ソロ初の全国流通、そして新バンド・GODの結成&リリース──渦中の人、下津光史が向き合う音楽とは

踊ってばかりの国のオリジナル・メンバーであり、全作詞、作曲、ヴォーカル、ギターを担当する下津光史が、1stフル・アルバム『下津光史歌集』をリリースする。さらに下津が参加するバンド、GODによる1stフル・アルバム『DOG』も同日リリースすることが決定している。GODのメンバーは下津に加え、濱野夏椰(G / Gateballers)、jan(B / GREAT3、jan and naomi)、照沼光星(Dr / ex. QUATTRO)、日高理樹(G, Syn)と、現在活躍中バンドのメンバーにより構成。まさにスーパー・バンドと呼ぶにふさわしい面々が揃っている。OTOTOYではこの注目すべき両アルバムを、CDリリースも2018年1月10日に先駆けて、3週間先行で配信! さらに、GOD『DOG』はハイレゾ音源も配信中なので、ここでのダウンロードがマストですよー! 今回行った下津へのインタヴューと共にチェックしていただければ、楽曲の理解が深まるほか、両作に収録されている楽曲違いをより強く感じ楽しめること間違いなし! 2017年の締めくくりは、下津光史で決まり!
下津、弾き語り音源初の全国流通! OTOTOYは先行配信
下津光史 / 下津光史歌集
【配信形態】
WAV、ALAC、FLAC(16bit/44.1kHz) / AAC
【価格】
単曲 257円(税込) / まとめ 2,376円(税込)
【収録曲】
1. 襟を立てて
2. ツクシ
3. 宝物
4. 夕日
5. フレンチブル
6. ダンシング
7. Oh my darlin'
8. 旅の途中
9. デジャブ
10. 愛のバラード
11. I want to pray.
12. 木綿のハンカチーフ
【まとめ購入特典】
『下津光史歌集』歌詞テキスト(PDF)
先行配信&ハイレゾ音源配信中!
GOD / DOG
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC
>>>ハイレゾとは?
【価格】
単曲 257円(税込) / まとめ 2,376円(税込)
【収録曲】
1. Typhoon
2. Bud question
3. アルカロイド
4. つばめ
5. Remember
6. フレンチブル
7. Oh my darlin’
8. パーフェクトデイズ
9. 襟を立てて
10. 花の付け根
11. レモン
12. I want to pray.
13. 愛のバラード
【まとめ購入特典】
『DOG』歌詞テキスト(PDF)
GOD / REMEMBERGOD / REMEMBER
>>Youtubeにて全曲フル試聴可能! リンクはこちら
INTERVIEW : 踊ってばかりの国の精神をもっと日本に浸透させてたい

来年で結成10周年を迎える踊ってばかりの国。そのフロントマンである、下津光史が1月に新バンドGODとソロでアルバムを同時リリースするというから驚いた。そして、もしかしたら踊ってばかりの国は解散か!? なんて期待と不安を感じてしまった。どうしてアルバムをリリースすることに至ったのか、そして下津自身はいま、どんなスタンスで音楽と向き合っているのかを訊いた。「普段こんなことは絶対に喋らないっすからね」と下津が言うように、かなり貴重なインタヴューとなっている。
インタヴュー : 真貝聡
編集補助 : 宮尾茉実
写真 : 大橋祐希
踊ってばかりは「生活」、GODは「遊園地」、ソロは「フルちん」
──まずは、踊ってばかりの国の現状から訊かせてください。
下津光史(以下、下津) : ギターの林君が辞めて、代わりに2人増えたことでノンストレスの国になっちゃって。もう、大変です。俺が1番まともな気がします。
──ノンストレスというのは、以前とどれだけ変わったんですか。
下津 : いままでが企業に勤めていたとして、それが河川敷で住みだしたみたいな。
──あはははは、しがらみがなくなって。
下津 : そうっすね。屋根も壁もなくなった状態です。
──メンバー・チェンジをして変わったことは?
下津 : 前までは曲作りをしていると1曲の中に反対意見が必ず1つはあったんですけど、いまはまったくないのでラクになりましたね。人間的な部分でも、音楽的な部分でもすごい快適です。
──踊ってばかりの国が好調ななか、ソロとGODがアルバムを同時リリースすることになったのはどうしてでしょう。
下津 : ソロもそうやし、GODも去年には音源を録り終えてたんですよ。ただ、踊ってばかりの国が新体制になったばかりだったので、タイミングをうかがってました。主軸のバンドが動いてないのに他が動くっていうのは、音楽活動がブレる可能性があったから。あと、踊ってばかりの国もレコーディングしてるので、そことカブらないように。
──え、いまですか?
