話を本題に戻してくれたりして、すごく助かってます。
──ダンスはどれくらいやっているんですか?
紬実詩(以下、紬):もう20年くらいやっています。ずっとヒップホップダンスを習っていました。ダンスの専門学校にも2年間通いました。そこでバレエやジャズ、コンテンポラリーなど、いろんなジャンルを学んで。以前は別の事務所に所属していたんですけど、思うようにはいかなくて……。その後、1年半ほどダンスのインストラクターをやっていたんですが、やっぱり「教えるよりも、自分が表現したい」と思うようになって、RAYに加入しました。


──琴山しずくさんはどんな方?
内山:しずくちゃんは本当に多才です。RAYに入ってからギターを演奏し始めたんですけど、自作の曲をいくつも作っているんです。音楽理論に縛られない自由なメロディー感覚と、独特な言葉選びが魅力で、私たちはそれを「コットワールド」って呼んでます。最近はテクノセットでのライブもやっているんですよ。
──テクノセット?
琴山しずく(以下、琴山):テクノセットは、去年の生誕ライブのなかでやったんです。エレキギターとサンプラー、それからオタマトーンを歪ませたりしてライブをしました。最初は弾き語りをやっていたんですけど、それを“進化”させるにはどんな形がいいかと相談していたときに、「テクノが合うんじゃない?」と提案をもらったんです。YMOとかいろんな曲を聴いて、自分の曲に合うフォーマットをイメージして、アレンジしてもらいました。


──これまで活動してきたなかで、RAYというグループの魅力って、どこにあると思いますか?
琴山:RAYは楽曲数が多いんですけど、それだけじゃなくて、ジャンルもすごく幅広いんです。シューゲイザーやオルタナティブ・ロック、伝統音楽的なものまでやっています。ライブでは観ている人を飽きさせないし、楽曲の解釈を観る人に委ねるような自由さがあるのが魅力ですね。
紬:楽曲が幅広いからこそ、ジャンルを超えていろんな人に響く曲を持ってるのが強みだと思います。バンドとの対バンでは、音でぶつけにいくし、逆に「RAYの世界観を味わってほしい」みたいなスタンスもできる。変幻自在であることが、RAYらしさなんじゃないかと思います。
月海:私が思うRAYの良さは、「音の作り込み」だと思っています。RAYは音作りだけのためにリハーサルしたり、細かいところまで調整しているんです。RAYはバンドと対バンすることも多いんですけど、「RAYの方が音がでかかった!」って言われることもあるくらい、音に関しての気合いはすごいと思います。
内山:過去にも、ギターアンプ20台置いてライブしたりしたんですけど、音の“揺れ”を体で感じるんですよ。「スピーカーの前の人、大丈夫かな」って心配になるくらい(笑)。それでもお客さんがすごく喜んでくれるから、「あ、RAYっていい意味で変態なんだな」って思います(笑)。そういう意味でも、私はRAYの魅力は「企画力」だと思います。すごく音楽的に尖ったライブもできるし、「RAY女学院」とかバラエティイベントみたいな、ちょっとふざけた雰囲気の企画もやっているんです。その両立がRAYの魅力だと思ってます。そういう一筋縄ではいかない感じがRAYの面白さなのかなと。

