ハイレベルのパフォーマンスが共存した空間──Vocal & Dance Collection Live Vol.3 @ TOKYO FM HALL

女性アーティストの“ヴォーカル”と“ダンス”に焦点をあてたメディア、VDCが主催するイベント〈Vocal & Dance Collection Live〉。第3回目となる本イベントは、i-dioとOTOTOYの協力のもと2019年4月15日(月)、TOKYO FM HALLにて開催された。こぶしファクトリー、J☆Dee’Z、フィロソフィーのダンス、といった実力派の3組に加え、フロント・アクトにはYouTuberアイドルグループとして注目を集めているテーマパークガールが出演。OTOTOYでは各グループがそれぞれの持ち味を発揮し、ファンの壁を越えて会場を沸かせた当日の様子をレポートでお届けします。
LIVE REPORT : Vocal & Dance Collection Live Vol.3 Supported by OTOTOY & i-dio @TOKYO FM HALL
文 : 真貝 聡
写真 : 周二郎
ライヴ終演後、僕の目の前にいた観客たちが「あの曲をこぶしファクトリーが歌ったの初じゃない? しかもコラボだぜ!」と興奮気味に話していた。──2019年4月15日、TOKYO FM HALLではハロオタならずアイドルオタにとって、ちょっとした事件が起きた。
この日は〈Vocal & Dance Collection Live Vol.3 Supported by OTOTOY & i-dio〉というイベントで、こぶしファクトリー、J☆Dee’Z、フィロソフィーのダンスの3組に加えて、フロント・アクトとしてテーマパークガールが出演。珍しい組み合わせだが、どういう指針でこのグループにオファーをかけたのかOTOTOYの竹中直純・代表取締役に話を聞いた。
「単に人気があるだけじゃなくて、歌唱力やダンスパフォーマンスともにレベルの高いアイドルさんに声をかけさせていただきました。イベントの最後にはコラボも披露していただきましたけど、それによってアイドル同士で横の繋がりも築けますし、ファンのかたは推しているグループ以外にも興味を持つ機会にもなります。対バンよりも広い意味を含めたイベントとして、開催に至りました。」
会場にTOKYO FM HALLを選んだのにも意味がある。
「ある日、TOKYO FMさんから『i-dio(※テレビでもラジオでもない、新しい放送サービス) の新しい企画はないですか』と相談を受けまして。僕が音楽メディアの『VDC』と『OTOTOY』の代表を務めているので、その両方を絡めれば良いんじゃないかと。そうすることで、イベントの様子をハイレゾ音源として流すことができますし、今後さらにイベントを広めるきっかけになれたらと思っております。」
そんな経緯があり、本イベントはこの4組によるラインナップで、TOKYO FM HALLにて開催されることとなった。
テーマパークガール

開演時間になりフロントアクトのテーマパークガールが登場。彼女たちはライヴ活動だけでなく、YouTubeにも力を入れている平均年齢12歳のフレッシュ感のある5人組。
オープニング曲として選んだのは、「その夢失くして生きてゆけるだろうか」。幼さを感じさせない伸びやかな歌声と、可愛いだけじゃないキレのあるダンス。さすが「愛踊祭2018」で優勝、さらには審査員特別賞というダブル受賞を果たしただけあって、確かなパフォーマンスだ。

最後は「101回チャレンジ」で1曲目のアグレッシヴな雰囲気とは違い、しっとりと聴かせるテーマパークガールの顔を魅せつけた。
観客から大きな拍手が送られると、やりきった表情でリーダーのかなみが「ありがとうございます! 実は私たち、ユーチューバーとしても活躍していて。ぜひYouTubeの方もチェックしていただいて、そしてチャンネル登録もお願いします!」と話すと、最後は全員で「チャンル登録、グッドボタン、Twitterフォローもよろしくお願いします!」と抜け目ない宣伝もさすがだった。
フィロソフィーのダンス

そして、2組目に登場したのはウルフルズ、氣志團、ナンバーガール、Base Ball Bear、相対性理論などを世に輩出した加茂啓太郎のプロデュースによる4人組グループ・フィロソフィーのダンス。
まずは「好感度上げたい」「コモンセンス・バスターズ」を立て続けに披露して、すぐさま会場をダンスフロアへ変えてみせた。MCになると奥津マリリが「遂にこの日が来た! 本当に楽しみだったんですぅ! 本当に本当に嬉しい!」とおもちゃを買ってもらった子供のように、ピョンピョンとジャンプをしながら無邪気な様子をみせる。ハロオタの彼女にとって、こぶしファクトリーと対バンすることが相当嬉しいんだろうな、と観ているこちらにもビンビン伝わってくる。すかさず十束おとはが「楽しみだった、ってライヴが終わったみたいじゃん!」とツッコミを入れていた。


