“生きて帰る、”は振り付けと向き合わせてくれた大事な曲

──2024年の活動を通して、いま新たに見えてきたPIGGSの課題はなんでしょう?
SHELLME:「もう1歩踏み込むこと」かなと思います。曲をもらったり、作ってもらった衣装を着たときに大事なのは、それをどれだけ自分に落とし込めるかだと思うんです。今回“生きて帰る、”の振り付けをSU-RINGと私に挑戦させてもらったんですけど、そのおかげで曲について考える時間が圧倒的に増えたんですよね。メンバーみんながそれくらいもう1歩踏み込んで曲のことを考えることができたら、パフォーマンスももっと良くなると思います。
──2月26日には2曲入りのシングル「生きて帰る、ばっか。」がリリースされます。“生きて帰る、”はSHELLMEさんにとってどんな曲になりましたか?
SHELLME:この曲はPIGGSらしい曲だなと思います。私はイケイケ系なので、「死ぬ気でやれよ、死なねえから」みたいな言葉も好きなんですよ。でもこの曲を聴いていたら、『生きる気』でやることも大事だなと考えるようになりました。もっと楽しい人生を続けていくために頑張るのって、素晴らしいじゃないですか。だからこれまで、ライヴのときも「死ぬ気でかかってこいよ!」とか煽りで言ってたんですけど、それはもう言うのをやめようかなと思います。
──“生きて帰る、”の振り付けはSHELLMEさんとSU-RINGさんの共作なんですよね。
SHELLME:そうです。最終的には、プーちゃんと(カミヤ)サキさんがまとめてくださいました。最後に振り付けしたときから、ライヴに対する気持ちもだいぶ変わったから、とにかくライヴ感や自分らしさ、みんなのことを考えながら作りました。これまで活動してきて、お客さんと一緒に踊りたい部分や魅せたい部分が明確になったいまだからこそ、良い振りができたかなと思います。
──SHELLMEさんが振り付けを考えるのは、久しぶりですよね?
SHELLME:そうなんです。振り付けを頑張った時期が2年前くらいにあったんですけど、そこから逃げモードになって諦めちゃったんですよ。でも今回プーちゃんに振り付けをお願いされて、ここでやることに意味があると思って、もう1回頑張りました。何年か前に「SHELLMEの振り付け、俺ずっと待ってるんだよ」って言ってくれた人が、この前また特典会に来てくれたんです。その人もそのときの会話を覚えていて、「良い振り付けだね、頑張って覚えるからね」って言ってくれて、振り付けから逃げてたことに対して、本当に申し訳ないなと思いました。「ダンスをこんなにやってきたのに、できない自分を見たくない」と思って諦めていたけど、そこで逃げずにやっていたら今はもっと上手く振り付けができたと思うんです。だからそういう意味でも“生きて帰る、”は大事な曲になりました。

──SU-RINGさんの振り付けは、どうでしたか?
SHELLME:すごく上手だなと思いました。初めて作るのに、スーはすごいなと。実は私、“生きて帰る、”の振りを作っているときに「ここ使われるかな」とか考えて、めちゃくちゃ悩んでたんです。でもそんなことで悩んでいても仕方がないし、後輩のスーとかBIBIがいるから「ここで自分なりに良いものを出さないと先輩としてカッコ悪いな」って思って、持ち直しましたね。ふたりは、私を成長させてくれる存在です。
──この曲の推しポイントはありますか?
SHELLME:「生きるが目的でもいいだろがい」がめっちゃ良いですね。夢がなくても毎日楽しく生きられたら最高だなと思うんです。私は「生きてるだけでえらい」という言葉はあまり好きじゃないんですけど、普通に生活することが、難しいときもあるじゃないですか。だから「普通に生きることが目的でもいいじゃん」というメッセージにグッときましたね。