ついにスーパー・ヒーローになる時がきた! ──のん、豪華製作陣も参加した初のフル・アルバムをリリース

女優であり創作あーちすとである「のん」が、2018年5月9日に初のフル・アルバム『スーパーヒーローズ』をリリースした。今作には、『スーパーヒーローズ』という名の通り、矢野顕子、真島昌利、尾崎亜美、高橋幸宏、大友良英といった、まさに“スーパー”な豪華制作陣も参加。さらに、のんがはじめて作詞作曲をした「へーんなのっ」をはじめ、のん自身が作詞作曲をした楽曲も多数収録。このアルバム・リリースにあたってインタヴューを掲載! そして先日公開した『【連載】〜I LIKE YOU〜忌野清志郎』にも、のんが登場し、リード曲「わたしはベイベー」についてはそちらで語っています。こちらも合わせてチェックを!
>>のんが登場した『【連載】〜I LIKE YOU〜忌野清志郎』もチェック!<<
初のフル・アルバムを配信開始!!
のん / スーパーヒーローズ
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC
【配信価格】
単曲 250円(税込) / アルバム 2,400 円(税込)
【収録曲】
1. へーんなのっ
2. さぁいこう
3. 正直者はゆく
4. あることないこと
5. RUN!!!
6. スケッチブック
7. My Day
8. ストレート街道
9. 私の大好きな歌
10. 私はベイベー
11. スーパーヒーローになりたい
12. おやすみ
のん/わたしはベイベーのん/わたしはベイベー
INTERVIEW : のん
〈WORLD HAPPINESS 2017〉でライヴ・パフォーマンスを行って以来、デビューシングル『スーパーヒーローになりたい』を発表、〈のんフェス〉を主催、2018年元日には早くも2ndシングル『RUN!!!』をリリースするなど、怒涛の勢いで音楽活動を本格化させてきた、女優、創作あーちすと「のん」。1stアルバム『スーパーヒーローズ』は、その勢いがそのまま表れた、エネルギッシュでタフなパンクロック・ナンバーが中心のアルバムとなった。豪華ゲスト陣が参加していることに注目が集まるのはもちろんなのだが、じつはアルバムの印象を決定付けているのは、「へーんなのっ」「正直者はゆく」「ストレート街道」といった、のん自身が作詞作曲した曲たちだ。アルバムについて、トレードマークの赤いフェンダーのテレキャスターについて、そして今後の野望について。音楽活動への思いを存分に語ってもらった。
インタヴュー&文 : 岡本貴之
写真 : ゆうばひかり
気合を入れて頑張って広めようと思ってます

──1stアルバム『スーパーヒーローズ』完成、おめでとうございます!
のん : ありがとうございます!
──良い歌、良い演奏が詰まっていて、聴いていてすごく元気が出るアルバムだと思いました。のんさんご自身は、アルバムが完成して率直にどのような感想をお持ちですか。
のん : すごくカッコイイアルバムができたなって、自分ではとっても満足しています。たくさんの人に聴いてもらいたいので、気合を入れて頑張って広めようと思ってます。
──『スーパーヒーローズ』というタイトルは最初から考えてましたか?
のん : いえ、考えてなかったです。曲が全部揃ってから決めました。1stシングル「スーパーヒーローになりたい」とリンクさせた方がいいという思いがあったのですが、そのままだとちょっとアルバムのコンセプトとは違うかなというのもあって、少しもじって『スーパーヒーローズ』になりました。
──真島昌利さん、矢野顕子さん、尾崎亜美さん、高野寛さんら文字通りの“スーパーヒーローズ”が曲を書いていますね。人選はのんさんが「この人に曲を書いてもらいたい」という意向が反映されているのでしょうか。
のん : そうですね、矢野さんとか真島さんとご一緒できたら、とは音楽活動をはじめるくらいから思っていました。それと、〈WORLD HAPPINESS 2017〉で幸宏さん(高橋幸宏)のバンドに参加して演奏させていただいたときが私の音楽デビューになったんですけど、そのときデビューを手伝っていただいたという気持ちがすごくあって。なので、幸宏さんに書いていただいたらすごくうれしいなって思っていて、ダメもとではあったんですけど、お願いしてみました。
また、アルバムの中に素敵なバラードが入ってたらいいなと思ってたのですが、それをのんチームで相談していたところ、「尾崎亜美さんがいいんじゃないか」っていう案が出てお願いしたら快諾していただいた! という感じですね。
──アルバム全体にすごくロック・テイストが濃いので、尾崎亜美さんの参加はこのなかでは結構意外な感じですよね。
のん : ほとんど勢いのある曲ばかりだったので、バラードもほしいなと思ってたら尾崎亜美さんに書いていただけることになったんです。いろんな曲が入ってますけど、どうやったら1番しっくりくるのか、曲順をみんなで考えて、良い感じに心に流れてくる曲順になったんじゃないかなって思います。
自分の中から出てくるのがパンクな曲だった
──いろいろな方が曲を書いているなかで、のんさんが作詞・作曲した曲が12曲中5曲ありますね。のんさんが書いている曲がアルバム全体のイメージを決定付けている気がします。どんなことを考えて曲を作りましたか?
のん : 曲自体は、ストックしてあったものがほとんどで、4曲くらいはその中から選んだ感じです。9曲目の「私の大好きな歌」は、アルバム制作をはじめたときに、「ちょっと客観的な、情景が見える歌詞の曲があった方が良いんじゃないか」ってアドバイスをいただいて作りました。
──曲のストックがあったということですけど、はじめて作詞・作曲をしたのは1曲目の「へーんなのっ」なんですよね。
のん : はい、そうですね。
──そこからどんどん曲を書きためるようになったんですか。
のん : 「へーんなのっ」を作るまでは、自分が曲を作ったりするのは想像もできなくて、できるわけがないって思っていたんですけど、頑張って1回作ってみたら形になったので。勢いに乗ってどんどん作ってみました。

