INTERVIEW : 小山ひな

──小山さんのファンって、どういう人が多いですか?
小山 : どういう方……甘やかしてくれる人が多いです(ニッコリ)。
──どうやって甘やかしてくれるんですか?
小山 : なんでも許してくれます。「生きてるだけで偉いよ」みたいに言ってくれる人しかいない(ニッコリ)。
──いつから、そういうファンの方が付くようになったんですか。
小山 : 私が病み始めてからですね。
──病んでた?
小山 : そうなんです。一時期病んでいて、そしたら段々と優しくなっていきました。
──それはいつ頃の話?
小山 : んー、二十歳くらいです。なので4年前ですね。そういう落ち込んでいるときに舁夫さんが優しくしてくれて救われました。
──どんな言葉に救われました?
小山 : 個人ファンクラブのコメントで「私が病んでいたときに “頑張って”とか“とにかく生きて”じゃなくて、ひなちゃんは“頑張ろうね、一緒に生きよう”と言ってくれた。その優しさに救われたの。だから、ひなちゃんが辛いときには私も同じように言ってあげたい」と言われたのが嬉しかったです。
──ファンの皆さんは小山さんのことをどう見てると思いますか。
小山 : ワガママな小娘に思われてると思います。ふふふふ。
──控え目で空気を読める感じかなと思ってました。
小山 : 自分のキャパがいっぱいになって、無理になったときは「もう無理だ!死にたい!助けてくれ!」と言っちゃうから、「あー、またワガママ娘が何か言ってるぞ!」と思われてる気がしますね。それでもファンの方は寛大で大人だから、みんなのおかげで私のキャラが許されていると思ってます(笑)。
──みんなが受け止めてくれると分かってるから、小山さんも弱音を吐けるみたいな。
小山 : そうですね。ファンクラブでしか言えないことがいっぱいあります。だってSNSとかみんなが見るような場で、急に「死にてえ」と言ったら「この子は大丈夫!?」と思われるけど、ファンの方だけしか見ない場所だったら「また言ってるよ!」と思ってくれるので、そこはちょっと甘えさせていただいて(ニッコリ)。
──もう1つの身内って感じなんですね。
小山 : あ、そうですね!
──ファンの方を見ていて、自分と似てると思うところはありますか?
小山 : んー……病みやすいところ(笑)。
──あっちもそうなんですか(笑)。
小山 : そうそう!あっちもこっちもなんですよね。だから持ちつ持たれつになってる気がする。結構ね、病むときはみんな病んでると思う。仕事がうまくいかないとか、就職ができないとか、学校へ行けないとか、そういうのをちゃんと相談してくれるのが嬉しいなと思います。それに私から「こんなことがあって辛い」と言ってるので、「こいつだったら分かってくれるかな」という感じで思ってもらえてたら嬉しい。
──悩みを第三者に話してるときって、解決策が欲しいんじゃなくて「うんうん。そうなんだね」と聞いてほしいだけだったりするじゃないですか。ファンの方も小山さんだから言えるんでしょうね。
小山 : そうだったら嬉しい。それに私は無理に頑張れとは言えないから。だって自分が頑張れないから「大丈夫だよ。嫌だったら(職場・学校に)行かなくてもいいよ」と言っちゃう。全然関係ないちょっと無責任な第三者の言葉って、意外と大事だったりするのかなと思っていて。そう言う感じで……私もみんなのことを甘やかしてますね(ニッコリ)。
──ライヴ中、特典会、ネット上などでファンの方から言われて嬉しかった言葉はなんですか?
小山 : ライヴで声の調子が悪くて上手に歌えなかったとき、私は分かりやすく落ち込んじゃうんですよ(笑)。そしたら終演後のお見送り会で「上手く歌えなくて悔しいだろうけど、私は今日観に来れて嬉しかったし、ひなちゃんが一番可愛かったよ」と言われたときに、めっちゃ救われるやん!と思って。そう言ってもらえるからこそ、ライヴの質を下げたくないし、いつでも完璧でいたいなと思えるんです。
──特典会はどうですか?
