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INTERVIEW : アイナ・ジ・エンド

インタヴュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
写真 : 大橋祐希
「私は愛されているからだ」と思ったんですよ
──2022年、BiSHはツアーや12ヶ月連続リリースなど非常に忙しかったと思います。実際、去年はアイナさんにとってどんな1年でしたか?
アイナ・ジ・エンド(以下、アイナ):『ジャニス』(ジャニス・ジョプリンの人生を描いたブロードウェイミュージカル)に出たり個人のお仕事もあって、人生で1番忙しかったですね。渡辺(淳之介)さんやマネージャーに八つ当たりの電話をすることもありました。あれは本当に申し訳なかったです。でもあるとき、渡辺さんが現場で何時間も立って待ってくれていて、休憩中に喉のケアをするグッズと一緒に「頑張れよ」と声をかけてくれたんですよ。そんなことはじめてだったから、びっくりしました。
──渡辺さんがそんなことまで!
アイナ:電話で「体調が悪いです…」って伝えたら、その次の現場に渡辺さんが薬を持ってきてくれたりもして、それで頑張ろうと思えました。去年は「えげつない」くらい大変で、ひとりで何回泣いたかわからないです。でも『ジャニス』を終えて、心の底から強くなった気がします。本当に忙しかったんですけど、一方で「やり遂げた」と思える1年でしたね。だから結果的によかったです。

──年末年始はどんなことを考えていたんですか?
アイナ:年末年始は休みだったので、実家にも帰れて最高でしたね。年が明けるときはテレビを観ながらジャンプしました(笑)。年末はNHK紅白歌合戦を見ながら、自分がこの場にいれないことを噛み締めていました。でも悔しい気持ちはなかったですね。それで「なんで悔しくないんだろう」と考えてみると、「私は愛されているからだ」と思ったんですよ。
──なぜそう思ったんですか?
アイナ:私がBiSHじゃなかったら、誕生日をこんなに祝ってもらえなかっただろうし、自撮りしただけで「可愛い」と言われるような人間じゃなかったと思うんですよ。BiSHに入ってから、たくさん幸せの前借りをしたくらい本当に愛されているなと感じたんです。だから自分に自信が持てたというか、悔しくなかったんだと思います。
──アイナさん自身、もう一度紅白に出たいという気持ちはあったんですか?
アイナ:一昨年の紅白で私は歌詞を間違えたので、それからめっちゃ引きずったんですよ。長い間ベッドで寝られないくらい悔しかったですね。だから去年の紅白も絶対出たいと思っていたけど、2022年はBiSHとしてそれ以上の経験ができたと思える1年だったんです。そして清掃員がそれを応援して愛してくれていたんだと思ったら、「もう大丈夫」と思えました。悔しい気持ちよりも、頑張ったし愛されている自覚が持てたことがなにより良かったです。でももし今後紅白に出るチャンスがあるとしたら、そのためにもう一度頑張りたいし、そのときは歌詞を間違えないです(笑)。もちろん死ぬまでにもう1回出たいという気持ちはありますよ。
