ソロでも素敵な未来を描いていきたい
13曲目“帆”
──本楽曲は、どのような想いで作ったんですか?
アイナ : これはBiSHが解散した後、avexのチームから「This is アイナ・ジ・エンド」みたいな曲を出そうって話をいただいて、タイアップじゃない自分の思いだけを書いてみるということになって作りました。
──急に「手間暇かけたやない」って関西弁の歌詞が入ってきたからびっくりしました。
アイナ : スタッフさんにも、「本当にこの歌詞でいくの? 」って言われました(笑)。でもそういう要素がないと、聴いてる人もしんどいかなって。ソロとして活動をはじめてからは、いつリリースするかとか、どこでライヴするかとかも全部自分で決めないといけなかったんですけど、なかなか上手くいかないこともあって。だから「毎日手間暇かけて頑張ってきたじゃん、いけるよ」って自分に言い聞かせるために、この歌詞を書きました。
14曲目“Red:birthmark”
──「機動戦士ガンダム 水星の魔女」のエンディング曲です。こちらもTKさんのプロデュース楽曲ですね。
アイナ : TKさんの歌詞は人間味もあるけど、数式みたいな言葉の羅列や機械的な要素があるのがおもしろいんです。だから歌っていてそこまで感情を丸出しにしなくていいんですけど、キーは高いからどうしても思いは滲んでしまったりして。そこのバランスを保てるのが、TKさんのすごいところだなと思います。“Red:birthmark”を歌う時は、そのバランス感覚をいかに自分で咀嚼して歌うかを考えています。
15曲目“関係ない”
──本楽曲は、どんな曲になりましたか。
アイナ : この曲は映画『キリエのうた』のために書いていた曲なんです。でも結構激しい曲になってしまったから、キリエのイメージとは合わなくなってしまって。でもすごく良い曲になったので、このアルバムに収録しました。
──歌詞は何を意識して書きましたか?
アイナ : アルバムの箸休め的な曲になるように書きました。「愛のカート200ccで走る人生」は、自分がマリオカートにハマってて書いた歌詞なんですよ。200ccだと速すぎて景色が見れないじゃないですか。だからもっとのんびりいってもいいのかなという気持ちを込めました。
──シューゲイザーっぽいアレンジもおもしろいですね。
アイナ : 「90年代ドラム缶ロック」というイメージで、ドラム缶の中で響いているような音を目指してつくりました。この曲、ギターは自分で弾いてるところもあるんです。だからあんまり上手くない(笑)。

16曲目“宝者”
──日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』の主題歌です。歌詞はどのようなイメージで書いていったんですか?
アイナ : 『さよならマエストロ』の主演の芦田愛菜ちゃんが演じる子は、最初は家族に対して素直になれないんですけど、だんだん心を開いていくんです。そこに自分も重なる部分があったし、改めて家族にも「ありがとう」って言いたくもなって。この曲を聴いて、大切な人にありがとうって言いたくなるような曲にしたくて歌詞を書きました。
17曲目“はじめての友達”
──最後に収録されたのが、本楽曲です。
アイナ : この曲は、すごく久しぶりに自分の内臓から溢れ出てきた曲です。ギターの西田修大さんから「タイアップもいいけど、もっとわがままに曲を書いてもいいんじゃないか」ってさらっと言ってくれて、その言葉にすごく胸を打たれちゃったんですよ。映画とかドラマに曲を書いて認めてもらいたかったけど、自分の心を置き去りにしちゃってたかもと思って。気づいたらこの歌詞を泣きながら書いていました。
──歌詞はどんなイメージで?
アイナ : 自分の脳裏にしかない言葉の羅列だけで書きました。「シロツメクサ編んだ花冠あげる」とか、「雨の日の恋の話」とか、誰とも共有できない思い出話なんですよ。ここまで自分に特化して書いた曲はないんですけど、それが結局誰かの心に届くのかなって。だから自分の心を赤裸々に喋ることは必要なんだなって思いますね。
──最後になりますが、アイナさんはこれからどのような未来を描いていきたいですか?
