久石譲の"Summer"をベースだけでカヴァー
──言わずもがな、理解してくれている人と制作しているから自由に弾けるんですね。"red hot chili noodles"はまさにそんな曲に聴こえます。
"red hot chili noodles"は、レッチリっぽいリフができたので「このリフだけで広げていこう」ってなって、松ちゃんに「(ゲームの)『パラッパラッパー』みたいな曲にしたいからよろしく」ってデータを投げました。それで出来てきたら「めちゃくちゃそれやんか!」って(笑)。音源ではこの尺なんですけど、ライヴでやるときはバンドのみんなで好きにやりたいなっていう気持ちはありますね。
──「パラッパラッパー」がちゃんと通じるのがいいですね(笑)。途中シンセが出てきますが、これは松本さんが弾いているんですか。
そうです。これは僕が弾いたベース・ラインに同じようなメロディーが入ってて、ベース・ラインのメロを高い音でなぞってますね。
──ハービー・ハンコックの"カメレオン"とか、エレクトリック・ジャズの影響も垣間見える曲です。
そうです、そうです。そういう感じで聴いてもらえるのはすごく嬉しいですね。レッチリとラーメンが好きやから、タイトルは"red hot chili noodles"にしました。ずっとラーメンに凝っていて、食べたラーメンの写真をインスタのストーリーズに上げてるんですよ。今回、アルバムで仕上げてない最後の1曲"Things Uncountable"をレコーディングするために東京に来たんですけど、今日も朝昼両方ラーメンを食べて来ました(笑)。朝は中野の5時からやってる定食屋さんで食べたんですけど、そこのラーメンが450円っていう安さなのにめっちゃ美味しくて。昼は「蒙古タンメン中本」を食べました。
──まさに"red hot chili noodles"を食べてきたわけですね。
ああ、本当だ!上手いこと言いますね(笑)。
──"Things Uncountable"は唯一Yoshimuraさんと作っているんですよね。今日この後、最終レコーディングなんですね。
そうなんですよ。この曲はトラックメーカーのYuto Iizukaさんにトラックを依頼したんですけど、曲自体はポスト・ロックの曲でIizukaさんはポストロックを通ってきてないということだったので、アレンジをYoshimuraさんが引き継いだんです。この曲だけドラムはスタジオで全部生で録って、ギターをYoshimuraさんが弾く予定です。ギターとベースを両方とも押すような感じの曲にしようっていうコンセプトで、ベースも結構隙間を空けたフレーズにしています。どちらかと言えば「ギターが主体でベースが激しいバッキング」というイメージですかね。
──"Song for My Father"もカバーですよね?
はい。これはジャズのスタンダードです。変化させるのはすごく難しい曲なんですけど、メロディー自体はすごく好きなので、どうしてもアルバムに入れたいと思って、自分的にもちょっと挑戦してみたいなと思ってファンク・アレンジにしてカバーしました。
──緊張感があるというか、昔の刑事ドラマの場面みたいなイメージが浮かびました。
本当ですか(笑)。自分で作ってるときなん何となく景色はあるんですけど、インストゥルメンタルって人によって受け止め方が違うので、そういう風に言ってもらえるとちょっと嬉しいですね。
──久石譲さんの"Summer"も収録されていますが、どんなきっかけでカバーしたのでしょうか。
"Summer" は、ずっと昔からソロ・ベースでやっている曲です。途中のコード進行がクラシックの「カノン進行」なんですけど、全体的な雰囲気とメロディーとコードが好きな曲なので、10年ぐらい前にひとりでなにかできないか考えたときに自分でメロディを弾いてみたんです。どんな曲でも弾いてみると楽器として鳴りにくいところや綺麗に聴こえない箇所とかあるんですけど、この曲はベースでもすごく綺麗に聴こえたのですごいなと思って。元はピアノ曲ですけど今回はベースだけでやってます。
