全人類が聴いてもハッとする歌詞
──続いての“すかいふりー!”はASPARAGUSが手がけた、ゴリゴリのスカ・チューンですね。
甘夏:バンもん!には、スカの要素がある曲はあったんですけど、ちゃんとスカっぽい曲が今までになかったんですよね。だからすごく楽しかったです。
鈴姫:ホーン隊とかも華やかなんですよ。渡邊忍さん節が炸裂した、Aメロのコード進行もすごくおしゃれ。
──作詞は、みさこさんとゆずさんが担当しています。
甘夏:歌詞は「冬の花」をテーマに書きました。冬ってバッド入っちゃうことが多いけど、そういう人たちが自分と重ねて「これからいつ花が咲くかわからないけど、頑張ろう」って思えるような歌詞を書きました。
鈴姫:寒さを耐えないと咲くことができないお花ってあるじゃないですか。でもそういうお花って、その代わりにいちばん最初に春を呼べる花だと思うんです。
甘夏:「耐えて耐えて咲いたときはすごく綺麗だよね」というイメージです。ぽん(甘夏)は学生の頃からASPARAGUSさんの曲を聴いていたんです。この曲も忍さん節がメロディーとか方伝わってくるのがわかるので、ASPARAGUSさんファンの方も好きだと思います。
──そして続いては“ぬこぬこ♡なでにゃん♡ETERNAL♡”。
大桃子:バンもん!史上いちばん「♡」が多い気がする。清竜人さんに作っていただいた“あの子の前ではこんなに優しい顔はしないでいてね♡”を更新した。
望月:タイトルだけでも♡3つついてるよ(笑)。


──楽曲制作はIOSYSさん、作詞は恋汐さんが担当しています。
恋汐:しおがこの曲のプロデュースをを任されたときに、強くてかわいい曲にしようと思ったんです。しおのソロ曲の“クッキンアイドルりん♡りん♡汐りんのテーマ”っていう曲があって、そこでお世話になったIOSYSのD.wattさんに「バンもん!みんなで歌える、目の前の君を肯定する曲を作りたい」ってお話しして一緒に曲を作りました。
──セリフもたくさん入っていますよね。
恋汐:「このメンバーだったらこう言うかな」って提案して、それぞれのキャラクターを100倍誇張したようなセリフを考えました(笑)。ギャルゲーの主人公が「いろんなタイプの女の子がいるから選べないー! 」みたいなハーレム状態をイメージしています。例えば、ポンちゃんとかはバカ明るい女の子です。
甘夏:「もっとアホっぽく言ってほしい」って100万回言われた(笑)。
望月:1人1人にキャラ設定があったんですよ。レコーディング前に、「みゆちぃは幼馴染の設定です」って言われて(笑)。
恋汐:そうそう。みゆちぃは幼馴染で隣のお家に住んでるんだけど、窓が近くていつの間にか同じ部屋にいるイメージ(笑)。そういう設定を色々考えてみんなにやってもらいました。
望月:レコーディングもおもしろかったよね。
恋汐:ミニアルバムのテーマが「肯定」だったから、「君の心をなでなでする曲を作りたい」って思ってたんです。それで調べていたら、「なでなでねこちゃん」という商品(猫のぬいぐるみの形をした、コミュニケーション型ロボット)があることを知ったんですよ。本物の猫ちゃんは飼えないけど、セラピー的な効果があるおもちゃらしくて。それをイメージして作りました。大人になるとなでなでされる機会ってあんまりないと思うんですけど、これは聴くタイプの君だけのお薬なんです。つらまるになったときもこれを聴いて、6種類のなでにゃんたちにあやされてほしいです。
望月:電車で聴いて、人知れずなでなでされてもいいんですよ。耳から癒されてください(笑)。
大桃子:この曲も攻めてる感じだし、DJで流したいです。
鈴姫:しおとか私はラジオをよく聞くんですけど、これがラジオでかかっていたら、「なんだこの曲は!? 」って1回検索すると思う。
恋汐:このインタビューを読んだラジオ・リスナーの方は、是非ご贔屓にしているラジオにリクエストを送っていただければ。
大桃子:それこそ猫好きのラジオとかね。
恋汐:「今週のネコちゃんニュース」のコーナーがあるから、「ハライチのターン! 」(TBSラジオ)とかいいかもね。


──そして最後は、現在回っているツアーのテーマ曲“今がナウジャストモーメント学園校歌”ですね。
鈴姫:ツアーのテーマ曲を作りたいという話があって、どういう曲にしようか考えていたんです。そんなときにカラオケイベントをやって、Kiroroさんの曲を歌ったんですけど、こういうちょっと裏声混じりが歌える曲があったら感動しそうだよねと言う話になって。それでこの曲が出来ました。
──冒頭がKiroroさんのイメージ?
