涙でお別れするのは嫌なんです
──年が明けてから、BiSHはWACK所属アーティストが出演する〈We will WACK you!! TOUR〉にも参加していましたね。
アイナ:WACKツアーはすごく楽しかったです。実際、本当にリラックスしてやれました。2017年にギャンパレ(GANG PARADE)とツーマンしたときは、すごくバチバチだったんですよ。だから今はすごく平和だと思いますね(笑)。それが良いことなのか悪いことなのかはわからないですけど、自然にこうなってます。でもやっぱりバチバチしてたからこそ生まれた表現もあったしそういう経験があったからこそ、それもいまは良かったなと思えますね。
──アイナさんにとってWACKの他のメンバーはどんな存在になっていますか?
アイナ:こんな自分と一緒にいてくれたメンバーに感謝ですし、ギャンパレのココ・パーティン・ココちゃんとかBiSのトギーとかWACKの他の子にも本当に救われていて、大好きな存在ですね。この前、今年の合宿に行くメンバーでスタジオに入ってダンスをしたんですけど、すごく楽しかったんですよ。最初は不安そうな顔をしていたmaho(ExWHYZ)も最後は楽しそうだったし、ナ前ナ以(ASP)ちゃんもストイックに自分で取り組んでいたりして、本当にすごいなと思いました。
──WACKのメンバーにとっても、アイナさんと触れ合うのは非常にいいことだと思います。
アイナ:ひとりひとりに素晴らしい点があって、みんないいなと思います。ナルハワールド(GANG PARADE)も人の踊りをコピーするのに長けていて、それを120%で表現しようとする気持ちもいいなと思います。そこがアユニと重なるし、かっこよかったです。彼女たちのためにできることは全部したいと思っています。私にとってWACKは、刺激をもらえてとても楽しい居場所ですね。

──4月17日には、BiSH初の衣装の本『BiSH COSTUME BOOK 2015-2023』が発売されます。外林健太さんが創ってくれた衣装についてはどう考えていますか?
アイナ:いつも想像の斜め上をいく衣装ですし、これだけたくさんの衣装を作っていても似ていないのはすごいと思います。それにBiSHの衣装は世界にひとつだけじゃないですか。あまりこの言葉は好きではないんですけど、そってぃー(外林)さんは天才だと思います。そんな天才がつくった衣装を着れることが、とても嬉しいですね。中野のheavysick ZEROではじめてワンマンライヴをしたときも、泣きながら同じことをいったんですけど、8年経った今でもこの気持ちは変わらないです。
──3月22日にラストシングル「Bye-Bye Show」がリリースされました。今作は吉井和哉さんが作詞・作曲・プロデュースを務めていますが、この曲をもらったときは、どういう気持ちで受け止めたんですか?
アイナ:瞬発的ではない、永遠の“刹那”が詰まっている曲だと思いました。一気に胸を刺してくるエモソングではなくて、じわじわと時間をかけて涙がでる曲というか。こういう曲を歌うことが初めてだったので、すごく難しかったですね。でも本当に大好きな曲です。歌っていくうちに、すごく沁みるんですよね。
──アイナさんの中で1番響いた歌詞はどの部分ですか?
アイナ:私は「チンタラ生きても仕方ない 私たちは人間という花」という歌詞が好きです。ここがこの曲の醍醐味だと思います。いろんな心に響く言葉があるなかで、メロディーとの組み合わせが好きでしたね。ただの「さようなら」ではなく、背中を優しく撫でるような姿勢がこの2行につまっていると思うんですよ。「お互いに羽ばたいていこうね」という、さようならの奥の気持ちを感じました。