そんな心拍数高めなMCのあとに歌ったのは「ヒューリスティック・シティ」。ロマンティックで、妖艶で、ブルージーなブラック・ミュージック。時には少女のように、時には大人の女性へと楽曲に合わせて表情を変えていく彼女たちの表現力の高さを魅せつけた。
妖艶な雰囲気を保ったまま4曲目は「フリー・ユア・フェスタ」。ファンにとってはお馴染みだが、日向ハルを観ていると「この小柄な体のどこから、これほど圧倒的な声量が出てくるのだろう」と思うくらいステージ上の彼女は大きく見える。
その後「アルゴリズムの海」「ラブ・バリエーション」と曲を重ね、最後は十束おとはの「ラストはみんなで踊りましょうー!」の掛け声から「ダンス・ファウンダー」。
観客の手の振りが、寄せては返す波のようにキレイな光景を演出させた。踊らせて・聴かせて・やっぱり超踊らせる。そんな30分とは思えないほど充実なステージを全うした。


J☆Dee’Z

3組目に登場したのは全員が2000年代生まれのボーカル&ダンスグループJ☆Dee’Z。突然、会場の明かりが消えると3人が颯爽とステージに姿を表し、バスケットボール日本女子リーグ「Wリーグ」の公式応援ソングとして制作された「あと一歩」を披露。〈走り出して 走り出して〉という歌詞が印象的な楽曲で、実際にWリーグの選手にアンケートをとった上で生まれた歌詞なだけあって、シンプルな言葉の中にしっかりと力強さが集約されている。まさに今から始まる彼女たちの勝負の場にピッタリな選曲だ。


聴くものにドスンと力強い言葉を投げると、2曲目はファンクネスを存分に味わえる「Fun Time Funk!!!」。今度は1曲目と打って変わって、観客をしっかりと躍らせた。
MCになりMOMOKAが「みんなめっちゃノリが良い! 平日なのに来てくださって本当にありがとうございます!」と話して、amiは「このイベントは、私たち2回目の出演ということで。また出演できて嬉しい!」とライヴの喜びを語った。
3曲目「いますぐに会いたい」では、ミディアム・テンポの曲で前半とは違ったしなやかな歌唱とダンスを魅せた。2013年にJAPAN EXPOでパリに訪れた際、パリ市内で路上ダンスパフォーマンスをして約200人の人だかりを作った逸話を持つ彼女たち。長身ですらりと伸びた手足、生まれ持った抜群のプロポーション。さらに磨き上げられたダンステクニックもあって、彼女たちのステージはどんな観客もしっかりと魅了していた。

再びMOMOKAがマイクを握り「私たち6月で結成10周年を迎えます。結成記念日には、渋谷duo MUSIC EXCHANGEでワンマン・ライヴをやるので興味を持っていただけたら、ぜひ足を運んでいただけると嬉しいです」と呼びかけると、会場からウォー! と歓声が上り、その様子を見てNonoは「告知をするだけでこんなに喜んでもらえるなんて!」とレスポンスの良さに終始喜びの表情を浮かべていた。
そして4曲目は「Jewel」を歌い、MOMOKAが「最後はこの曲をみんなと一緒に歌いたいと思います」と言って、岡村靖幸のカバー「だいすき」へ。原曲の良さを活かしつつ、彼女たち色に染めたアレンジで新しい魅力を引き出している。アウトロでは「私たちがJ☆Dee’Zです!」と声高らかに叫んで全5曲のステージを終えた。

こぶしファクトリー

トリを務めたのは、“コブシのように優美で、握りこぶしのごとく力強くなってほしい”ことと“Berryz工房(-ファクトリー)”の意思を継承してほしいと生まれた、こぶしファクトリー。
今回は4月25日にリリースした7thシングル『Oh No 懊悩/ハルウララ』に収録されている「ハルウララ」の衣装に身を包んで登場。開始早々から「GO TO THE TOP!!」で観客を一斉にジャンプさせるステージメイクは圧巻だった。


