このツアーのチケットを完売させて、PEDROで売れたい
──５曲目の“hope”。これはアレンジがすごく好きでした。
アユニ：この“hope”と“明日天気になあれ”は、ゆーまおさんにアレンジしてもらいました。これは自分のなかで故郷のような存在の人物を思い浮かべて書いた曲ですね。
──歌詞のなかの「遠く深く」はどういうことなんでしょう。
アユニ：遠く深くへ「行きたい」という気持ちですね。それはひとりでも、あなたとも、見知らぬ人とも。個人的に、やらず嫌いや、知らず嫌いをしたくないなと思っているんです。例えば山登りをするときって、最初は「あの山はでかくて登るの大変そうだな」って思うんですけど、実際登ってみると「こんな場所に花が咲いてたんだ」とか「こんなところに湖があるんだ」とか、深く遠くまで行くと知ることばかりだと思うんですよ。そういうことをこれから見つけていきたいみたいな心情です。
──6曲目は“キスをしよう”です。
アユニ：これはもう疲れすぎて、逆にプラス思考になった時に書いてますね。いままで優しさやぬくもりをたくさんもらっていたのに、全部受け止めてなかった部分とかもあって、それじゃダメだって反省した曲です。
──「私の絶望が見ず知らず誰かさんの もしくはあなたさんの 希望になるかもしれないと思う 明日もこわくない」とは、どういうイメージですか?
アユニ：自分は「孤独」や「絶望」を描いた曲に救われてきたんです。例えばリンリンが書いたBiSHの「beautifulさ」の歌詞は、本人はすごく落ち込んで「世界が嫌いだ」っていう言葉を書き留めたのに、受け取る人にとっては救いの曲になっていたんですよ。絶望を描いた曲なのに、それを聴くと、自分の心とその音楽が共鳴して「希望」になることもある。私もそうやって音楽に救われてきたので、自分が創る音楽もそうなってほしいなっていうことを書きました。あとは自分のことで言うと、「PEDROの曲に救われました」とか「アユニちゃんの音楽があるから、明日も頑張ります」とかそういう言葉をいただくと、明日も生きようと思えるんです。
──なるほど。
アユニ：でも「アユニちゃんはこう思っているんだ、頑張ろう」って受け取って欲しいというより、皆さんが好き勝手に受け取ってくださって、その中で解釈していただけたら自分は幸せです。例えば、私はwowakaさんの曲が好きだったんですが、その曲たちを「wowakaさんはこう思っているんだ」って聴くというより、並べてくれた言葉を自分の生活に落とし込んで聴くんです。だからそういう風に、私の曲をあなたのものだと思って受け取ってほしい。そしてもしそれがあなたにとっての希望になってくれたら、すごく嬉しいです。
──mini ALの最後は“愛せ”です。
アユニ：これはもう「自分自身と人を愛せ」と言ってる曲ですね。自分自身を鼓舞するような曲というか。BiSHが解散して、いろいろ活動してきたんですけど、反省することもたくさんあるんです。それでも自分を離さないでいてくれたり、新しく出会ってくれた人たちへの感謝をこの曲に込めました。
──現在PEDROは〈PEDRO TOUR 2024 "ラブ＆ピースツアー"〉の最中ですが、アユニさんはどんなツアーにしたいと思っていますか?
アユニ：もう序盤はすでにはじまっているんですけど、毎回ここで死んでもいいって思えるようなライヴをしたいです。燃え盛っている分、全部やり尽くす。今までは、成長していくようなツアーにしようみたいに思ってたんですけど、今回の旅は調整しながらやってる場合じゃないなと。その日にしか出会えない人、その日しか来れない人、その日しかできない音楽があるんだから、思いっきりやり尽くしたいです。「愛と平和」という穏やかなタイトルではあるんですけど、ディープでドープな旅になっていると思います。
──PEDROとしてのこれからの野望を教えてください。
アユニ：みんなをPEDROにもっとゾッコンメロメロうっとりさせたいですね(笑)。
──それは… つまりどういうことですか(笑)?
アユニ：自分ももちろんなんですけど、PEDROに出会ってくれている人々、これから出会うであろう人々に、もっとゾッコンになってもらいたいです(笑)。具体的にいえば、このツアーのチケットを完売させて、PEDROで売れたい。「売れなくていいんで、伝わる人には伝わればいいんで」みたいなことでは、もうないですね。自分を一緒に作り上げてくれたチームとか、いろんな景色を一緒に見てきたファンの方々と一緒にみんなで幸せになりたいです。そして、そのためには毎回カッコいいライヴをするのみですね。
編集：西田健
「意地」と「光」
LIVE INFORMATION
〈PEDRO TOUR 2024 "ラブ＆ピースツアー"〉
10/12(土) @CRAZYMAMA KINGDOM 17:00 / 18:00
10/23(水) @DRUM Be-0 18:00 / 19:00
10/25(金) @DRUM LOGOS 18:00 / 19:00
10/26(土) @桜坂セントラル 17:00 / 18:00
11/5(火) @SHELTER 18:00 / 19:00
11/6(水) @NEVERLAND 18:00 / 19:00
11/12(火) @LIVE HOUSE FEVER 18:00 / 19:00
11/13(水) @HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3 18:00 / 19:00
11/18(月) @山形ミュージック昭和Session 18:00 / 19:00
11/19(火) @秋田Club SWINDLE 18:00 / 19:00
11/20(水) @盛岡CLUB CHANGE WAVE 18:00 / 19:00
11/26(火) @松山WstudioRED 18:00 / 19:00
11/27(水) @高松オリーブホール 18:00 / 19:00
12/1(日) @HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2 17:00 / 18:00
12/4(水) @長野CLUB JUNK BOX 18:00 / 19:00
12/5(木) @GOLDEN PIGS RED STAGE 18:00 / 19:00
12/9(月) @四日市CLUB ROOTS 18:00 / 19:00
12/10(火) @LIVE ROXY SHIZUOKA 18:00 / 19:00
12/17(火) @苫小牧ELLCUBE 18:00 / 19:00
12/18(水) @PENNY LANE24 18:00 / 19:00
12/19(木) @小樽 GOLDSTONE 18:00 / 19:00
過去の特集ページ
PEDRO ディスコグラフィー
PROFILE：PEDRO
アユニ・Dがベースボーカルを務めるバンドプロジェクト。
楽曲制作も精力的に行い、全楽曲の作詞作曲を行なったフルアルバム「後日改めて伺いました」をリリース。
彼女が紡ぐ人の生活に寄り添った詞世界観や聴く人の背中をそっと支えてくれるような楽曲に共感するファンが続出。
唯一無二のキャラクターそして独特の世界観や感性が大きな支持を集めている。
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