──はじめて曲を作ったときって、「誰かみたいな曲をにしよう」とか考えたのでしょうか。参考にしたアーティストとか。
のん : JUDY AND MARYさんみたいな曲にしようと思って。ポップで、ロックで、かわいい曲を作りたかったんです。あんまりならなかったですけど……(笑)。
──ははははは(笑)。アルバムを聴くと、セックス・ピストルズとかザ・クラッシュみたいな感じを目指したのかなって思ってました。
のん : そこは目指してなかったです。でも、自分の中から出てくるのがそういうパンクな曲だったので。だったらこの路線で行きたいなって思いつつ、健全パンクだ! と決めました。パンクな感じは自分が好きなものではあるんですけど、「のんが音楽をやる」というときに、かわいい方が良いんじゃないかなって勝手に思っていて、そういう感じを目指していたんですけど、なかなか出てこなくて(笑)。
──結果、ゴリっとした感じに?
のん : ゴリっとした感じになりました(笑)。
ギターを持ってる方が安心感があるんです
──歌詞より先に曲を書くんですか?
のん : 曲によってそれぞれなんですけど、基本的には詞を書きためていて、それに曲をつけたくなったものにギターを弾きながらメロディを付ける感じですね。「ストレート街道」という曲は、ギターを弾きながら頭から順番に同時進行で書いたりしました。
──「ストレート街道」っていうタイトルはすごくいいですね。
のん : あ、本当ですか!? ありがとうございます。
──曲のタイトルも後からつけるんですか?
のん : できてからつけてますね。「へーんなのっ」は、タイトルを先につけてから書いて行ったんですけど、それ以外は曲ができてから最後につけます。
──「へーんなのっ」は昭和歌謡テクノみたいなピコピコ感があったりしておもしろいアレンジですよね。編曲でクレジットされている飯尾芳史さんはプロデューサー的に参加している感じですか?
のん : そうです。「へーんなのっ」はパンクな感じでできてしまった曲なんですけど、やっぱりちょっと可愛げのあるところも盛り込みたいとかって投げてみたんです。そうしたら飯尾さんが“ピポポポッ”って弾いてくださったりして。全体的に、ストレートなロックでやりたいってお伝えはしていたので、“ピポポポッ”だけじゃなくていろいろ演奏をして作りたいってお話はしました。飯尾さんも私のやりたいことをすごく汲み取ってくださって、作っていた曲を聴いて「パンクで行くのがいいんじゃないか」って考えてくださっていたので、楽しく作ることができました。

