3人の生みだすメロディが1つの入り江に集結──Coves

数多いるアーティストの中からOTOTOY編集部がライヴハウスやネットで出会い、ビビッときた、 これはもうオススメするしかない! というアーティストを取り上げるこのコーナー。 読んで、聴いて、そして何か感じるものがあれば、できるならライヴを観にいってほしい。損はさせません。 そんな絶対の確信とともにお届けする、第10回。
第10回 : Coves

左から、加藤史崇 / 織田智義 / 佐藤匠
今回紹介するのは2019年4月に結成された3ピース・バンドCoves。
まだ数回しか行っていないという彼らのライヴを2020年1月に観た。つい、口ずさみたくなるメロディと朗らかで心が弾むギターの音色、そして特に印象的だったのは絶妙なリズム感でシックな演奏をするドラムの音色。この絶妙なリズム感はCovesのサウンドに欠かせない調味料的な存在だ。さらに、そのサウンドをしっかりと調和しているベースの音色で楽曲全体に渋さが増していく。まさにインタヴュー内でも語られているが、彼らの楽曲は3人の個性がバランスよく整っている。だからこそ自然と彼らの楽曲に耳を傾けてしまい、徐々に彼らの音楽にどっぷりと浸ることになるだろう。
そこで、彼らの楽曲をたくさんの人に聴いてもらいたいと思い、OTOTOYで1週間限定の無料配信が決定した。無料配信するのは"Pulp Fiction"と"SANDLOT"の2曲で4月28日(火)23:59までとなっている。また、4月29日にリリースされる新EP「Pulp Fiction - e.p」がOTOTOYでも配信開始されるので要チェック!
Covesとはどのようなバンドでどのような音楽性を追求しているのか。さらに、4月29日にリリースされる新曲のことについても語ってもらいました。それでは、3人の個性がバランスよく整っている彼らの楽曲とともにCovesにとって初のメール・インタヴューをお楽しみください。
MAIL INTERVIEW : Coves
Q.音楽活動を始めたきっかけを教えてください。
織田智義(Gt / Vo) : 中学生のころ、友人に誘われてギターをはじめたのがきっかけです。ずっとASIAN KUNG-FU GENERATIONのコピーバンドをしていたのですが、高校生になって地元のライヴハウスに出演するために自分で曲を作るようになり、音楽活動をはじめました。

佐藤匠(Ba / Cho) : プロミュージシャンである親の影響で、小学生のころにピアノを習っていたのが原点です。中学、高校ではスポーツをしていたのですが、大学に入り「バンドかっこいいな」と思いベースをはじめました。大学時代は同級生や先輩からベースを借りていたのですが、ようやく最近マイベースを購入しました。

加藤史崇(Dr) : 中学生に入学して吹奏楽部に入ったのがきっかけです。当時は打楽器を演奏していました。高校生のころは吹奏楽をしていませんでしたが、学園祭に向けてバンドをはじめようとしていた同級生に「打楽器経験者ならドラムできない?」と聞かれ、ちょっとやってみて、それからいまに続いています。

