INTERVIEW : Rain Tree

Rain Treeの取材前に、彼女たちのドキュメンタリー「Documentary of another IDOL3.0」を見た。そこにはWHITE SCORPION がデビューするその裏で、様々な思いを抱きながら葛藤するメンバーの姿がそこにあった。Rain Treeは、今年デビューしたばかりだが、そのポテンシャルは図り知れないものがあると思う。なぜなら、彼女たちの目はいまもなお、輝き続けているからだ。
インタヴュー・文:ニシダケン
写真:星野耕作
「デビューしたい」という、ひとつの目標を再確認できた
──Rain Treeは、2023年4月から始まった“IDOL3.0PROJECT オーディション”の最終審査に残った候補者で結成されたガールズグループなんですよね。FINALISTとして1年間活動した後、今年1月にデビューを果たしたわけですが、それまでの道のりはどういう心境でしたか?
遠藤莉乃(以下、遠藤):長かったですね。自分でもこれからどうなるんだろう、と思いながら過ごしていた期間でした。
佐藤莉華(以下、佐藤):“IDOL3.0PROJECT オーディション”を受けた時、私は21歳で「アイドルのオーディションを受けるのはもう最後だな」という気持ちで受けたんです。でも最終選考で落ちてしまったので、「もうこの道はないんだな」って思いました。いまはRain Treeとして活動できて嬉しいですけど、当時はショックな気持ちが大きかったですね。
新野楓果(以下、新野):私はFINALISTとして活動してきた1年間は、苦しい時期でした。「いつデビューできるんだろう」って毎日思っていました。私は元々社会人として働きながらオーディションを受けたんですけど、会社を辞めてここの活動に専念することにしたんです。なかなかデビューができなかったので、自分が思い描いていたように活動できない期間が長かったから、そこがすごく辛かったですね。



──皆さん大変な気持ちで活動されてたと思うんですけど、希望を失わなかったのはなぜなんでしょう?
鈴野みお(以下、鈴野):私はファンがいらっしゃったことが大きいですね。SNSで「頑張るね」みたいな投稿すると「偉い! ずっと応援してるよ」って、いつもコメントをしてくださる方がいらっしゃったんです。先が見えなくても、まだまだ頑張ろうと思えました。
吉川海未(以下、吉川):やっぱり同じ経験をした仲間たちの存在がありがたかったですね。悔しい思いをバネに「みんなで頑張ろう」って話し合ったり、みんなで過ごす時間が長くなるうちに、絆がすごく増えてきました。だからこそ頑張れたんだと思います。
──結束が深まったきっかけはありますか?
新野:WHITE SCORPIONのワンマンライブに、FINALISTとして出演させていただいたときのことです。自分たちのライブが終わったあと、スタッフさんに「悔しさがあまり見えない」という言葉をいただいて、そこでもうみんなが「わーっ」て泣いてしまったんです。だからメンバーみんなで話し合って、スタッフさんのところまで行って、正直な気持ちをしっかりと口に出して伝えたんです。もう言ったからには、自分たちも頑張らなきゃっていうふうに思いました。そしてそのときより一層、みんなの気持ちが高まったし、「デビューしたい」という、ひとつの目標を再確認できたと思います。
──Rain Treeは、歌・ダンス・自己表現の3つを運営・各専門スタッフによって審査する「セレクションシステム」によって、表題曲を歌うメンバーが決まっています。デビューしたあとも、なかなか過酷な道のりを歩んでいらっしゃいますよね。
遠藤:セレクション制度がRain Treeにあるって聞いたときは、すごくびっくりしたんです。でも私はやるからにはやっぱり選ばれたいっていう気持ちがすごくありました。まず自分が誰よりも頑張るぞっていう気持ちじゃないと叶えられない。前向きな気持ちで挑もうって頑張っていました。やっぱり自分と向き合うので、自分のダメなところとか、いいところもちろん見つかるときもあるんですけど、先生からのアドバイスをもらって壁にぶち当たる瞬間は何回もあったので、とにかく頑張らないとなっていう気持ちでやっていました。


──セレクションのなかで、印象的だったこととかありますか。
朝宮日向(以下、朝宮):セレクションのレッスン中に、先生に「1回落ちてるのにまた集められたってことは、相当すごい子たちがいるんだろうなって期待されてるんだよ!」という言葉をいただいたんです。そのとき、このままだとアイドルとしてダメダメだなって思って、その言葉がすごく刺さりました。
綾瀬ことり(以下、綾瀬):私は先生に「歌が好きなのがすごく伝わる」って言っていただけたことが、すごく嬉しかったです。セレクションの期間は、自分に向き合うことが多かったので、理想の歌い方を見つけたりできるありがたい期間だなと思いました。

