日頃と変わらないことをしていたい
——お2人の芸能活動しかり、社会的な情勢もしかり、時代との共振は大きかったと思います。この現代社会を生きる1人として、この作品からどういうメッセージを受け取りましたか?
幾田:原作を読んだときもそうだし、オリジナルエンディングを観たときにも思いましたけど、「何を正義として生きていくか」や、「自分が死ぬときに、どんなふうに生きていたら幸せといえるか」を考えていました。全員がハッピーエンドではないかもしれないですけど、私は大切な人と一緒にいられることが最期の瞬間の幸せだなと思えました。宝物になる言葉がたくさんつまった作品だと思います。
あの:自分は偏った考え方をしていると思っていたんですけど、この作品を通して、「明日世界が終わったら自分はどうするかな」とか、「何を大切にして生きるかな」と考えたとき、自分が今大切なものを本当に大切にして生きていきたいなと改めて強く思いましたね。


——この作品を通して気づいた、大切な価値観はなんですか?
幾田:いろんな登場人物がいて、主人公たちだけが正義とも限らない、それぞれが持っている正義があって。1人1人の言葉に重みがありましたけど、私が特に印象に残っているのが、ひろし(凰蘭の兄)で「お前が何者であろうと、俺はお前の味方だ。」という言葉です。まさにそういう風に生きられたらそれが全てだなと悟らされたというか。そういう言葉がこの作品にはたくさんありました。
あの:この作品に出会う前から、何かを得たり、何かを守り抜くには何かを捨てなきゃいけない世界だと思っていて、僕はそうしてきて。この作品を観ても、それが悲観的じゃなくてそれでいいんだなと思わせてもらったというか。残酷な終わりだろうが、それぞれの人生があって、それぞれの正義を持っていてもいいんだなと思ったし、自分が大切なものを守り抜くことがすごく大事だなと改めて思いました。
——『デデデデ』では、人類終了へのカウントダウンが描写されますが、もし世界が終わるとしたら、何をしていると思いますか、あるいは何をしていたいですか?
幾田:門出とおんたんのように、大切な人と何気ない日常を生きたいです。私はご飯を食べているときが1番幸せなので、大切な人とご飯を食べている瞬間に終わりを迎えたいですね(笑)。
あの:僕も普通の日常を過ごしたいです。自分は仕事ばかりの毎日で、そういう普通の日常生活がかけがえのない時間ってわかっているので、適当にテレビ観ながら、「こいつキモいね」とか言いながら終わりを迎えたいですね(笑)。
