【第三期BiS 連載vol.47】BiSは走る速度を上げないといけない──ヒューガー、ロック魂全開のAL『NEVER MiND』を語る!

連載｜ BiS連載

2024/02/29 18:00

どこでも観に行きたいと思ってもらえるような存在になるために

—— 9曲目の“悲しみを纏う男たちの行進”はfOULのプロデュース楽曲です。これは“青風”とは正反対の歌い方ですね。

ヒューガー：これは本当に踏ん張りました。私は声が低いからよかったんですけど、キーが高い子とかは苦労した部分もあったと思います。

——この曲は、谷口健さん作詞の男臭い歌詞も印象的です。

ヒューガー：これは1人称も「俺」なので、歌っているときは男のマインドです。レコーディングでは、「デモに沿わない歌い方をした方がかっこいいから、自分で士気を上げて自由にやりなさい」と指導いただいたんです。

——聴きどころはどこですか?

ヒューガー：この曲でしかやっていないノドの使い方ですね(笑)。私たちの腹の底からの男の声を聴いてほしいと思っています。こういう一面も！？という驚きを感じてもらえると思うのでかなり特別ですよ。

——10曲目の“Sakura”はどういう楽曲に仕上がりましたか?

"Sakura" Produced by Age Factory / BiS 新生アイドル研究会 [OFFiCiAL MUSIC ViDEO]

ヒューガー：この曲は新海誠監督の『秒速5センチメートル』という映画を観て、その後にもう1回“Sakura”を聴くのがオススメです。映画が題材というわけではないですけど、要素として入っているんです。

——ヒューガーさんは『秒速5センチメートル』は観たことはあったんですか?

ヒューガー：はい。正直内容は覚えていなかったんですけど、改めて観ると解像度がすごく上がりました。例えば、昔好きだった子同士がバラバラになっちゃって、男の子はまだ女の子のことを思い続けているけど、女の子はもう思っていなかったり。でもその男の子は別の女の子から好かれていたり、そういった関係の切なさをこの曲では表しているなと思いました。

——アルバムの最後を飾るのは、AxSxEさんプロデュース、JxSxKさん作詞の“NO CHOiCE”です。

ヒューガー：この曲の歌詞も、渡辺さんからのメッセージだと思って受け取りました。

——確かに「いかなきゃ」のような渡辺さんおなじみのワードが散りばめられていますね。

ヒューガー：まさに私たちは「いかなきゃ」いけないと思います。でも可愛い曲調なので、歌詞の重さがそれと対比されて強調されるかなと。こういうメロディーに乗っていた方が、心に刺さりますね。

——おすすめポイントはどこですか?

ヒューガー：やっぱりサビの「まだまだできるはずもっともっとやらなくちゃ」かな。でも「やるっきゃないのだ」の繰り返しもグッときます。

——今作を総括してみて、ヒューガーさん的にはどんなアルバムになりましたか?

ヒューガー：魅力がありすぎるアルバムになったと思います。プロデュースしてくださった6組の方々の素敵なところと、私たちの良さがドッキングされた最高の11曲が入っています。それぞれのロック魂を感じる作品に仕上がったと思うので、たくさん聴いてほしいです。

——5月からはこのアルバムを提げて関東を中心に回るツアー〈We Gotta Go BiS TOUR〉が開催されます。どんなツアーにしていきたいですか?

ヒューガー：〈We Gotta Go BiS TOUR〉は関東中心に回るんですけど、関東の人だけに心が向いているとは思ってほしくないんですよ。住んでいる場所関係なくどこでも観に行きたいと思ってもらえるような存在になるために、まずは関東でライヴをして絆を強固にしたいです。もちろんみんな全国でライヴをしたいと思っているので、今回はパワーアップのためのツアーになったらいいなと思っています。