4人それぞれのいいところが聴ける曲になっています
ユッコ:アルバム最後の“日付変更線”は、曲を作る上で何かイメージみたいなものがあったんですか?
M:5曲書くっていうことで、1曲ずつ作っていったんですけど、これは5曲目に書いてみたんです。“Dragon Funk”から曲を書いていって、「こんなのもいいんじゃないですか」って、脳内ChatGPTが言ったんです(笑)。
ユッコ:なるほど(笑)。それまでの曲と全然違う感じですもんね。私も、“Emotional”を作ったときに、「H ZETTRIOさんとこういう曲をパワフルに演奏したいなみたいな」っていう感じで、私の中のChatGPTに「Emotional / H ZETTRIO / ユッコ・ミラー」って訊いたらこういう曲になりました(笑)。
――本当にそれで曲を作る人が出て来そうで怖いですけど(笑)。“All Set (Funky)”はどんなイメージで書いた曲でしょうか。
M:これはソウルとかブルースとか、そういった古い感じがちょっとやってみたいなと思いました。こうするとカッコよくなりそうだなみたいなところを進めていった感じですかね。
KOU:ブルース・ブラザーズとかね。
NIRE:確かに、ブルース・ブラザーズのバンドとかが弾いてそうな雰囲気はありますよね。
ユッコ:他の曲と比べるとブルースっぽいカッコよさがあるなって思いました。こういう感じの曲は、普段はあんまりやらないので、めっちゃ新鮮で楽しかったです。
――2組のどちら側のカラーでもなくて、コラボならではの曲ですよね。一方で “Strong Point” は、文字通り全員のストロング・ポイントをイメージした曲ですか。
M:この曲に限らずですけど、やっぱり得意分野というのは各々あると思うんですけど、4人それぞれのいいところが聴きたいなと思って作曲・アレンジしました。


ユッコ:個人的には、この曲が一番難しかったです。最初のキメのところはスムーズに聴こえると思うんですけど、半拍で始まるんですよ。そこに入るのがすごく難しくて、「おっとっと」ってなりそうになる感じでしたけど、何とか頑張って練習してレコーディングできました。
――せっかくなので、ユッコさんからこの機会にH ZETTRIOのみなさんに訊きたいことがあればどうぞ。
ユッコ:みなさんすごくお忙しいじゃないですか?「そのパワーとか元気の源って何なんですか?」って、先日Mさんにお訊きしたら、「スイーツ」っておっしゃっていたんですよ。なので、NIREさんとKOUさんにもパワーの源を教えてもらいたいです。
KOU:(即答で)とんかつ定食ですかね。
一同:(笑)。
NIRE:ジョギングですね。ジョギングが趣味で朝だいたい走るんですけど、「ヤバいな、俺は朝7時から疲れてるけど1日乗り越えられるのか?」って、余分なエクストラモードみたいになるんですけど、案外全然大丈夫なんですよね。そういう追い込む系のやり方をしています。
ユッコ:すごい。ちょっと全部試してみます。スイーツとジョギングと、とんかつ定食。
――来年、2025年にこの4人でライヴを予定してるそうですね。
ユッコ:最初にこのアルバムのことを発表したのが、H ZETTRIOさんのオールスタンディングライブ(10月5日(土)横浜ベイホール)にサプライズゲストで出演させていただいたときで、一緒にアルバムから2曲演奏させていただいたんです(“危険なアリバイ”と“Dragon Funk”)。そのときにめちゃくちゃ盛り上がって、その熱量にすごく圧倒されたんです。まだ詳細は決まっていないんですけど、そういう感じのライヴにしたいなって思います。
M:個人的な話ですけども、ライヴで汗をかきすぎるとすっぴんになるんですよ。私はそれが恐怖というか、「鼻が肌色だ!」みたいな。ライヴではそれを非常に危惧しています(笑)。アルバムについては、本当に良いものができたのではないかと思いますので、聴いていただきたいという一心ですね。
NIRE:アルバムはみなさんに聴いて楽しんでもらえるようなものになったんじゃないかと思いますので、是非聴いてみてください。ライヴではアルバムの曲を全部やるんじゃないでしょうか。先日自分たちのライヴにユッコさんにゲストで出ていただいたときもすごく盛り上がったので、とても楽しみです。
KOU:アルバムは書き下ろしっていう形で、自分でもずっと聴いていきたい作品ができたなって思いますし、ユッコさんがゲストで来てくれたときに2曲だけやりましたけど、本当にすごい熱量だったので、これが4人だけでやるライヴになったらどうなるか、本当にワクワクして楽しみです。

2組の音楽性の“LINK”を見ることができる一枚
編集 : 西田健、菅家拓真
ユッコ・ミラー ディスコグラフィ
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PROFILE:ユッコ・ミラー
サックス奏者。自身のライブ活動のほかテレビや雑誌に露出するなど多方面で活躍中。ピンクヘアーがトレードマークの奇抜なルックスと、実力派としての卓越したサックス・プレイとのギャップが魅力である。三重県伊勢市出身。3歳でピアノを始め、高校入学後に吹奏楽部に入りアルトサックスを始める。在学中よりパリやウィーンなどでの海外演奏を経験し、また数々のコンテストでグランプリを受賞。プロデビューして以降、国内はもとより韓国やマレーシアでのジャズフェスに出演、またキャンディー・ダルファーの来日公演やグレン・ミラー・オーケストラのジャパン・ツアーにゲスト出演するなどし、国際的にも活躍の場を広げている。2016年にCDデビュー。以来ほぼ毎年コンスタントにアルバムをリリースし、演奏面だけでなくバラエティに富んだ作曲能力も高く評価されている。また世にも珍しい“サックスYouTuber”としても活躍中。チャンネル登録者数は約22万人(2024年9月現在)。なかでも人気の「『名探偵コナン メインテーマ』サックスで吹いてみた」動画は約1300万回再生されている。
【公式HP】http://yuccosax.com/
【公式X】https://x.com/yuccomiller
【公式Instagram】https://instagram.com/yucco_sax
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PROFILE:H ZETTRIO
大人も子供も“笑って踊れる”をテーマに掲げるピアノトリオ・バンド。H ZETT M(ピアノ/青鼻)のユーモラスでありながら“無重力奏法”とも形容される誰にも真似の出来ないテクニカルなピアノと、H ZETT NIRE(ベース/赤鼻)、H ZETT KOU(ドラム/銀鼻)が支えるキレのあるリズムセクションを武器に、唯一無二のアンサンブルを響かせている。2014年に、スイスで開催されている世界3大ジャズ・フェスティバルの一つ「モントルー・ジャズ・フェスティバル」へ出演したのをきっかけに活動を本格化させる。以来、国内外の大型音楽フェスに多数出演。2016年、リオデジャネイロ五輪閉会式での東京五輪への引継ぎ式において楽曲「Neo Japanesque」「Get Happy! 」が使用され大きな話題となった。そのほか映画、テレビ番組、CM等に楽曲が多数起用されている。2019年からは毎月1曲ずつ新曲をリリースしており、2023年12月60作目となる「Dynamics」で「単一音楽ユニットによるデジタルシングル連続リリース月最多数」というギネス世界記録™を達成し、現在も継続中。2024年6月には9thアルバム「Dynamics」をリリースした。
【公式HP】https://worldapart.co.jp/hzettrio/
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