INTERVIEW : SHELLME(PIGGS)

SHELLMEは歌がかっこいい! 強くそう思ったのは、プー・ルイの活動休止、CHIYO-Pの脱退があり、否が応でも3人編成でツアーをやることになった〈STAND 4 PIGGS TOUR〉を目撃した時だった。低音のしっかり聴いたクールな声質は、PIGGSの楽曲に芯を突き刺し、彩りも与えている。彼女の歌は、これから始まる新章の武器だ!!!
インタビュー : 飯田仁一郎
文 : 西田健
撮影 : 堀内彩香
人生ではじめて緊張で涙が出ました
——5月27日に渋谷WWW Xで開催された〈STAND 4 PIGGS TOUR〉ファイナル公演を最後に、CHIYO-PさんがPIGGSを脱退しました。SHELLMEさんはどう感じましたか?
SHELLME:正直なところ「マジか」と思いました。ずっと「本当にいいの?」って言い続けましたもん。CHIYO-Pのお手紙でもあったように、EX THEATER ROPPONGIでの〈DEAR HUNTER TOUR〉のファイナル(2022年1月8日開催)で燃え尽きた思いが出てきたらしいです。それからずっと頑張らなきゃいけない状況が続くうちに、徐々に気持ちが追いつかなくなったんじゃないかなと思います。
——元々プー・ルイさん以外の4人編成で回る予定だった〈STAND 4 PIGGS TOUR〉はCHIYO-Pさんも活動休止になったことで、残った3人でライヴすることになりましたが、当時はどういう心境だったんですか?
SHELLME:なんとかして3人で頑張らなきゃという思いでいっぱいでした。

——3人でツアーを回った時期はどうでしたか?
SHELLME:ツアー初日の高円寺U.F.O CLUBでのライヴのときに、人生ではじめて緊張で涙が出ました。ぶーちゃんズの期待と不安と心配が伝わってきたんです。でも私たち3人が思わせないといけないのは「3人で大丈夫かな」という気持ちじゃなくて、「PIGGS、最高だな!」なんですよ。あのときは、来てくれるぶーちゃんズの時間や労力に見合ったパフォーマンスができるか不安でしたね。当日も必死でわけがわからなかったです。
——プー・ルイさんの活動休止、CHIYO-Pさんの脱退があった時期は、今振り返ると成長につながった大事な時期でしたね。
SHELLME:O-nestでの〈STAND 4 PIGGS TOUR〉の3人編成最終日は、3人ともU.F.O CLUBのときとは気持ちが全く違いました。今日まででできる全てのことは全部やったと言い切れる感じでしたね。
——最近はSHELLMEさんの歌唱力が上がったように思えます。
SHELLME:嬉しい! 実は歌はもともとコンプレックスだったんですよ。初期から知っている人は「そんなところも歌うようになったんだね」と言ってくれますね。ゲネでBRIAN (SHINSEKAI)さんに「呼吸が浅くなってくると、高い位置に声がいってしまうので、そういうときこそ落ち着いて低いポジションにもっていこう」とアドバイスをもらったんです。ライヴをやっていくうちに、言われていることがよく理解できるようになりました。
——実際、CHIYO-Pさんの脱退はどうやって自分で受け止めたんですか?
SHELLME:うーん…。新メンバーが入ったお披露目ライヴ(7月27日に東京SHIBUYA CLUB QUATTROで開催した〈PIGGS HAVE THE POWER TOUR〉ファイナル公演)のときかもしれないです。
——5月27日の段階では踏ん切りがついていなかったんですね。
SHELLME:全然ついていなかったです。でも新メンバーお披露目ライヴにはCHIYO-Pも挨拶にきてくれたんですよ。そこで新メンバーとCHIYO-Pが話しているのを見ているうちに、やっと受け入れられました。KINCHANが加入した段階では新章がスタートした感じはそこまでなくて、ずっと初期からのPIGGSが続いている感じだったんです。でも今回の新メンバーふたりが入って、PIGGSが新章になった感覚でした。