下津 : そうなんですよ、3年ぶりのレコーディング中。その繋ぎって言い方はアレやけど、事務所としても相乗効果になるようなタイミングを狙ってたんじゃないかなと思います。
──下津さんにとって、それぞれはどういう位置付けなんでしょう。
下津 : 踊ってばかりの国は「生活」で、GODは「遊園地へ行く感覚」で、ソロは「フルちんの状態」。
──生活、遊園地、フルちん……。
下津 : スウェットを着てる状態が踊ってばかりの国なんですけど、ソロに関してはフルちん! もう全開ってことです。
──自分をありのままさらけ出したっていう。
下津 : そういうことです。

──それぞれ、どんな作品になっていますか。
下津 : どちらも僕が曲を書いたんですけど、GODの方はみんなの意見を取り入れた結果、自分が予想だにせえへんもんが出来ましたね。ボブ・ディランみたいな曲をやっていたはずがピンクフロイドっぽくなったりして。
──両アルバムに収録されている「襟を立てて」なんて、まるで違う曲になってますよね。
下津 : 俺が農家で、GODのメンバーはシェフみたいな感じ。思いもよらない料理に仕上げてくれました。
──ソロのアルバムをお聴きしたときに、「フルちん」って言葉の通り、誰の手も加わってないのが今作なのかなって思いました。下津光史の果汁100%ジュースみたいな。
下津 : ゲスト・ミュージシャンと踊ってばかりの谷山(谷山竜志 : 踊ってばかりの国のベース担当。本作のレコーディングエンジニアを務めた)しかレコーディング現場にいないから、ホンマにむき出しのフルちんっすよね。ソロは正解がないので大変でした。どれが正しくて、どれが間違っているのか分からないんですよ。
──意図してないかもしれないですけど、70年代の全日本フォークジャンボリーっぽさを感じたんですよ。
下津 : ああ〜! 岡林信康さんとか、高田渡さんとかっすよね。
──浅川マキさんも。
下津 : はいはい!
──フレーズに重みがあるっていうか、アコギなんだけど全然軽くない感じ。
下津 : ピーターポール&マリーのような、60年代以降のフォークがむちゃくちゃ好きで。うん…… 今回はちょっとフリーフォークというか、そっちのニュアンスに近いかも。普通にストロークをしてるけど、ゆずのストロークじゃないですよね。手前味噌なんですけど、自分の弾き方にマンチェスター・イズムを感じるんですよ。荒いのにグルーヴしてくというか、パンクじゃないグルーヴがそこにあるというか。それがアメリカ民謡のようなフォークの特色なので、無意識にやっていた気がします。
──弾き語りによって、歌がダイレクトに響いてる気がします。
下津 : 歌に関してはバンドより、ソロの方が入ってくるかもしれないですね。「デジャヴ」なんて、GODでやったら40分くらいあるんですよ。あの…… この場を借りて言いますけど、GODはしんどいっす! (きっぱり)。
──あははは(笑)。どういったしんどさですか?
下津 : IYKCしんどいっす。
──え、なんて?
下津 : 「胃が破けちゃう系しんどい」っす。「今日はGODのスタジオか〜」って思いながらいつも行ってますもん。
──気軽じゃないと。
下津 : そうですね、戦へ行く感覚。
──でも、発起人は下津さんじゃないですか。
下津 : いや〜俺は半ば強引に発起人にされてるだけで、誰がリーダーってわけでもないんですよ。去年のフジロックの帰りに車中で「バンド組もう!」みたいに全員で盛り上がって。
──いっせーの! で決まったんですね。
下津 : そうですね。5人で考えて決まったバンドです。GODは全員がライバルになるから、やりがいはあるんですけど、しんどいんですよね。なんでやってもうたんやろうなぁ…… (笑)。
──あはははは、まずは形になって良かったですよ。
下津 : 1stアルバムができたからね。俺の中ではGODって最後の初期衝動かもしれないです。そろそろ、ええおっさんになってきてるから。
畳の匂いがする表情を持った曲を選びました

──20代と比べて音楽表現は変わってきましたか。
下津 : 全然違うんじゃないっすかね。作曲やったり、ライヴも全然変わってきてるので。初期の踊ってばかりの国に比べたら、声も全然違うと思いますし。そういう計算できない進化が音楽って楽しいですよね、人生と比例していくというか。
──「いまだったらこの曲、つくれない」みたいなのは?
下津 : 昔の曲は特にありますよ。まだ思春期の残り香があったりするので。あと、若い頃ってひねくれてたので、いま、10年前のような曲を書けるかって言ったら無理ですね。毒とか角が取れてるとか、そういうことじゃなくて。もう関西じゃなくて、東京におるわけやし。好きな食べ物も変わってるし。そういうひとつひとつの要因がいまの曲に連鎖してると思います。
──20代前半の自分を振り返ると、どう見えますか。
下津 : 超メンヘラですよね! クソいてぇ、クソガキ。
──あはははは!
