WACK合宿オーディションが精神的に楽に感じるくらい
──2018年頃になると徐々に知名度が上がり、メディアや芸人さんが取り上げるようになりました。この頃はどうでしたか?
チッチ:この中盤の時期は、テレビに出ることもあって、焦っていた気がします。このあたりからリンリンの髪型にも変化が出てくるんですよね。“プロミスザスター”のときの、リンリンの髪型もすごかったですし。
リンリン:「リリースのタイミングで髪型を変えていいよ」と言われていたので、それに従って変えていたんですよ。ただやってみたかった。
──ちなみにコントはいつから始まりましたか?
チッチ:Less Than SEX TOURの頃かな。あっちゃんが丸くなっていった時期ですね。あっちゃんは意思が強い人なので、最初は渡辺さんにも反対していたんですよ。コントをし始めてからムードメーカーになって、優しいあっちゃんになった気がします。
──ハシヤスメさん本人としては、自分が丸くなった意識はありますか?
ハシヤスメ:自分の意識を変えていったんですよ。いじられた方が面白いのに、今の性格じゃいじられないし、グループにとってもマイナスだと思ったんですよ。頑張って変えていこうと思いましたね。自分が見てきたテレビ番組に出たりとか、外に出る機会が多かったのも影響しています。
チッチ:〈MONSTER baSH〉に出たのがその頃です。はじめて出た2017年は、私たちの出番のときにお客さんがだんだん減ったり。テレビに出ても「歌下手」と言われたりしましたし、挫折を味わった時期でもあります。
モモコ:この頃はBiSHの日々が辛すぎて、2018年に参加したWACK合宿オーディションが精神的に楽に感じるくらいでしたね。
──その時期はBiSH自体が成長していく中で、みなさん必死に食らいついていったと思います。
リンリン:当時のことはあんまり覚えていないですね。2回目の幕張メッセでのライヴ〈BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL "THE NUDE"〉が終わって、〈LiFE is COMEDY TOUR〉に入ってからやっと精神的にもBiSHになれた気がします。いろいろと大変で泣いちゃうこともありました。辞めたいわけじゃないけど、辞める未来は見えている感覚でした。ライヴ中に5人が過去の世界にいるように見えた時期もありましたね。
──徐々にそういう気持ちも落ち着いてきたんですか?
リンリン:アイナ象が一緒にスタジオに入ってくれて、1から動きを教えてくれたときに、楽しいと思えるようになりました。私は人生で初めて出会った関西弁の人が、アイナ象だったんですよ。関西弁で露出の激しい人が強い口調で言ってくるのが最初は怖かったですね。でもいっぱいご飯に行ったりもして、優しかったです。
──アユニさんが1番つらい時期はいつだったんですか?
アユニ:入りたてですね。それとPEDROの活動を始めた時期は、要領が掴めていなかったので、大変でしたね。
──それはどう克服していったんですか?
アユニ:まだ克服していないです(笑)。毎日何かしら反省しています。でも昔はもっとマイナス思考でした。今は人間としての尊厳があるくらいですね。相手への気遣いをわかるようになって、自分の愛し方もわかるようになりました。
アイナ:“MORE THAN LiKE”のMVの撮影のとき、アユニが体調悪そうだったのを覚えています。
アユニ:あの頃は笑えてなかったですね。ソロの活動が活発になった時期だったんです。
アイナ:当時、私たちはソロ活動しながらBiSHの活動をしたことがなかったので、アユニのしんどさがわかっていなかったんです。
アユニ:当時は栄養ドリンクを何本も飲んでいました。でもみんな労ってくれましたね。リンリンは私の分の衣装を持ち帰って洗ってくれたりしましたし。感謝しかないです。