1曲目を歌い終えると、「私たちは一昨年の秋くらいからアカペラというものに挑戦させていただいてまして。今日は披露しないんですけども……うちの最年少の井上玲音ちゃんがボイパに挑戦しているので、玲音ちゃんのボイパだけでも聴いてもらいたいと思います」と、野村みな美のパスを受け取った井上が特技のボイパを披露して会場を沸かせた。
2曲目「念には念(念入りVer.)」の曲紹介をすると「待ってました!」と言わんばかりに男性だけじゃなく、女性の興奮まじりの歓声が上がる。前衛的でこぶしを効かせた勇ましい歌唱を魅せつけると、アクセルペダルを踏み込むように3曲目「懸命ブルース」でさらにアグレッシヴさを加速させた。


4曲目「明日テンキになあれ」では、マイクスタンドをステージの前方で持ってきてミニマムな動きながらも凛としたパフォーマンスを魅せた。サビの〈何回も 何回も〉に合わせてペンライトが1本ずつ上がる。ステージの彼女たちだけでなく、観客もまたスポットライトよりも眩しいフロアを作り上げていた。
さらに「これからだ!」「シャララ!やれるはずさ」と、こぶしファクトリーにおけるアンセム曲を歌唱。ステージ横を観ると、少年のような顔で一緒に歌う観客たち。他グループのTシャツを着ている人も含めて、十数分でグループを好きにさせてしまう辺り、流石はハロプロの申し子である。
最後のMCでは、井上が新曲「ハルウララ」について「今日はやらないんですが、春といえばお花だったり暖かい風だったり連想するものはあると思うんですけど。春の良さも出しつつ、こぶしファクトリーの中では珍しく可愛い繊細な姿を観られるのがMVなんですよ。こちらは公式YouTubeに載っているので、是非観ていただけたらなって。本当に本当に珍しく可愛いですよ!」と新曲紹介をして、最後は一撃必殺の盛り上げ曲として「Oh No 懊悩」。こうしてエンターテイメントの詰まったステージを終えた。

スペシャル・コラボレーション・ステージ

4組のライヴが終わると、お待ちかねのスペシャルコラボ・ステージへ。ステージには、こぶしファクトリーの広瀬彩海、野村みな美、井上玲音。フィロソフィーのダンスの奥津マリリ、佐藤まりあ。J☆Dee'Zの3人が登場。
奥津マリリが「みなさんご存知の……あの曲をみんなでやっちゃいまぁーす!」と、ピョンピョン跳ねながら興奮状態。そしてアイドル史に残るモーニング娘。の名曲「LOVEマシーン」を披露。終盤になると十束おとは、浜浦彩乃、和田桜子も乱入。まさに今夜だけの奇跡的なステージだった。


ラストステージが終わると、イベントの締めとして各グループの代表者がひとりずつ感想を言うことに。
フィロソフィーのダンス・奥津マリリ
「本編のライヴでは、みなさん一緒に振りコピしてくだったり、一緒に歌ってくださったり本当にありがとうございました。(声を震わせながら) そして、そして何よりもコラボでぇ、モ、モーニング娘。さんのぉ、曲を一緒に歌えてぇ! 私、中澤裕子さん役だったんですけど、中澤さんの髪型をマネしてぇ! 中澤さんっぽい動きも取り入れて、本当に一緒歌えて楽しかったです」。
J☆Dee'Z・Nono
「今日1日あっという間だったなと思うくらい、すごく楽しかったです。それはお客さんが温かったからだと思うし、共演者の皆さんとコラボをするなんて中々やらないですし。リハーサルの段階から、こぶしさんにダンスを教えていただきました。一緒にステージを作っていくのが楽しかったです!ありがとうございました」。
こぶしファクトリー・広瀬彩海
「私たちもコラボは普段の対バンライヴで中々しないのですごく楽しかったですし、今日初めてこぶしファクトリーを観る方も多かっと思うんですけど、みなさん温かくて最後まで楽しくライヴをさせていただきました! ありがとうございました!」
こうして演者も観客も大興奮のステージは大成功を収めて幕を閉じた。