アイナ : 最近、自分のファンの方へのありがたみをひしひしと感じるんです。BiSHの頃から引き続き、ソロになってもきてくれる方や、BiSHを知らなくても応援してくる方もいますし。この現状を大切にしていきたいと思っています。もちろんBiSHのときも感謝の気持ちはあったんですけど、その感じ方が変わってきました。それは自分で曲を書いたり、責任を負っているからこそ重みが違うのかなと思います。その分へこたれるときもあるんですけど、この感謝の気持ちを大事にして、ソロでも素敵な未来を描いていきたいです。

編集 : 西田 健
アイナにとっての宝石のようなサード・アルバム
アイナ・ジ・エンド総力特集、クロス・レヴューはこちら
アイナ・ジ・エンド総力特集、年表はこちら
LIVE INFORMATION
アイナ・ジ・エンドワンマンツアー"ハリネズミスマイル"
【公演日時】
1/22(水) 神奈川 KT Zepp Yokohama
open/start 18:00/19:00
[問] KM MUSIC 045-201-9999
1/26(日) 北海道 Zepp Sapporo
open/start 17:00/18:00
[問] WESS info@wess.co.jp
2/10(月) 東京 Zepp Haneda
open/start 18:00/19:00
[問] KM MUSIC 045-201-9999
2/11(火祝) 東京 Zepp Haneda
open/start 18:00/19:00
[問] KM MUSIC 045-201-9999
2/16(日) 福岡 Zepp Fukuoka
open/start 17:00/18:00
[問] BEA 092-712-4221
2/24(月祝) 宮城 GIGS
open/start 17:00/18:00
[問] G/I/P https://www.gip-web.co.jp/t/info
3/5(水) 大阪Zepp Namba
open/start 18:00/19:00
[問] グリーンズ 06-6882-1224
3/6(木) 大阪Zepp Namba
open/start 18:00/19:00
[問] グリーンズ 06-6882-1224
3/17(月) 愛知Zepp Nagoya
open/start 17:00/18:00
[問] ジェイルハウス 052-936-6041
3/18(火) 愛知Zepp Nagoya
open/start 17:00/18:00
[問] ジェイルハウス 052-936-6041
3/29(土)沖縄 ミュージックタウン音市場(追加公演)
open/start 15:30/16:30
[問] ピーエムエージェンシー 098-898-1331
詳細はこちら
https://ainatheend.jp/news/detail.php?id=1119185
アイナ・ジ・エンド ディスコグラフィー
前回の特集記事はこちら
PROFILE : アイナ・ジ・エンド
2015年、楽器を持たないパンクバンド「BiSH」のメンバーとして始動翌年メジャーデビュー。 21年に全曲作詞作曲の1stアルバム『THE END』をリリースし、ソロ活動を本格始動する。
23年6月に惜しまれながらもBiSHを解散し、現在はソロで活動中。 24年1月にはTBS系日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』主題歌「宝者」を書き下ろし 3月公開映画『変な家』では「Frail」が主題歌となる。 7月公開映画『劇場版モノノ怪 唐傘』にて自身初のアニメーション映画の主題歌に新曲「Love Sick」 が決定。
アーティスト活動と並行して22年、日本初上演となるブロードウェイミュージカル「ジャニス」では 主演のジャニス・ジョプリン役を演じ、23年10月には岩井俊二監督映画『キリエのうた』で映画初主演を務め、 第47回日本アカデミー賞新人俳優賞、第48回報知映画賞新人賞など数々の名誉ある賞を受賞。
今年3月に行われたワンマンツアー“Grow The Sunset”、 自身初の日本武道館公演“ENDROLL”のチケットはいずれもSOLDOUTとなった。11月27日にソロとして3年ぶりとなる3rdアルバム『RUBY POP」の発売。
2025年1月から全国7都市を巡る"ハリネズミスマイル"ツアーの開催を発表している。