──2曲目の「さぁいこう」は真島昌利さんが曲を書いてますね。のんさんはザ・クロマニヨンズから真島さんを知ったんですか。
のん : 世代的にはすでにザ・クロマニヨンズなんですけど、THE BLUE HEARTSから入って行った感じですね。自分が中学生の頃にバンドをやっていて、先輩のバンドがやっているのを見て聴きはじめました。
──ギターでコピーをしたり?
のん : 「この曲を弾きたい」って思ってコードを追って歌ったりしてはいました。バンドではやったことはないんですけど。中学生のときに友だちと組んでいたバンドではGO! GO! 7188のコピー・バンドをやっていて、それ以外の曲はそんなに演奏していなかったので。高校生の頃はひとりで上京していて、バンドで集まれなかったので、部屋の中でひとりで弾いてましたね。
──その真島さんが曲を書いてくれるなんて、すごく感慨深いものがあるんじゃないですか。
のん : すごくうれしかったです。真島さんも、もしかしたら断られるかもしれないけど頼んじゃおうって。
──そんなに断られることはないんじゃないかと(笑)。
のん : そうですね、みなさん優しくて。「大丈夫かな?」と思いつつ恐る恐るご依頼したのですが、結果的にみなさんから助けていただきました。
──真島さんとはレコーディングでお会いになりました?
のん : いや、お会いしてないんです。デモをもらって、どういう風にレコーディングするかっていうのもこちらに任せていただいて。すごくカッコよくて、気持ちの良いロックな曲がきてうれしかったです。「さぁいこう」っていうタイトルも、“さぁいこう”っていう進んでいく感じと、“最高”っていうのがかかってるんじゃないかとか、みんなで憶測しながら。そんなに多くを知らずに曲を聴いていたので、そうやって解読していくのがすごく楽しかったです。
──編曲にはNon Cigarettesもクレジットされていますけど、演奏もバンドで?
のん : Non Cigarettesはライヴに向けて結成したバンドなんですけど、そのメンバーで録りました。「さぁいこう」が、お願いした曲のなかで一番はじめにできあがってきたんですけど、どういうアレンジにするかをみんなですごく悩んでいて。真島さんの曲だからバンド編成でやるのか、それとも全然違うアレンジでやるのか、いろいろ案が出ていたんですけど、アルバムの曲が全部収録し終わったあとに、「バンドでやりたいです」ってお願いして、やっと最後に収録したんです。
──じゃあのんさんもギターを弾いているわけですよね。ほかの曲でも弾いているんですか。
のん : 「スケッチブック」と「おやすみ」以外は全部弾いてます。

──のんさんといえば、フェンダーの赤いテレキャスターがトレードマークになってますよね。
のん : あはははは(笑)。そうですね。レコーディングでも全部これで弾きました。
──どんなところが気に入ってるんでしょう。
のん : う〜ん、派手なところ(笑)。最初は見た目で選びましたね。中学生のときにはじめて自分で買ったギターがテレキャスターだったんですよ。そのときはフェンダーを買えなくて無名メーカーの安いものだったんですけど。そのギターをずっと使い続けていたので、テレキャスターがいいなって思って、改めてフェンダーを買いました。
──アー写とかで必ずギターを持っていますよね? 本当にギターが好きなんですね。
のん : ライヴでも弾きながら歌っていますし、ギターを持ってる方が安心感があるんです。なんかこう、ギターを抱えていると、ひとりよりは安心感がありますね。
──高野寛さんが手がけた1stシングル「スーパーヒーローになりたい」のジャケットでもギターを持ってましたよね。やっぱり、のんさんにとってギターを持っている人がスーパーヒーローみたいなイメージがあったんですか。
のん : 自分が中学のときにバンドを組んでいたときにギター担当だったし、ギターを弾いてるのが好きっていうのがあったので。この曲を書いてくださった高野寛さんとは〈WORLD HAPPINESS 2017〉でご一緒させてもらったりして、「素敵だなあ」って憧れてます。めちゃくちゃかっこいい1stシングルを書いていただいてうれしかったですね。
──1stアルバムを完成させたのんさんは、これからどんな活動をしていきたいですか。
のん : アルバムが出てグッと曲数が増えたので、ライヴで地方を何箇所かまわりたいなって。まだ言ってるだけなんですけど、アルバムのリリース・ツアーをやりたいなって思ってます。それと、〈のんフェス〉という主催フェスを昨年やったんですけど(2017年12月28日東京・恵比寿ガーデンホール〈のん、KAIWA フェス Vol.1 〜音楽があれば会話が出来る!〜〉)、そのときに「Vol.1」と謳っていて、続いていくフェスにしたいなって思っているので「Vol.2」を開催したいです。野望としては、頑張って武道館とかを埋められるようになりたいなって。野望ですね、それは。
『スーパーヒーローズ』のご購入はこちらから
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC
【配信価格】
単曲 250円(税込) / アルバム 2,400 円(税込)
【配信ページ】
https://ototoy.jp/_/default/p/103200
のんの過去作もOTOTOYにて配信中!
古→新
のんが登場した【連載】〜I LIKE YOU〜忌野清志郎もあわせてチェック!
【連載】〜I LIKE YOU〜忌野清志郎──《第7回》 のん(女優 創作あーちすと)
https://ototoy.jp/feature/2018050202
PROFILE
のん
1993年7月13日生まれ。 趣味・特技:ギター、絵を描くこと、洋服作り
【公式HPはこちら】
https://nondesu.jp
【のん STAFF 公式ツイッターはこちら】
@non_staffnews