【対談】北川敦司(神宿P) × 市川義典(UUUM) ──YouTubeから発進するアイドル・神宿の未来

9月29日、幕張メッセ国際展示場7・8ホールにて5周年記念ワンマン・ライヴの開催を控える原宿発のアイドル・ユニット、神宿。2019年1月にクリエイター・プロダクションのUUUMに加入するなど、アイドルとして活動をしつつも、動画クリエイターとしても活動を続けてきた彼女たち。神宿とOTOTOYのコラボ連載〈神宿 road to success!!!〉の第11回となる今回は、そんな動画クリエイターとしての彼女たちの魅力を引き出すべく、株式会社神宿代表取締役で神宿プロデューサーの北川敦司とUUUM株式会社取締役・市川義典による対談を実施しました。
神宿5周年記念ワンマン、幕張メッセで開催!!
〈神宿5周年記念ワンマンライブ 神が宿る場所〜君が君らしくあればいいのさ〜〉
2019年9月29日(日)@幕張メッセ国際展示場7・8ホール
時間 : OPEN 12:45 / START 13:30
チケット : https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=462396
3枚同時リリースの新曲も配信中です!!
対談 : 北川敦司(神宿P) × 市川義典(UUUM)
いよいよ9月29日の幕張メッセを目前に控え、今回は株式会社神宿代表取締役で神宿プロデューサーの北川敦司とUUUM株式会社取締役・市川義典による対談を実施。次の幕張メッセを成功させるため、これからグループを大きくするためにはメンバーだけでなく、周りの大人がいかにサポートしていくかもカギとなる。何よりも、神宿が徐々に認知されるようになったのもYouTubeでの活躍も大きい。ということで、「UUUMに所属して神宿は何が変わったのか」「これからさらに大きくなるために、どうメディアと向き合っていくのが良いか」を聞きました。
インタヴュー&文 : 真貝聡
写真 : 大橋祐希
「国民的な女性グループを作りたい」と仰っていたので、それは僕も共感できる部分がありました

左から羽島めい(青)、小山ひな(ピンク)、塩見きら(緑)一ノ瀬みか(赤)、羽島みき(黄)
──おふたりの交流はいつから始まったんですか?
北川 敦司(以下、北川) : 市川さんとお会いしたのは昨年の9月末ぐらいですね。まずはUUUM・代表取締役の鎌田和樹さんとお会いして意気投合し、その後に市川さんとお話させていただいたという感じです。
市川 義典(以下、市川) : ちょうど、1年前ぐらいですね。
──神宿がUUUMに所属された経緯っていうのは?
市川 : いままでオリジナル・メンバーで活動していた神宿から、関口なほさんが勇退されることになって。第二章という形で神宿をリスタートしていくにあたり、よりアイドル・グループとして羽ばたいていくときに何が必要かと考えたとき、北川さんは「自分たちのメディアを持って発信していく」ことに可能性を感じていて、その中で「YouTubeを積極的に活用していく」という答えに至ったと。そんな流れから所属していただくことになりました。神宿さんと僕らのノウハウを活かしたら、どういう化学反応が起きるかみたいなところがはじまりですね。
──そもそもUUUMは、どういった経緯で所属が決まるものなんですか。
市川 : オーディションから成長していく方もおりますし、何かきっかけがあってスカウトみたいなことをさせていただくときもあります。あと、徐々に再生回数とか登録者数が増えてきてそのまま専属っていうこともありますし、バラバラですね。
──なるほど。神宿は以前からYouTubeで動画投稿をされてましたけど、UUUMに所属したことで何が変わりましたか。
北川 : 前まではスタッフが外からメンバーを切り取ってYouTubeに動画を投稿していました。つまりメンバー主体ではなかったんですよ。ただUUUMに所属して以降、彼女たち自身が企画を考えて撮影・編集をするようになったのが大きいですね。そういうメンバーのセルフ・プロデュース能力が高くなってきているのが、いままでとの大きな違いです。
──ちなみに動画を作るレクチャーみたいなこともあるのでしょうか。
市川 : そうですね。「どういう編集方法があるのか」「どんなタイミングで投稿すると良い」とか「誤解をうけないために気をつけること」など、動画投稿に関するノウハウはみなさんにお伝えさせていただいてます。
──それは心強いですね。ちなみに市川さんはアイドルにご興味は?