当日の様子を収録した特別番組を後日『i-dio』内で放送!
i-dio内の高音質チャンネル “i-dio HQ Selection”の特番として
今回のライヴを今夏放送します。
ライヴの様子だけでなく出演アーティストのオフトークも交えて、参加した方もそうでない方も当日のアーティストの「熱」を地上波最高音質でお楽しみいただけるよう、VDCとOTOTOYが協力してお届けします。
お聴き逃しなく!
※i-dio HQ Selectionとは?
CDを超える高解像度の音声データ(ハイレゾ音楽)は>リアルな再現性が特徴ですが、データ量が多いため、従来の放送フォーマットでは放送することができませんでした。i-dioは、高音域を低音域から生成するSBR技術を採用することで、96kHzサンプリング HE-AACフォーマットでハイレゾに迫る地上波最高音質の放送「i-dio HQ」を可能としました。
i-dioに関してさらに詳細な情報はこちらから
OTOTOY制作の番組がi-dio HQ Selectionにて放送中! 詳細はこちらから
フィロソフィーのダンスの作品はオトトイにて配信中!
今回のセットリストをまとめて購入!
最新アルバム『エクセルシオール』もハイレゾ配信中!
その他のフィロソフィーのダンスの楽曲はこちらからチェック!
https://ototoy.jp/_/default/a/499791
PROFILE
こぶしファクトリー

春の訪れを告げるように、他の木々にさきがけて白い花を梢いっぱいに咲かせる日本原産の花、コブシ(辛夷)。コブシの花のように「優美」でありながら、コブシという名前の由来でもある(にぎりこぶし)に象徴される「力強さ」を兼ね備えたグループになってほしい、という想いを込めて名づけられました。
コブシの花言葉は「友情」「信頼」「歓迎」。 お互いに「友情」を深め「信頼」しあい、多くの人に「歓迎」されるグループを目指していきます。
Berryz工房の活動停止後、「ハロー! プロジェクト・アドバイザー」に就任することになった清水佐紀もユニット名の選考に関わりました。Berryz工房のスピリットも継承していけるように…「ファクトリー」にはそんな想いも込められています。 2015年春。コブシの花が咲き誇る季節に「こぶしファクトリー」がいよいよ始動します!
【公式HPはこちら】
http://www.helloproject.com/kobushifactory
【公式ツイッターはこちら】
https://twitter.com/kobushifac_uf
J☆Dee'Z

圧倒的な歌唱力と迫力ダンスで注目度急上昇中!! 平均年齢17才・本格派ボーカル&ダンスグループJ☆Dee‘Z (ジェイディーズ) 2010年にキッズダンス雑誌より、全国各地からオーディションで集められたメンバーでダンスグループとしてJ☆Dee’Z誕生。 多くのダンスバトルやコンテスト、ファッションモデル等の活動を経て、2012年にLOTTE Sony Music 歌のあるガムプロジェクト2012「NEXT」で、8000組の中からグランプリを受賞し、2014年にソニーミュージックレコーズよりメジャーデビュー。
2016年からは、Nono・ami・MOMOKAの3人新体制で、全て生歌・コーラスも取り入れる実力派グループへと進化。 ダンスには、現代のタップダンスともいえる、新しいリズムを奏でながら踊る“ボディーパーカッション・ダンス”を取り入れ、 ボーカル&ダンスグループとしては類を見ない、生歌・コーラス・ボディパを奏でる唯一無二のパフォーマンスを発信。 そのエモーショナルなパフォーマンスと、メッセージ性の強い楽曲が話題を呼び、数々の高校野球中継テーマソングや バスケットボールリーグ女子日本リーグ ”Wリーグ”の公式応援アーティストを務める等、今、各界隈から高い注目を集めている3人組。
【公式HPはこちら】
http://www.j-dz.com
【公式ツイッターはこちら】
https://twitter.com/JDeeZ_official
フィロソフィーのダンス

ウルフルズ、氣志團、ナンバーガール、Base Ball Bear、相対性理論などを世に輩出した加茂啓太郎がプロデュースを担当
略称はフィロのス。
2015年、音楽的にはコンテンポラリーなファンク、R&B。歌詞には哲学的なメッセージ込めるというコンセプトの下、活動を開始。
アイドルの枠を超え全ての音楽ファンに愛されるグループを目指している
【公式HPはこちら】
https://danceforphilosophy.com/
【公式ツイッターはこちら】
https://twitter.com/DFP_2015
テーマパークガール

平均年齢13歳、いぐさ、けりぃ、ももか、えみい、かなみの小学6年生〜中学3年生の5人で結成されたYouTuberアイドルグループ。
動画の総再生数は5000万再生を超える。YouTubeはMVだけではなく、メンバーのプライベートな私物を紹介したり、メイク動画をあげたり、
同年代女子に人気のある次世代インフルエンサーアイドル。
【公式YouTubeチャンネルはこちら】
https://www.youtube.com/channel/UCFXNaD22mQK7tfcv_71J1sA
【公式ツイッターはこちら】
https://twitter.com/themeparkgirl_t
VDC|Vocal & Dance Collection
【公式ホームページ】
https://vdc.tokyo/