自分でなんとかしなきゃでしょ
──そんななかでリリースした、セカンド・アルバム『PLACEBO』は、どのようなアルバムですか?
ナ前ナ以 : ASPらしいパンキッシュな音になっていて、いままで私たちのことを知らなかった人が聴いても「これがASPだ」ってわかっていただけるような最高なアルバムになりました。ユメカちゃんは、歌が上手で引っ張ってくれる声をしているんですけど、特徴的な双子が入ってくれたおかげで、他の3人の声がもっと引き立つようになりました。
──“HATRED of LOVE”は、どういう曲になりましたか?
ナ前ナ以 : 「愛という憎悪」という表現がめちゃくちゃかっこいいです。WACKに入ってから「愛」という言葉をすごく敏感に感じるようになりました。簡単な言葉だけど、想いがすごくある言葉に「憎悪」っていう真逆な言葉がついて、愛の感じ方が私のなかで広がりました。
──ナ前ナ以さんにとって愛とは?
ナ前ナ以 : WACKに入ってから、いろんな人が私のことをちゃんとひとりの人間として見てもらっているように感じます。怒られているときも褒めてくれるときも、私に対して言ってくれている気がして。いままでそんなことなかったから、すごく愛を感じます。
──“NO REASON”は、どんな曲ですか?
ナ前ナ以 : この曲は、ユメカちゃんがシャウトしているんです。そこがめちゃくちゃかっこいいです。とにかく、音がガビガビしていてかっこよくて、この曲をいただいたとき最高でした。
──そして、“GAZE”はナ前ナ以さん作詞ですが、この曲はどういう気持ちで書きましたか?
ナ前ナ以 : この歌詞は、自分に対して書きました。私はすごく出来の悪い人間だと思っていて、ちょっと自分の嫌なところを見つけたときに、「親にこうやって育てられたからだ」、「こう言われたから、自分はこうなってしまった」と思って人のせいにしていたんです。けど、そう思うことをやめたいと思って。「WACKに入ってからは、自分が決めた人生なんだから、自分でなんとかしなきゃでしょ」って思うようになりました。
──WACKに入って自分の考えは変わりましたか?
ナ前ナ以 : 変わりました。自分が言うことに対して自我が持てるようになりました。前までは周りの目を気にして言いたいことが言えなかったんですけど、こうやって歌詞を書かせていただけるようになって、自分が言いたいことが言えるようになったので、自信はちょっと出るようになりました。
──“ITSUMO KOKOKARA”は、どうですか?
ナ前ナ以 : いま私が「WACKに入って変わった」と言えるんだったら、前の私のような歌。本当に歌詞のまま、なんとなく生きていていたので。
──“マジ無いです。”はすごい歌詞ですね。
ナ前ナ以 : 煽っていますね。普段私は、「悲しい人なんですね 親が見たい 何歳になったの?」(“マジ無いです。”の歌詞より)のような気持ちにあまりならないんですけど、ライヴのときは、この歌詞の気持ちになってたくさん煽っちゃいます。ライヴで歌うのがめちゃくちゃ楽しい曲です。

──“日々是虚無也”は、どんな曲になりましたか?
ナ前ナ以 : 虚無ですね。私はなんとなく生きていたので、「なんで生きてるんだ」(“日々是虚無也”の歌詞より)って言われてみたら、「あぁ、たしかに」って思いました。この歌詞は、「ぼーっとしていたらもったいないよ」って気づかせてくれますね。
──“WASTED TEARS”はファースト・シングルにも収録されています。ツインズが入って改めてアルバムにも入りましたが、聴いてみてどんな感想を持ちましたか?
ナ前ナ以 : ふたりの声は新しいですね。「涙を拭け」って直接的な歌詞ですけど、私たちには泣いている時間がないので。とか言いながら、私がいちばん泣いちゃっています。ASPは、いい涙も悪い涙もすぐ出しちゃうので、いい涙をたくさん出るようにしたいですね。