市川 : もともと、僕はアイドルが好きなんですよ。
北川 : 坂道シリーズさんとか。
市川 : そうなんです(笑)。とはいえYouTube発のアイドル・グループというのが、まだそんなに多くない。そんな中で僕らとしてもチャレンジしたいと思ってましたし、もともとアイドル活動をされていて卒業してからインフルエンサーとして活躍されている方はUUUMに何人か所属してまして。そういったクリエイターが個人ではなくグループとして活躍するにはどうすればいいか、というのは我々もチャンレンジしたい領域だったので、神宿さんとご一緒できるのはチャンスだと思いました。
そして、所属後の動画はあからさまにテイストが変わったんですよね。動画の再生数も上がりましたし、具体的には“CONVERSATION FANCY”のMVが約70万回再生に到達しました。僕らとジョインしてすぐに投稿したのが“タフ♡ラブ”のMVで、それが10万ちょっと。その後、YouTubeとしての活動を彼女らなりにモチベーション高く取り組んだ結果、最新曲“グリズリーに襲われたら♡”のMVは39万回再生まで記録しました。これってYouTubeのノウハウとか、彼女たちの意欲や狙いが徐々に世の中と噛み合ってきた結果だと思っているので、この流れをより加速させていきたいなと思いますね。
北川 : 神宿は曲で勝負しているグループでも、ダンスに振り切っているグループでもなく、彼女たちの個性やヴィジュアルが1番の武器なので。UUUMのようにメディア活用のノウハウがある企業と組めたのはすごく良かったと思います。
──実際にYouTubeでメンバー主体の動画投稿を実施したことで、ファンの増加や認知度は変わりましたか。
北川 : だいぶ変わりましたね。いま、我々のYouTube動画の視聴者が男性55%で女性45%くらいのほぼ半々になってきていて。年齢層も18〜24歳までが60%を占めており、YouTubeをはじめて年齢層の変化や女性ファンの増加はかなり感じています。あと、僕らが活動に重きをおいているのがライヴで、そこに新規で来てくれるお客さんは、「YouTubeを観て来ました」と言う方が最も多いですね。いまはライヴのお客さんも男女比が6 : 4くらいになってきていて、それもYouTubeの効果なのかなと。
市川 : それこそ関口なほさんが勇退をしたライヴを会場で拝見したんですけど、あの当時は男性と女性の割合が8 : 2くらいですよね?
北川 : そうですね。そこから徐々に変わってきたと思います。
市川 : それっていままでのファンの方たちがいなくなったわけではなく、新しいファンの方がYouTubeを通して神宿を知るきっかけになって、ライヴまで足を運んでくれる方が増えた証拠だと思っているので。そこの女性比率が高まったことは、ひとつの変化になっているかなと思います。
──女性ファンが増えたのは、発信する情報が女性にも向きはじめたのが大きいですよね。
北川 : そうですね。メイクやヘアセットなど女性ならではの動画や、アイドルならではの動画を配信しているのも大きいのかなと思います。いろんなクリエイターさんがいらっしゃって、どの分野にも専門的な方が存在するんですよね。そこと勝負するよりも、自分たちだからできる動画の方が伸びるのかなと。
──これまで視聴回数が伸びている動画はなんですか。
北川 : 「目隠しして踊ってみた」シリーズは、神宿がアイドルである特性を活かした内容で視聴回数も伸びてますね。一方で「ピザの大食い」のように、その時その時のトレンドをいかに取り入れるかも視聴回数を伸ばす上で効果的かなと思います。
──今後100万回、1000万回とより視聴回数を伸ばすための課題はなんでしょう?
