MUCC、新章の幕開けを告げるのは「愛の唄」──いまのヴィジュアル系シーンへの想いを語る

2024/06/21 13:00

やっぱり逹瑯が歌ってるMUCCがいい

――MVにもたくさんのコメントが寄せられていて反響も大きいですよね。MUCCにとってMVは楽曲の世界をより深く伝えるために欠かせないものですか?

MUCC 『愛の唄』MUSIC VIDEO

YUKKE：やっぱりそうだと思います。この曲を初めて聴いたとき、きっと映像の世界もありきの曲になるなっていうイメージがあったんです。楽曲だけじゃなくて、映像でも表現したい色であったり匂いであったりっていうのはありましたね。MVを作るにあたって監督さんとも打ち合わせをさせていただいて、そこで出てきたアイディアだったり、絵コンテの仕上がりも素晴らしくて。楽曲にすごく歌詞が乗って濃くなって、映像ができてさらに表現が濃くなって曲が完成していった感じですね。

――ちなみにMVの衣装って何かのモチーフがあるのでしょうか?

YUKKE：いや、今回すごく久しぶりというか、ほぼ初めてに近いぐらいみんなでコンセプトを揃えたというか。いつも雰囲気はもちろん同じものなんですけど、今回は同じようなアイテムを使うっていうことをやってみようっていう話に久しぶりになったんです。ちょっとレトロな感じですよね。

――「時計じかけのオレンジ」を彷彿とさせる雰囲気もありますよね。

YUKKE：そういうイメージもアイディアの中で、やっぱりありましたね。そういう世界観をみんなで着てみようっていうことは今までなかったので、新鮮でした。

――「初回限定盤」「通常盤」とは別に、8cmCDでのリリースの「CROWN TOKUMA SHOP限定盤」にはMiyaさん ver.とYukkeさん ver.の “愛の唄” を収録していますね。これは過去にもあった試みなんですか。

YUKKE：あ、聴いてくれたんですか(笑)。その曲を作ったときのデモを入れたりっていうことはやったことがあったんですけど、出来上がったオケに対して、しっかり自分とか別のメンバーが歌うっていうのは初めてです。

――歌ってみていかがでしたか?

YUKKE：僕は歌があまり上手じゃないので、上手に歌おうというよりは、ふざけて照れて歌っていても仕方がないので、歌詞の世界に入り込んだ歌を歌うようには考えました。

――感情を込めているのは伝わってきましたし、陶酔した感じが非常に良かったです。

YUKKE：陶酔しました(笑)。やっぱり簡単じゃなかったんですよね。「MUCCの曲ってむずかしいな」って思いましたし、こういう曲を表現して歌唱できている逹瑯はすごいなって改めて思うところもありました。ボーカルが3人変わるバージョンで曲が聴けることってあんまりないと思うんですけど、本当にボーカルが変わるとバンドも変わるなって思ったし、「やっぱり逹瑯が歌ってるMUCCがいいな」って思いました(笑)。こういうアイディアを許してくれるというか、一緒にやろうって言ってくれる徳間ジャパンで良かったなってそのときに再確認しましたね。これは8センチCDでのリリースなんですけど、こういう遊びもたまにやりたいと思っているバンドなので、今回のコンセプトにも合っているし良かったんじゃないかなと思います。