下津 : いや、恥ずかしいっすよ! 俺以外のメンバーは昔のアルバムも好きなんですけど。やっぱり更新していく側は録り終えた瞬間にどうでもよくなっちゃうというか、次のことに目が向かっちゃうんですよね。だから「どのアルバムが1番好き?」って訊かれたら困るんですよ。この曲が好きで、この曲は嫌いっていうのはあるんですけど。素直にいま、現在歌えるかどうかやと思うんで。たとえば「東京」って曲を書いたときの自分と3年後の自分は当時のままではないから。
──いまはどんな時に曲を書いているんですか。
下津 : 人間なので、イライラとか凹んだりとかアップ・ダウンがあるじゃないですか。ダウンしてるときに助けられるのって、自分の曲でしかなくて。そういうときに書いてますかね。
──ちなみにソロ・アルバムはいつ頃の曲が集まってるんでしょうか。
下津 : 踊ってばかりの国でいうと『SONGS』以降、バンドで使わへん曲だったりとか、踊ってばかりの国で使っている曲も入ってるんですけど。あんまりスポットの当たってなさそうな、日常を淡々と歌った曲を入れました。生活感のある曲ですかね、あんまり夢見ご心地じゃない感じの。
──生活感のある曲?
下津 : パスタ屋へ行って、パスタの湯気を見ながら娘に「前に買ったぬいぐるみを今日は持ってるんか?」って聞くような。
──「宝物」の歌詞ですね。
下津 : ああいうのが生活感の歌かな。踊ってばかりの国の歌詞はどちらかというと、魔法使い系の方が多いんですけど。ことフォーク・ソングにするときは生活感のある方がしっくりくるんですよ。畳の匂いがするというか。そういう表情を持った曲を選びましたね。
──生活感で思い出しましたけど、下津さんって奥さんと子供がいるんですよね。
下津 : 実は結婚したのが早くて、20歳の時には結婚して21歳には子供が生まれてました。家庭という、守るもんがあるから少しはちゃんとはせな! という意識があって。子供がおらんかったらいま頃、俺は死んでるでしょうね。
──自分よりも大事な存在がいるから、死ぬわけにはいかないと。
下津 : そうっすね。単純に俺がおらんかったら子供は何もできひんから。誰かのお父さん的な部分が自分が生きていく上であるっていうのは、どんなクソ野郎でもちょっと責任感が湧くんじゃないですかね。
ステージの上では誰よりもカッコよくいるとか、そういうのはポリシーかも

──6年前のインタヴューで「日本語詞ってダサい」と話してましたけど、その考えは変わりました?
下津 : いや、変わってないです。…… 日本語ってダサくないっすか(笑)? そもそも、音楽のフォーマットに沿って曲をつくれてないヤツが多すぎるんですよ。売れてなくてもいいから、そこはちゃんとしろよ! って。
──もう少し噛み砕くと、どういうことでしょう。
下津 : みんな字余りがすごいじゃないですか。安室奈美恵さんはそういうとこが上手いと思う。歌い方でダサい歌詞もよく聴かせる。だから歌唱法の部分と作詞の部分と2個のフィルターをクリアしないとカッコイイ詞にはならないと思ってて。ゆら帝、フィッシュマンズ、ベンジーはうまいんですよね。…… エラそうですけど。
──フィッシュマンズのことは当時から尊敬してるって話してましたよね。いまの話を訊いて、下津さんはずっと変わってないんだなと。
下津 : サボらないんですよ、俺たちは。一般人からしたらサボってるように見えるかもしれへんけど、音楽に対してはクソ真面目なので。同世代のバンドと踊ってばかりの国の違うところは、裏にはっぴいえんどがおるか、おらんかの話やと思うんです。いまだだに、はっぴいえんどってカッコイイじゃないですか。バッファロー・スプリングフィールド臭がすごいっすもん。
──それこそいまは、60年代以降のフォーキーな音楽が再評価されてますよね。
下津 : 自分たちが目指しているところじゃないネオがそこにあるというか。ベルセバとプライマルみたいなもんじゃないですか時代的に言うと。ストーン・ローゼスとモノクローム・セットみたいな。
──根本が違うと。
下津 : そう、根本の話。バンドを結成した理由が違うと思うんですよ。活動する動機が違うというか。いま、売れているような音楽を俺がやるとなったら、めっちゃ嘘をつくことになる。それは自分の人生のルールでは絶対にNGですね。いままでの人生全部に嘘をつくことになるというか。めっちゃハードコア・バンドのヴォーカルみたいなこと言ってません(笑)?
