INTERVIEW イケブクロ・ディビジョン: 石谷春貴(山田二郎役)& 天﨑滉平(山田三郎役)

ヒプマイのなかでも、かなりファミリー感のあるイケブクロ・ディビジョン。今回の映画でもそのチームワークは遺憾無く発揮されていて、3兄弟ならではのやりとりも見どころのひとつである。また、Second Stageで披露される楽曲“Three Kings”は、3人の“絶対王者感”を感じさせる、超弩級のヒップホップ・チューンに仕上がっている。ぜひ、劇場でその姿を体感してほしい。
インタヴュー&文 : ニシダケン
写真 : 宇佐美亮
一度で三度おいしいくらいの映画
──今回の映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』は、日本初の観客参加型のインタラクティブ映画になっています。そのことについてはじめて聞いたときは、どのように感じましたか?
石谷春貴(以下、石谷):「ん? どういうこと?」って思いました。でもこういう新しい試みをするのはヒプマイっぽいなと思いました。ゲームの「ルート分岐」みたいなイメージを持ってもらったらわかりやすいかもしれないですね。
天﨑滉平(以下、天﨑):映画館でスマホを出す機会はありませんし慣れないこともあるかもしれないですが、体験すればきっと楽しいと思います。


──映画をご覧になられた感想はいかがでしたか?
石谷:僕はイケブクロの勝利パターンは知っているので、試写に参加させていただいたときのFirst Stageはナゴヤに投票したんですよ。そしたら、その回はそのままナゴヤが優勝しました。やっぱり自分が投票したところが勝つと嬉しいですね。
天﨑:今回はストーリーも音楽の部分も、そして映像もすごいんですよ。一度で三度おいしいくらいの映画になっていると思いました。3DCGがヌルヌル動くので、キャラクターの表情ひとつとっても、言葉やリリックに合わせた口の動きまで、すごく精密なんです。もう実際にそこにキャラクター達が居るかのように錯覚してしまうような映像になっていました。ヒプノシススピーカーも、今までのアニメとは違う角度で観れたりして、「こういう風になってるんだ」「こんなエフェクトがつくんだ」というような発見もあり、そこも見どころですね。
石谷:「これ、ヒプマイが本当に好きなスタッフさんが関わってるんだろうな」と思うような細かいこだわりが随所にあるんです。例えば、髪の毛がふわっと動く演出や、バトルのシーンでの細かな動きもすごい。僕たちは声優として、基本的に最後の仕上げをする立場ですが、今回は逆の工程を体験するような感動がありました。よく「役に命を吹き込む」と言われますが、それ以上にキャラクターに外側から装飾をつけてもらっているような感覚でした。とても感動したポイントなので、ぜひ三兄弟の表情も楽しんでもらえたら嬉しいです。


──収録時のエピソードを教えてください。
天﨑:今回、全上映パターンが48通りもあるので、普段のアフレコのようにストーリーの流れをそのまま追うというより、パターンを録っていくというかたちでした。勝ったシーンのあとに、負けたシーンを録ったりと、気持ちの切り替えも大変でしたね。
石谷:結構混乱しながら録ったんですけど、今回の完成品を観て、ピースがようやくはまったような感覚ですね。
天﨑:楽曲のレコーディングもたくさんさせていただきました。
石谷:そうそう。実は2年前くらいから仕込みはしていたんですよ。だから色んなセクションの方々がこうやって作り上げてくれた物が今、形になっているんだと思うと感慨深いですね。僕たちも和気あいあいと、いつも通りにアフレコをやりつつ、今回は「ファイナルディビジョン・ラップバトル」と銘打ってるので、これまでの全部を出せるようにという気持ちで作品に向き合っていました。