生きているうちにこんな経験ができてラッキー
──ASPメンバー全員が集まったのはいつごろですか?
ナアユ : 3月の中旬ぐらいのレコーディングではじめて4人全員で集まりました。
──ASPメンバーは、どういう人たちですか?
ナアユ : ユメカちゃんは以前からすごく仲良くしてもらっていて、私が悩んでいたときもお互いに話をしていました。私は明るいユメカちゃんのことをすごく人間として尊敬していて憧れているので、一緒に活動できたら幸せだなって勝手に思っていたんです。だから、ユメカちゃんがASPのメンバーだって聞いたときは、素直に嬉しかったし私もがんばるぞって。モグちゃんは〈WACK合同オーディション2020〉ですごく印象に残っていた候補生で、一緒にWACKで活動したいなって思っていたひとりだったし、合宿を見ていて尊敬する部分があったので一緒に活動することになってすごく嬉しかったです。
──ナ前ナ以さんはどういう人ですか?
ナアユ : ナナシ(ナ前ナ以)ちゃんは性格とか全てにおいてはじめて接するタイプの人だなって感じることが多くて、唯一無二の世界観をもっているなって思います。ナナシちゃんが入ってくれてよかったなって思うことがよくあります。

──今回のアルバムは『ANAL SEX PENiS』と思い切ったタイトルですが、このタイトルをどう思っていますか?
ナアユ : もう、なにも思いません(笑)。
──それは完全にWACK病ですよ(笑)。
ナアユ : 2月末に電話をいただいたときに「アルバム名『ANAL SEX PENiS』だけどいい?」って言われて、そのときは下ネタとかどうでもいいくらい感情がぐちゃぐちゃになっていたので「なんでもいいです」って言いました。嫌とか全く思わなくて、生きているうちにこんな経験ができてラッキーっていう気持ちのほうが強いです。
──ナアユさんはアルバムのなかでも“被害者ぶるな”と“DiVE”の歌詞を担当されていますが、どういう風に作詞しましたか?
ナアユ : 一気にデモ曲をいただいて、たくさん歌詞を提出したんですけど、“被害者ぶるな”がいちばんあれこれ考えずに言葉がすらすら出てきました。WACKに入る前の不登校だったときの自分を思い浮かべて、いまの自分が過去の自分に対して言葉で怒っているような感じで書きました。
──どんな日々を過ごしていたの?
ナアユ : 私は人間関係が下手くそで学校に行けなくなってしまって、そんな自分を変えたいって思っているのに、ずっと動かずあきらめて意味のない毎日を過ごしていたんです。本当に苦しい環境の方もいると思うのに、そのときの私は脳みそを使わずに毎日過ごしていたから「死ぬ気でもっと生きろ」っていう気持ちを込めました。
──なるほど。
ナアユ : 無意識に自分がかわいそうと思ってしまう状況に陥るときとかあると思うんですけど、そういうときに聴いたらハッと気づかされるというか、もっと脳みそを動かして生きるぞって。

──“DiVE”の歌詞も過去のことがテーマ?
ナアユ : “DiVE”も過去の自分のことなんですけど、活動休止中の歌詞ですね。渡辺さんに直接「もう一回がんばらせていただきたいです」と伝える行動に移すまでに思っていた“戻りたいけどやっぱり足が痛い”とか、なにも進んでいないしなにも変わってない “うねうねした考えじゃ変わらない”っていう状況に対して「飛び込んでいけ」って書きました。
──最後のほうに出てくる「かっせ」っていう言葉はどういう意味?
ナアユ : “DiVE”は、私と渡辺さんが作詞していて「かっせ」は渡辺さんの案です。調べたら野球用語の“かっ飛ばせ”という意味で、なるほどって思いました。