鈴姫:そうです。ピアノ伴奏と合唱っぽい歌い方で、ファンの人も一緒に歌えるようなものがいいかなと。何が始まったんだってザワザワするし(笑)。あとこの曲の歌詞を考えているとき、『チ。-地球の運動について-』にハマっていて。それを読み切ったときにサビの歌詞が浮かんだんですよ。敵味方いなくて、みんな同じ時代を作ってる同級生だなって。大人になればなるほど、大人って意外と子供だなって思うので。学び続ける生き物として書きました。
望月:いくつになっても、「愛が何かを勉強しよう」って歌えるからね、人間って。だから全人類が聴いてもハッとする歌詞だと思うんですよ。
甘夏:この曲は、最初の部分を6人だけで声を合わせて歌うだけで泣きそうになるんですよ。ファイナルでは号泣して歌えなくなる気がする。でも、みんなで声をひとつにして歌う校歌を聴いてみたいです。
鈴姫:これはよくやるやり口なんだけど、歌詞に「!」が7つあって、それはバンもん!メンバー+あなたという意味なんだよね。
──やり口(笑)。「Now just get together!!!!!!!」の部分ですね。
鈴姫:本当は「今がナウジャストモーメント」って全部意味がわからないんですけどね(笑)。それを少しわかりやすい感じで「Now just get together!!!!!!!」にしました。
大桃子:確かに「ナウ」も「ジャスト」も「モーメント」も全部「今」だもんね(笑)。
甘夏:これ「今、今、今、今! 」って意味なんだ。すごい。
──「シャー芯食ってた ヤ ノヾ ボンドもいってた ヤ ノヾ」という歌詞のインパクトがすごいです。「ヤ ノヾ」の表記もおもしろいですね。
鈴姫:これはギャル文字です。これよく聴くと、しおだけ「はわ」って言ってるんです(笑)。
恋汐:聴き分けてほしまる。
甘夏:あと、ここの歌詞を歌っているのが、「シャー芯」がみさこで、「ボンド」がぽんなんですけど、どっちも実話で(笑)。
──え? 「シャー芯」とか「ボンド」を食べてたんですか!?
鈴姫:はい…。でもまだ好みがちょっと変わっていなくて、チョコチップとか好きです。
望月:「シャー芯」と「チョコチップ」って、同じジャンルだったんだ。
──実話であってほしくなかったです(笑)。
恋汐:たちかに(笑)。
大桃子:あと、みゆちぃとみさこが作った振り付けも参加しやすいので、ライヴで踊ってみてほしい。
──振り付けはどう作ったんですか?
鈴姫:振りを考えるときに、お客さんがどう盛り上がるかってわかるからこそ、みゆちぃのセンスや経験を信頼して、指名したんです。
望月:みさこの要望を汲んだ上で、ありったけの引き出しを開けました。でもずっと爆笑しながら作ってて。いかに変な動きを入れられるかとかばっかり考えていたね。
鈴姫:ちょっとダサい動きとかね。この曲はキャラクター性を出せるように余力を残すようにしていて。自由度の高いパートもあるんですよ。
望月:ペアダンスも多めにしてるし、お客さんからしても、メンバーが楽しそうにしてると嬉しいかなと思いました。
鈴姫:落ちサビパートは、キャンプファイヤーのマイムマイムみたいなことをしたいなと思って、みんな内側を向いています。ゆくゆくはお客さんもみんな内側を向いてそれぞれのキャンプファイヤーができたらいいなと思います。だからライヴでも楽しみですね。
望月:ツアーのテーマ曲なので毎回披露するんですけど、ある日みさこから夜中に連絡がきて、「すごい! この曲、笑顔でしか踊れない」って来たんです。よかったら一緒にツアーで踊ってほしいです。
鈴姫:この曲、絶対憂鬱な気分で踊れないんですよ。踊ってるとだんだん元気が出てくる。
甘夏:“マツケンサンバⅡ”みたいだね(笑)。

