ギリギリの遊び心を詰め込めた楽曲
ーー10月30日にリリースされる新曲「Horizon」は、ダンスミュージック×アニソン×アコギにチャレンジしたとのことですが、どういう作品に仕上がりましたか?
安月名:新境地ですね。自分のやりたかった音楽をアコギでできている感じがします。大好きなダンスミュージックや、自分のルーツであるカーリー・レイ・ジェプセンみたいな音楽をアコギでやりました。最初はアコギで再現できる気がしなかったんですが、タカハシヒビキさんの編曲もあって、新しい扉を開けたなと思ってます。私はリズミカルな演奏が得意だし、そこが安月名らしさだと思うので、そのリズムの刻みを上手く取り入れられたのかなと。
ーーライヴでもギターのバッキングは、かなりパーカシヴですよね。そういう演奏は意識しているんですか?
安月名:またルーツの話になるんですが、KTタンストールとかMIYAVIさんを観てきたので、ベースラインを活かしたアコギを見よう見真似で弾いてきたんです。だからそのときの手癖がああいう弾き方に繋がってるのかなと。でもアコギでそういう弾き方をする人があまり多くないので、極めようとも思っていて。アコギ一本でもっと低音も広げたいです。
ーーアコギにおけるリズミカルさが染み付いてるんですね。今作でダンスミュージックの要素を取り入れようと思ったきっかけは何ですか?
安月名:一つ前のシングルが“シルバーフラワールド”という曲もあって、今は前向きな曲を作りたいモードなんです。そういう曲が自分らしいのかなと思ってチャレンジしました。
ーー編曲はタカハシヒビキさんですが、タカハシさんとはどのようなやりとりを?
安月名:タカハシさんは今回初めましてでしたが、「自分はアコギでこういう曲を作りたい」というのを伝えてもらいながら作りました。
ーー元々、4つ打ちの要素があったんですか? それとも編曲の段階で入ったんですか?
安月名:元々ですね。それこそアニクラ(アニソンをメインにしたDJイベント)で“Glow at the Velocity of Light”がすごく流行っているらしくて。自分の曲でジャンプして楽しんでいる人を目の当たりすると、もっとそういう曲を作って楽しんでもらいたい気持ちが強くなりました。
ーー作詞はどのようなことを意識して作ったんですか?
安月名:いちばんのポイントは、2番の歌詞をこだわっていて。他の楽曲だと、「変わりたい」とか「こうなりたい」という願望を書くことが多かったんですけど、今回は「僕は君に出会うために 変わった」みたいに、自分自身で変われたという歌詞が書けました。夢はずっと消えてないんですけど、いろんな経験を経て目の前のことを大事にしたいなと思っているので、それを歌詞に取り入れましたね。
ーーなるほど。Aメロでは韻も踏んでますよね。
安月名:そうですね。韻を踏みながら、自分の気持ちも書けました。あと、2番のAメロでは「パピプペポ」を入れ込んだりしてるんです。気づいてもらえたら嬉しいですね。
ーー作詞において遊び心は大事にしているんですか?
安月名:言葉を詰め込んだからこそ、キュンとなるように意識しました、それこそときめくかどうか。「にらめっこ あっぷっぷ」とか、聴いていて楽しい感じは大事だと思います。
ーー今作では繰り返されるワードが少ないので、歌うのも大変そうだなと思います。
安月名:繰り返しがこないサビは安月名らしさなのではないかとも思います。1曲を通して面白い展開していて、だからこそ聴き心地は意識して作りましたね。曲を作っているときは突発的に考えてしまうことが多くて、要素をてんこ盛りにすることがあるんです。そこを一緒に作ってもらっているスタッフさんに上手く制御してもらいました(笑)。ひとりで作り込んでると客観的に聴けないこともあるので、そういう意味では素敵なチームだなと思いますね。おかげで、ギリギリの遊び心を詰め込めた楽曲になりました。
