「3776が終わるアルバムなんじゃないか」とも言われてました
──続いて、“The Death of Earth (それでも恋したいよ)”の主人公は?
ちよの : これは火星です。
石田 : 地球に太陽が飲み込まれるらしいけど、一個遠くの火星はどうなっちゃうのかな、という話です。火星が太陽のことを少し気になってる、みたいなイメージで歌詞を書きました。
ちよの : これは「恋したいよ」って歌っているんですけど、恋し「太陽」でここもダジャレになっています(笑)。あと、「楽しみたいよ 一気にしたいよ よくばりたいよ うっとりしたいよ」の頭文字が「た い よ う」になっているのがポイントです(笑)。

──なるほど… “The Death of Oxygen (ギャグマシーン)”の主人公は?
石田 : これはブラックホールが主人公です。目立ちたがり屋のクラスメイトがギャグを連発するんだけど、表面的にはおもしろくなさそうな顔をしている話です。恒星が爆発して酸素を生んでいたことを、クラスメイトが新しいギャグを生んでいたことになぞらえています。
──“The Death of the Atom (さよなら渦巻きの中の私)”は電子が主人公?
石田 : そうですね。1曲くらいちゃんとした卒業ソングを書きたかったんです。これは原子核が崩壊する話なんですが、そのことで「原子が解き放たれた」みたいなことをイメージしています。
──そしてついに宇宙が崩壊します。“The Death of the Universe (卒業したはずの君に)”は?
石田 : 素粒子の中で最後まで残ると言われているニュートリノが、ブラックホールの中に漂ってる素粒子に向かって歌っているイメージですね。

──なるほど。そして全曲聴き終わった後、最後のナレーションで「さて、私はまた別の宇宙で、また別の富士山を探そうかな! 皆さんがいる宇宙はまだまだこれから続いていくはずなので、是非心ゆくまで楽しんでね! バイバイ!」というメッセージが入るじゃないですか。僕は「3776終わるのか」と思ってすごい心配になりました!
ちよの : え、全然そんなつもりはなかったです!
石田 : どういうこと(笑)?
ちよの : 私が「別の富士山を探しにいく」って言ってるから、「この世界線での富士山、つまり3776は終わるんじゃないか」って思われたんだと思う。でも確かにアルバムを発表する前に、「DEATH」ってタイトルに入っているから「3776が終わるアルバムなんじゃないか」とも言われてましたね。
石田 : なるほど。宇宙とか関係なく、「終わり」がテーマになってる曲が多いからね。そんなことないです(笑)。
──否定してくださってよかったです。
ちよの : でもアルバムが売れないと続けられないので…。みんな買ってほしいです(笑)。
──これまで各曲解説してもらったんですが、改めてこのアルバムはどのように楽しめばよいですか?
ちよの : 1回目はちゃんとした設備で聴いた方がいいと思います。細かいことを言うと、ナレーションの年号と、後ろで流れてる年号がピタって重なるところがあるので、そこも注目してほしいです。
石田 : 年号はずっと続いてるから途中で曲を切らずに、まずは最初から最後までいっぺんに聴くのがいいかなと。続けて聴かないとわからないと思いますし。結構時間も長いんですけど、じっくり聴いてほしいですね。

編集補助 : 草鹿 立
3776『The Birth and Death of the Universe through Mount Fuji』
【アルバム購入特典】
『The Birth and Death of the Universe through Mount Fuji』デジタル・ブックレット(PDF)
3776 ディスコグラフィー
PROFILE:3776

富士山ご当地アイドル3776。3776の読み方は、「みななろ」。3776は、富士山の標高。2013年6月22日、富士山世界遺産登録と同時にオリジナル曲『私の世界遺産』で本格デビュー。活動拠点は富士山のふもと静岡県富士宮市。
季節ごとにその姿を変える富士山を、画像で切り取っていくかのように、いくつかのスタイルが共存する3776。最もポピュラーなスタイルは、井出ちよののソロ・ユニット・スタイル。
【公式HPはこちら】
https://m3776.com/