私たちが目に見えていないところにも、応援してくれている人がいるんだな
──2020年にはコロナ禍に入りますが、活動はより厳しくなっていきます。あの時期をどのように過ごしていましたか?
アイナ:結果的に休む機会になって、よかったのかなと思うんです。経験したことのないテレビ出演をやって、精神的にもついていけてなかったんです。振り付けを作ることに対して意識が向いている時期でしたし。
チッチ:コロナ禍になって、1人じゃ何もできないことに気づいたし、BiSHがどれだけ生活の中で大きかったかに気づいたと思います。なにもできなくて辛かったですけど、1人1人の気付きがたくさんあったので、こんなに愛情深く接することもできるようになりました。意味のある時間だったと思います。
モモコ:コロナ禍ではリンリンとは交換ノートをしたりして過ごしていました。コロナがあってから、見えなかったいいものと悪いものが見えてきたなと思います。Twitterでの厳しいコメントに傷ついたり、逆に新しくBiSHを好きになった人のことを知ったりとかしましたね。どちらかというとコロナを味方につけられた気がします。
ハシヤスメ:コロナ禍じゃなかったら、いまとは違う歴史もあったんじゃないかなって思うんです。というのも2020年の合宿で一番ポイントが高かったメンバーのグループが海外に行けるみたいな企画があったんですよ。
チッチ:私それで一番だったもん。私が行った合宿で1位になったので、BiSHとして海外でライヴする権利をもらったんですよね。
ハシヤスメ:そうそう。だからBiSHで海外に行けるんだと思っていましたね。
──もしコロナがなかったら、BiSHが海外公演をしていた世界線もあったんですね。
ハシヤスメ:そうですね。
──するとしたら、どこで海外公演をしてみたいですか?
リンリン:ブラジルの清掃員に会ってみたいです。写真付きで「あなたがいるから元気がもらえています」みたいなツイートを毎日してくれる人がいるんです。日本からCDやグッズも買ってくれるんですよ。
リンリン:イギリス、台湾、韓国にもいるよね。
アユニ:(田渕)ひさ子さんがこの間台湾で公演したときにも、スタッフさんがBiSHのTシャツを着ていたらしいです。私たちが目に見えていないところにも、応援してくれている人がいるんだなと思いました。
チッチ:意外とBiSHは知られているんだなと思うと嬉しくなりますね。

──OTOTOYでは結成当初から、定期的にBiSHのみなさんにインタヴューさせていただきました。これまでのことを振り返ってみていかがでしたか?
モモコ:普通は私服っぽいスタイリングで取材するんですけど、OTOTOYさんはずっとガチ私服なんですよね。だから「あのとき、こんな服装していたな」とかもわかって、生々しい痕跡を残せました。BiSHのオーディションを受けた場所でもありますし、世間話もできて嬉しかったです。
アイナ:はじめはインタヴューが怖かったんです。4人と渡辺さんで初めてOTOTOYさんのインタヴューを受けた帰り道、ハグ・ミィに「アイナちゃん、めっちゃメンヘラみたいな顔して話聞いていたよ」と言われたくらい緊張が顔に出ていましたね。そういうときからOTOTOYさんは見てくれていて、私の歌やダンスを頑張りたい気持ちを応援してくれましたし、インタヴュー以上のことを教えてくれました。この場がなかったら、インタヴューに対して今でも苦手だったかもしれません。OTOTOYさんに鍛えてもらった気がします。
リンリン:最初はインタヴューが何かもわからないし、受け答えができていなかったですけど、飯田さんはロン毛の人だったので喋りやすかったです。最近は「いつOTOTOYのインタヴュー来るんだろう?」とスケジュールを確認するくらい楽しみにしていました。思い出がたくさんつまっています。
アユニ:最初は自分の思いを口に出すのが苦手だったので、たくさん迷惑かけたと思います。半年に1回のインタヴューも正直怖かったです…。上手く受け答えできなくて泣いて帰った記憶もありますね。でもOTOTOYのインタヴューは自分と向き合える時間だったので、ありがたかったです。育ててもらえた場所でしたね。
ハシヤスメ:近況をいっぱい語れる場所でした。そしてより深く喋れる場所でした。自分の作っているコントや、自分の思いを話せて楽しかったです。
チッチ:考えや思いを、唯一話せるのはOTOTOYだけでしたね。いっぱい考えていても、それを発言する場所って全然ないんです。6人の意思を伝えるのもここだったし、みんなの思いを知るのもここでした。しかも飯田さんは背中を押しながらインタヴューしてくれたので、毎回救われていましたよ。
──BiSHの勢いに我々は振り落とされそうでした。でも振り落とされないように、清掃員と同じ目線で情報を追っていました。こちらこそありえないほど素晴らしい経験をさせてもらいました。本当にありがとうござました。
一同:ありがとうございました。

編集 : 西田健
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PROFILE
アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・D からなる“楽器を持たないパンクバンド” BiSH。
2015年3月に結成。5月にインディーズデビュー。2016年5月avex traxよりメジャーデビュー。
以降、「オーケストラ」「プロミスザスター」「My landscape」「stereo future」等リリースを重ね、横浜アリーナや幕張メッセ展示場等でワンマンを開催し、ロックフェスにも多数出演。