小山 : みんな私のことを傷つけないんですよね。例えば唇の下に穴を開けたとしても(ラブレット)、「可愛いよ」と言ってくれる。前の方が良かったと思っても、絶対に言わないでいてくれるんですよ。すごい細かい話だけど、そういう優しさが嬉しい。多分、穴を開けるのって嫌な人もいると思うんですよ。その感情を自分のなかで留めておける大人な方に囲まれて、本当に幸せ者だなって感じます。
── YouTubeとかSNSとか、ネット上で言われて嬉しかったファンの言葉はあります?
小山 : ちょっとズレるかもしれないですけど、ライヴレポとか特典会のレポを漫画で描いてくれる方がいてめっちゃ嬉しかった(照)。あまりにも嬉しいから画像を保存して、ママに送りました。
──逆に、ファンの声で悩んだり反省したことはありますか?
小山 : 私のことを好きでいてくれる人は私を否定をしないので、一通り甘やかされた上で自分で冷静になって「これは直そう」と思うことはあります。逆に、自分がいっぱいいっぱいになって助けを求めているときに否定されたら、冷静な判断が出来なくて、その人のことが嫌いになっちゃうと思うんですよ。ただ、みんなそういうことがないから、悩んでいても冷静になれる。
──甘やかす塩梅がちょうど良いんですね。
小山 : すごいですよね!お母さんとお父さんかな?みたいな。
──「今、ひなぷぅにこれを言ったら傷つけちゃうから、絶対に言っちゃダメだ」みたいな。
小山 : ダメだこれは! みたいな(笑)。
──この前、ドン・キホーテで1回800円の「シナモロール当りくじ」を大量にやって、めちゃくちゃ同じ商品が被ったときも「同じ商品が当たってるじゃん! もったいない」と言う人はいなかったですしね。
小山 : そうなんですよ。みんな「ひなちゃんいっぱい買ったんだねぇ」「店員さんとお話しできて偉かったねぇ」と言ってくれて。んふふふ!
──褒めて伸ばすみたいな。
小山 : そうですね!私も褒められて伸びる子なので(ニッコリ)。
──ファンのおかげで変われたことはあります?
小山 : やっぱり褒めて伸びる子なので「可愛い」と言われたら、次に会うときにはもっと可愛いくいようと思うし、「歌が上手いね」と言ってもらえたら、もっと上手くなろうと思うんです。みんなが褒めてくれることで私のモチベーションに繋がって、もっとスキルアップしようって前向きになれる。逆に「ここを直した方がいいよ」と言われたら、「じゃあ、いいよ! 出来ないから諦める! 無理!」となるタイプだから、それを分かった上で褒めてくれるので、私はもっと褒められるように頑張ろう!と思えます。
──いま、小山さんがファンに伝えたいことってなんでしょう?
小山 : ファンのみんながいてくれなかったら、私は小山ひなでいることはできなかった。だから「ずっと好きでいてくれてありがとう」と言いたいです(照)。
──小山さんにとって、ファンはどういう存在ですか。
小山 : 先ほども言った、持ちつ持たれつの存在というか。私が前を向けないときにはみんなが支えてくれるし、みんなが前を向けないときには私が支えてあげられるくらい強くいたい。ファンとアイドルという関係だけど、対等でありたいんです。一緒に助け合って今日も生きていこう!と言いたいです。
──いま、小山さんが目指してる理想のアイドル像を教えてもらえますか。
小山 : ずっと可愛くいたいです(ニッコリ)。
──年齢によって可愛さの中身って変わりません?
小山 : そうですね。10代から神宿をやっていて、当時の可愛さはもうできないけど、ずっと可愛いと言われたい。可愛いと言ってもらえるように、その時々の流行をチェックしつつ、自分の中で嘘はつかないようにずっと可愛い存在でありたいなと思います。
──それは外見の話ですよね?内面で可愛いくいるためには、どうすればいいと思います?
小山 : 内面!?常識があるぶりっ子でいること。ふふふ!ちゃんと空気は読めるぶりっ子でいたいなと思ってます。