Q.バンド名の由来を教えてください。
織田 : カナダに留学していた頃の最寄りのバス停“herring cove”が由来です。意味は“ニシンの入り江”なんですけど、この平和な感じと響きがなんとなく好きだったので、ここからCovesと名付けました。深い意味はありません・・・
Q. 3人それぞれ、好きなジャンルや普段聴いている音楽を教えてください。
織田 : 洋楽ロック全般ですね。特にOasisが好きです。というか、あの兄弟の関係性が好きです。
佐藤 : 東京事変をよく聴いています。ジャンルに縛られない幅広い楽曲を制作していて、飽きることなく聴き続けられる感じが好きです。
加藤 : いま何が人気かということを把握しつつ音楽活動に取り組むために流行の音楽を聴くようにしています。個人的趣味としては、普段あまり音楽を聴くタイプではないのですが、多分ドラムが上手いバンドを聴いている気がします。
Q.また、Covesの楽曲を聴いてみてシックで大人っぽい楽曲の印象を受けたのですが、Covesとして影響を受けたバンドの名盤や、どんな音楽性に影響を受けたのか、Covesなりにどのような音楽性を追求しているのか教えてください。
織田 : ジョン・メイヤーの影響が大きいと思います。特に初期のアルバム『Room for Squares』と『Continuum』ですね。モダンでテクニカルなギターリフを中心に展開される曲の構成や、ブルースやソウルを感じるグルーヴにキャッチーなメロディーをのせる点など意識しています。
Q.作詞・作曲は誰が作り、どのようなソフトを使い楽曲制作をしていますか?
作詞・作曲ともに織田(Gt / Vo)が担当しています。たまに佐藤(Ba / Cho)のアイデアを膨らませて曲にしていくパターンもありますね。大体はギターリフから考え、そこに肉付けしていく形で弾き語り曲にしていきます。それをCubase上で簡単なバンド・アレンジに整えてメンバーに共有し、スタジオで各々アイデアを出し合いながらブラッシュアップしていくといった流れです。
Q.すでにYouTubeにて公開されている“Pulp Fiction”や“SANDLOT”と比べて4月29日にリリースされる新曲はどのような作品になりましたか?
新EPでは2曲目の“Slow Dancing on a Rooftop”という曲が新曲ですが「のれる音楽」を意識しています。演奏陣のリズムだけでなく、歌のリズムにも「のれるニュアンス」が入るように意識しています。今回リリースするEPはバンドとしての処女作であり、結成からいままでの思いが詰まっています。Covesはこれからも進化をしていきますので「Covesの第1章」として聴きまくってほしいです。
Q.今回の楽曲制作で苦労したところを教えてください。また、楽曲作成時の記憶に残ったエピソードを教えてください。
織田 : 今回リリースするEPの3曲目“SANDLOT”のレコーディングに苦労しました。アレンジや音色を考えるのにも苦労しましたが、一番は曲の最初の方の「ウェイ!」と言っている部分ですね。声のテンションやマイクとの距離など試行錯誤しながら、レコーディングでは理想の「ウェイ!」を求めて10テイク以上やり直しました。
Q.楽曲を制作するとき、なにを一番大切にしていますか?
織田 : 楽曲のポップさとキャッチーさですね。バンドとしてはテクニカルで新しいサウンドを模索して制作に取り組んでいますが、結果としてリスナーを置いてけぼりにしないよう気を付けています。

Q.バンドとしての強みを教えてください。
“印象的なギターのリフ、メロディアスなベースライン、ダンディーなドラム”これはCovesを一言で説明するときの言葉です。3ピース・バンドとしてのバランスが整っているため、キャッチーかつテクニカルな楽曲を綺麗にまとめることができていると思います。
Q.作品をリリースしてみて一番うれしかった反響は?
織田 : ライヴを通して“夜間飛行”という楽曲を気に入ってもらえたことが嬉しかったです。この曲は織田(Gt/Vo)が高校生のころに作り、いまでも大切にしている曲なので、それがしっかりお客さんに届いて感動しました。
Q.逆にへこんだことは?
活動開始して3回目のライヴにて、演奏やライヴについて強くダメ出しをされたことです。それまで2回のライヴをしていたのですが、どちらもお客さんやオーガナイザーにはよかったと言ってもらえていました。それにより当時は演奏も上手ではなかったのに自信過剰になっていた部分もありました。しかし、3回目のライヴ終わりにメンバーも薄々勘付いていた部分に対してダメ出しを受け、苦手部分にしっかりと向き合って練習しなければいけないと気づきました。この経験はへこんだことでもありますが、成長するきっかけにもなったと思っています!

Q.今後、出演してみたいイベントやフェスなどありますか?
〈Shimokitazawa SOUND CRUSING〉や〈TOKYO CALLING〉などのサーキット・ライヴに出演してみたいです。他のバンドも多く出演する中で自分たちがどのように評価されるか知りたいですし、より多くの人に自分たちの曲を聴いてもらえるチャンスだと考えています。また、将来的には〈FUJI ROCK〉や〈ROCK IN JAPAN〉などの大型フェスに出演したいです。
Q.目下のバンドとしての夢を教えてください。
まずは、4月29日にリリースされる新EP「Pulp Fiction - e.p」をより多くの方に聴いてほしいです!そして、Covesのファンを増やし、ワンマンライヴを開催することが夢です!
MUSIC VIDEO
PROFILE
Coves

2019年4月結成。東京・下北沢周辺にて活動。
メンバーは、織田智義(Gt / Vo)、佐藤匠(Ba / Cho)、加藤史崇(Dr)の3人編成。全員が同じ大学、同じサークルに所属しており、ギター・ヴォーカル織田の声掛けにより活動を始めた。
2020年4月29日に「Pulp Fiction - e.p」をリリース。
Twitter : https://twitter.com/coves_band04