市川 : 1番は楽曲ですよね。「YouTube発信で影響力が最大化できるような楽曲ってどういうものなんだろう?」というのは、北川さんを含め一緒に話している課題ですね。それは神宿っぽい曲が良いのか? いままでのジャンルから外れた曲が良いのか? そこはファンの方たちの気持ちを尊重しつつ考えることが大事なのかなと。YouTubeならではの曲とMVを作りたいというのが、僕のいまの思いですね。
北川 : 実際、いまメンバーと幕張のセットリストを考えているときに「もっと幅広い層にアプローチできる曲が欲しい」というのは思ってますね。もう少し、アイドル性が強い曲よりも、世間一般的に良い曲だと感じてもらえる楽曲が欲しいと。
市川 : 僕はいろんな企業さんのプロモーション案件を提案・実施させていただくことがありますけど。YouTubeもそうですし、InstagramとかTikTokもそうだと思うんですけど、そのプラットフォームに合わせたコンテンツで物と人とお金が動く印象なので。そう考えると彼女たちの等身大を世の中の方たちに伝える上で必要なのは、「共感」というワードだと思うんです。いまのファンの方も、これからファンになっていただけそうな方にも共感していただけるようなMVもしくは新しい企画を重要視して、YouTubeで発信できたら良いなと思いますね。
北川 : そうですね。
市川 : 先ほども触れた通り、北川さんがUUUMと握手をしたのは、いままでと違う何かを出したいからだと。いま活躍されているアイドルの方たちがスターダムに駆け上がっていく活動と、僕らがジョインして活躍していく時のロードマップって結構違うと思うんですよ。それが何を意味するのかといったら、いままでになかった全く新しいグループの形になるということ。北川さんとはじめてお話ししたときに「国民的な女性グループを作りたい」と仰っていたので、それは僕も共感できる部分がありました。
「この人たちが泣いて笑う瞬間が見たい」と思ったんです
──近年、テレビで活躍するタレント・お笑い芸人がYouTubeで活躍することが増えてますよね。そこでおもしろいなと思ったのが、帯番組を担当していたタレントでもYouTubeの世界に入ったら、一般人からのし上ってきたクリエイターよりも視聴回数が劣っていることで。つまりテレビとYouTubeで視聴者の乖離があると。そういった現状で、これから神宿がYouTubeでトップ・クリエイターになるのは、どうすれば良いと思いますか。
北川 : まずは女性のグループとして、しっかりと存在感を示していくことが必要になると思います。神宿の場合は、YouTube上での視聴回数や収益を得ることよりも、YouTubeを通して彼女たちの魅力を知ってもらい、ライヴに来てくださるお客さんを1人でも多く増やしたいという狙いがあります。そのための手段としてYouTubeを活用しているイメージです。
市川 : 決してYouTubeとかテレビにとらわれているわけじゃないですよね。あくまでグループの魅力を発信する上で、北川さんが効果的だと思われたのがYouTubeなのであって。目的はファンを増やすこと。いまは多種多様な世の中になったので「テレビも出るし、ラジオも出るし、YouTubeもやる」ということだと思います。
北川 : そうですね。
──ここまでお話を聞いて、率直に両者の理解が深いなと思いました。
北川 : 普段から市川さんとは腹を割って話してますね。だからこそ、僕の要望に困っていることもあると思いますけど(笑)。
市川 : アハハハハ! いやいや。
──ちなみに市川さんから見て、北川さんはどういう印象ですか。
市川 : 北川さんは何も後ろ盾がない状態から、自ら行動してグループをここまで持ってこれた時点で、すごいと思っているんですよ。ゼロから作り上げたからこそ、僕には見えない深い絆が北川さんと彼女たちとの間にはあって。その様子を見ながら「この人たちが泣いて笑う瞬間が見たい」と思ったんです。なので、売れるために神宿をいかに最短距離で進めれば良いのかを北川さんとよくお話ししてますね。
いまのご時世、ルックスがキレイなだけでも人気がでるわけではないでしょうし、喋りが上手ければ人気がでるわけでもないと思っていて。じゃあ何が必要かと考えたら、先ほどお話しした「共感」だと思うんですよね。だからこそ人々は応援したくなる。そういう女性グループを作れたら良いなと思っているので、そういう志で一緒にお仕事をさせていただいてますね。
──まさに神宿は「応援したくなる」要素が強いグループだと思っていて。何より動画を観ていて、5人が仲良い様子が伝わってきて微笑ましいなと。
市川 : そうですよね。
──メンバーそれぞれにインタヴューをしていても、「楽しいことはなんですか?」と聞いたらYouTubeの話になるんですよね。企画を考えるのが楽しいと。
北川 : UUUMに所属してYouTubeの活動を本格的にはじめる前までは、ライヴの演出を含め、大人が決めたことを彼女たちがお客さんに伝えていくという形だったんですよ。つまりプロデューサーがいて、メンバーが体現するという流れ。でも最近は彼女たちでセルフ・プロデュースして、そのアイデアを遂行できるように大人が動いてアシストする方向にシフトして行ったんです。それが彼女たちの個性だったり、自主性を伸ばしていっているのかなと思います。いまは彼女たちが自分たちで考えて、トライ&エラーをすることにより成長できるような形になっているのかなと。