──いやいや、並々ならぬポリシーを感じますよ。
下津 : むっちゃ恥ずかしいっすね。でもポリシーとかないっすよ、マジで。ただのチャラ男っすからね(笑)。俺は世界一ヘラヘラしてるヤツやと思ってるんで。
──それは真面目の裏返しでしょ。きっと曲げられない部分があるんじゃないですか。
下津 : そうっすね。パブリックとかでけへんでもええから、ステージの上では誰よりもカッコよくいるとか、そういうのはポリシーかも。
──踊ってばかりの国を聴いている人は、そんな下津さんを受け入れてますよ。
下津 : どこまで理解してるのかわからないですよ。俺の生活を客が見てまうと絶対、炎上の焼け野原になると思う。だから、いい意味で隠れようと思ってますね。
──目立ち過ぎず。
下津 : そうっすね。勘ぐらせる余裕を持たせるというか。そこもポリシーかも。ハチャメチャなことを言ってるけど、ほんまはやることをやってるヤツが1番カッコイイというか。「僕はこういう想いで、こういうことを歌ってるんですよ」みたいなのが俺は表立って言えないんですよね。恥ずかしさが勝っちゃう。

──今日はかなりぶっちゃけてますよね。
下津 : 本当はドレミに乗ってない言葉で歌を説明しちゃうと、歌を詞に乗っける意味がなくなるから喋りたくないんですよね。インタヴューで何を言ってんねん! って話ですけど(笑)。歌の味がブレちゃうことがすごく嫌で。…… 恥ずかしい! こんなこと答えたの初めてですよ。
──そもそも言えないこととか、言いたいことが音楽にあるから歌っているわけで。
下津 : そうっすね。日常会話でこういう話が苦手なんですよ。
──今後はどんなバランスで活動するのが理想ですか?
下津 : 踊ってばかりの国が7、ソロが2、GODが1くらいの割合ですかね。
──やっぱりメインは踊ってばかりの国。
下津 : それをするために東京に来たので。ソロもGODも音楽活動なんですけど、1番やりたいことは踊ってばかりの国。快楽主義者代表としては、踊ってばかりの国の精神をもっと日本に浸透させてたいと思います。
──下津さん自身はそろそろ30代も見えてきましたけど。個人としては今後、どのようなことを考えていますか?
下津 : リアム・ギャラガーはいつまで経ってもアホじゃないですか。ああいう感じでおりたいですけどね。ロック・スターは馬鹿なもんだし、目の前のボケを全部残さずにやっていくもんやでっていうことは後世に残すような生き方はしたいです。なんぼのもんやねん、お前! って感じですよね(笑)。
──だけどそっちの方が夢がありますよ。
下津 : ですよね。MTVをつけた時にストーン・ローゼスがライヴをやっていた感じをいまの世代にも見せれられたら良いな、って心がけてやってます。…… うわー、普段こんなことは絶対に喋らないっすからね(笑)。めっちゃ恥ずかしい…… 酒のみてー!
ご試聴・ご購入はこちらから
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC
【配信価格】
単曲 257円(税込) / まとめ 2,376円(税込)
【まとめ購入特典】
『下津光史歌集』歌詞テキスト(PDF)
【配信ページ】
https://ototoy.jp/_/default/p/90623
【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC
【配信価格】
単曲 257円(税込) / まとめ 2,376円(税込)
【まとめ購入特典】
『DOG』歌詞テキスト(PDF)
【配信ページ】
https://ototoy.jp/_/default/p/90623
関連作品もチェック!!
【過去の特集記事はこちら】
>>踊ってばかりの国 : 1stフル・アルバム リリース記念インタヴュー
>>踊ってばかりの国 : 下津光史(踊ってばかりの国)×有馬和樹(おとぎ話) 対談
>>踊ってばかりの国 : 2ndフル・アルバム リリース記念インタヴュー
>>踊ってばかりの国 : 3rdフル・アルバム リリース記念インタヴュー
>>踊ってばかりの国 : 4thフル・アルバム リリース記念インタヴュー
LIVE INFORMATION
下津光史
〈下津光史 1stフル・アルバム『下津光史歌集』レコ発〉
2018年1月30日(火)@渋谷TSUTAYA O-nest
時間 : Open 19:00 / Start 19:30
出演 : 下津光史(support musician : 濱野夏椰、照沼光星)
GUEST LIVE : 青葉市子
>>more live information
GOD
〈GOD 1stフル・アルバム『DOG』レコ発〉
2018年2月15日(木) @広島CLUB QUATTRO
2018年2月16日(金)@大阪・十三FANDANGO
2018年2月19日(月)@東京・代官山UNIT
詳細は、後日発表予定
>>more live information