氣志團さんのライヴをみて私も人を喜ばせたいと思いました
──会場の規模が違うライヴをふたつ同時に行っていますが、アリーナ公演のほうはどうですか。
アユニ : 慣れるものでもないので、まだ感覚的にはステージに立った瞬間に衝撃を受けますし、いろいろな感情があるなかでのアリーナ公演なので、毎度異常な緊張をしています。あと会場の大きさに関係なくライヴが楽しい、気持ちいいっていうのはわかりきっていることではあるんですけど、会場が大きくなるにつれてライヴをしているときにこっちに向かってくるエネルギーとパワーが増えるので、こっちから放つエネルギーとパワーもその分大きく出さないといけなくて、心身ともに強張るっていうのはあって。でもあの会場でギラギラした爆音でのライヴができるのはほんとうに楽しいです。
〈BiSH SPARKS "My BiSH Forever" EPiSODE 6〉@大阪城ホールのライヴレポート
──〈BiSH'S 5G are MAKiNG LOVE TOUR〉の方はコラボがあったり、毎回いろいろ変わっていって、対バンならではのライヴですよね。あれは当日リハーサルをしているんですか?
アユニ : いや、事前に大きなスタジオに入って。それこそマキシマム ザ ホルモンのナヲさんは“プロミスザスター”を一緒に踊ってくださったので、一緒にスタジオに入ったりしました。対バンツアーは相手によって全然雰囲気が違いますね。ほんと強者だらけの対バン相手さんたちに来てもらっていて、大先輩たちや同世代のかっこいいバンド、本当にそれぞれ色が違って、長年積み上げてきた自分たちの色とか芯をしっかり持っていて。全員人間なんでそれぞれ違うのは当たり前なんですけど、こんなにも違うのかって、このツアーをやってはじめてわかって。〈MAKiNG LOVE〉っていう愛がテーマのツアーなんですけど、それこそサンボマスターさんとかはお父さんのように大きい背中を見せてくださって、暖かい愛で包み込むようなライヴをしたりとか、同世代のバンドたちは「BiSHを倒してやるぞ」みたいな真っ向から戦いに来てくれる愛とか、いろいろな愛に気づきました。音楽の良さだけじゃなくてバンドの良さとか人間性の良さを味わいました。

──印象的だった出来事はありますか。
アユニ : それぞれのバンドに印象的なことがあったのですごく迷うんですけど、サプライズ的な衝撃で印象が大きかったのは氣志團さんでした。事前にコラボ曲があったのでそれをやるのは私たちも知ってたんですけど、ライヴが始まって何曲目かにBiSHの“プロミスザスター”と氣志團さんの“one night carnival”を掛け合わせた曲をやっていて、“プロミスザスター”の振り付けも完璧で、「うわすごい!やっぱこの人たちはとんでもない!」って思いました。エンターテイナーだなというか、大きいフェスをやってる人の凄みを感じて。
──コラボ曲は何をやられたんですか?
アユニ : “スーパーヒーローミュージック”で私たちが出たのと、BiSHの“Beautifulさ”を綾小路翔さんが1人で来てくれて一緒に歌うってのをリハでもやったんですけど、本番ではメンバー全員来てくれてびっくりしました(笑)。しかも全員振り付けが完璧で凄まじい愛を感じましたね。

──事前にきいていたものを超えてくるというのはかっこいいですよね。
アユニ : いままでの人生、パフォーマンス的にも個人的な生活の上でも人を喜ばせたいみたいな欲がなかったんですけど、氣志團さんのライヴをみて私も人を喜ばせたいと思いました。
──PEDROの武道館でも牛なのか馬なのかが出てきたのも喜ばせたい気持ちからですか?
アユニ : あれは喜ぶ喜ばない別として、出したかっただけです(笑)。