これからは自分が引っ張っていくのではなく、彼女たちを支えていきたい
市川 : ちなみにメンバーたちはミュージカルとか舞台とか、それこそ東京ドームで誰かのライヴとかを観たことあるんですか。
北川 : 最近は横浜アリーナで欅坂46さんのライヴを観に行ったメンバーもいましたし、〈サマーソニック〉を観に行ったメンバーもいますね。いままでは大人が連れて行って「勉強しなさい」と観させていたんです。そうすると、どうしても受け身になってしまって「すごいですね」で終わってたんですけど、いまは自分たちで選んで観に行くようになっています。
市川 : ライヴの話をすると、先日とある女性グループのライヴを観たんですけど、本当に感動したんですよ。本人たちのパフォーマンスだけじゃなくて、映像を含めた演出が圧巻で。いまのお話しを聞きながら、自分たちだけで取り組むことも大事ですけど、大人を動かす術も覚えたらより強力になると思いました。
──たしかに、ライヴにおいて映像演出の力は大きいと思いますね。
市川 : 時代の流れかもしれないですよね。先ほどから「共感」が大事だという話をしてますけど、ライヴでは「一体感」が大事だと思ってて。はじめて観に行ったアーティストのライヴで一体感を味わえた人って、終演後は確実にそのアーティストの音楽を聴き返したり、MVを観ると思うんですよね。まさに僕自身がそうなので。
その一体感をいかに出せるかが肝になってくると思いますし、だからこそYouTubeが必要なんじゃないかなと。ライヴでは見えない彼女たちの笑顔とか話し方とか、そういうものを伝えるのがいままではテレビだったと思いますけど。それが自分たちでも気軽に発信できるようになったので、そこは1つ彼女たちの武器としてあると思うので、そこを磨いていけばまた違う景色になるんじゃないかなと思いますね。
──幕張メッセ以降は、より神宿の親しみやすさは武器になりそうですね。「あんな大きなステージに立った5人って、裏側はこんなに自然体で素朴なんだ」と。
北川 : ステージ上でのパフォーマンスと日常とのギャップはすごくあると思うので、そこも良い形で広まっていけば良いと思いますね。
市川 : ライヴ後はいつも汗ビシャビシャですよね。
北川 : 意外と泥臭いんですよ。
市川 : アハハハハ。そういう一生懸命さってファンはうれしいですよ。
──見せ方の話で言えば、アイドルの在り方は時代とともに変わりましたよね。
市川 : そうですね。そもそもは自分の求めている理想の偶像みたいなものが「アイドル」と呼ばれていたと思うんですけど、いまは違うじゃないですか。その人が好きとか、共感できるとか、その距離感ってすごく近くなってきている。ソーシャルプラットフォームが発達したことによって難しい時代になってきたと思うんですけど、下手な嘘はついた方が悪というか。それなら作らずに発信した方が多くの方が「イイね」をつけてくれるので、あんまり自分を良く見せようとか、いつも以上に良い子になろうと思う人の方が受け入れられるのは難しいと思いますね。そういう世の中だと思います。
北川 : それはすごく思いますね。いままでは作られたアイドル像が当たり前だったのですが、ありのままのライフスタイルを見せた方が応援してくださる方が増える気がしてします。
──神宿はありのままを見せても、全く問題ないというか。だからこそ北川さんは、セルフ・プロデュースを任せていると思います。
北川 : 逆に、いままでは言葉遣いから箸の持ち方、食べ方、特典会でのペンの持ち方とか細かく教育してきたんですよね。ただ、ここからは親離れ子離れじゃないですけど、彼女たちがどう結果を出していくかというフェーズにいると思います。僕らは5人の意見を尊重しつつ、その夢を実現させていく。UUUMという強力なパートナーもいますし、これからは自分が引っ張っていくのではなく、彼女たちを支えていきたいと思っています。
編集 : 鈴木雄希
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これまでの《神宿 road to success!!!》も振り返り!
LIVE SCHEDULE
〈神宿5周年記念ワンマンライブ 神が宿る場所〜君が君らしくあればいいのさ〜〉
2019年9月29日(日)@幕張メッセ国際展示場7・8ホール
時間 : OPEN 12:45 / START 13:30
チケット : https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=462396
PROFILE
神宿(かみやど)

2014年9月結成。原宿発のアイドル・ユニット。UUUM所属。メンバーは一ノ瀬みか(赤)、羽島めい(青)、羽島みき(黄)、小山ひな(ピンク)、塩見きら(緑)。グループ名の「神宿」は「神宮前」と「原宿」を合わせたもの。神宿(KMYD)の頭文字 K=KAWAII(可愛い!) M=MAX(全力!) Y=YELL(応援!) D=DREAM(夢!)を届けるために原宿を拠点に活動している。2019年1月に緑担当・関口なほが勇退。4月29日、東京・豊洲PITにて開催された神宿のワンマン・ライヴにて、新メンバーの塩見きらが加入した。
【公式HP】
https://kmyd.targma.jp
【公式ツイッター】
https://twitter.com/kamiyado0907
【神宿YouTubeチャンネル】
https://t.co/85tty8kxWC?amp=1