もうすっぴんで街を歩けなくなりました
──”TikTokで話題になった”というのが、みなさんがちゃんゆ胃さんを知るようになった大きなきっかけのひとつだと思うんですけど、TikTokに動画を投稿したきっかけはどういうところだったんでしょう?
ちゃんゆ胃:自粛期間中に学校もなくて暇だったんで、2020年の4月から6月の頭ぐらいまでInstagramで、KEYTALKやあいみょんさん、そして、瑛人さんの”香水”のカヴァーを毎日投稿をしていたんです。他のアーティストの人ともコラボしていて、お互いの曲を聴き合って、別々の場所で撮って、くっつけて、一緒に投稿して、みたいなこともしていました。そこで知り合った弾き語りの友達とかがTikTokをはじめていたりして、”TikTokでの弾き語りブーム”みたいなのが来たのを感じて、「あ、自分もあげてみよう」と思って。
──で、そこからTikTokへ?
ちゃんゆ胃:はい。TikTokも最初は結構あげてたんですけど、全然バズらなくて。途中でやめてる時期もありました。
──ご自身で作詞作曲した"Dear.a"がTikTokで合計200万を超えるいいねを獲得して、話題になりましたね。
ちゃんゆ胃:自粛期間中に友達に「自分の曲を作ってほしい」って言われて、それでサビだけ作ってTikTokにあげたら突然バズったっていう感じです。本当にびっくりしました。それまでは、いいねの数も10とか20とか。フォロワーも100人前後だったんですけど、急にバズったらフォロワーもすごい増えて、「恐ろしいなー」って思いました(笑)。
──(笑)。ちょっと怖さもありましたか?
ちゃんゆ胃:はい。もう数が恐ろしくて。聴いてくれたみなさんが、読みきれないくらいコメントをくださったんですけど、同時に「SNSって恐ろしいなー」っていうのがありました。
──そのあとの反響はどうでした?
ちゃんゆ胃:聴いてくださった方が、友達の誕生日の動画に使ってくれたり、自分の曲に合わせて「普段伝えられないことを動画にして友達に送りました」というDMがすごくきました。ちょうどコロナの時期ということもあって、大学や高校で離れてしまって会えなくなった友達へ動画を作ってプレゼントするみたいなところで共感してくれる人もたくさんいたり。本当に自分の親友に向けて書いただけで、他の人のことを考えずに作った曲だったんで、聴いてくださる人が共感して、友達に送ってくれるなんて嬉しい気持ちでいっぱいです。それと感謝を伝えられる曲になったことがびっくりです。
──”Dear.a"は親友に書いた曲ということですが、どういう思いで書かれたんですか?
ちゃんゆ胃:高校のときにすごい仲良くしてくれた親友へ向けて書いたんです。いまも連絡はとったりするんですけど、やっぱり高校のときみたいに毎日会えないっていうのもあって、「離れててもずっと一緒にいたいな」って気持ちを込めました。
──なるほど。制作はいつ頃されたんでしょう。
ちゃんゆ胃:卒業してお互い大学に行きはじめたぐらいの時です。LINEで連絡をとってていて、そのときに「曲作って」って冗談混じりで言ってくれたんです。
──その曲を書いた友達の反応はどうでした?
ちゃんゆ胃:最初作ったときは、「作ってくれてありがとう」ってすごいびっくりして喜んでくれました。友達もバズるとは思ってなかったらしいですけど。色々な人が動画に使ってくれてるのとか、TikTokでまわってくるたびに、「使われとるよー! おめでとう!」って教えてくれます。

──すごくいい話ですね。ご家族の反応は?
ちゃんゆ胃:大学に通っているのもあって、「両立するのが難しい」とか、「普通に就職して仕事に就いて欲しい」っていうのを言われてた時期があったんですけど、こうやっていろんな人に聴いてもらって、メディアにも出るようになって、宅録用のマイクとか機械を父が全て集めてくれたり、母はInstagramなどのSNSで宣伝してくれたり、協力的になってくれました。
──すごい、家族全員がバックアップしている体制は、まさに音楽一家ですね。バズってからテレビやラジオにも出演されたということで、地元愛媛での反響もありましましたか?
ちゃんゆ胃:3月くらいに地元のテレビのニュース番組にちょっと出してもらったんですけど、それで保育の大学の実習に行ったら、先生方から「テレビ出てたよね?」って言われて。いちばんびっくりしました。街へ行っても「ちゃんゆ胃さんですか?」って、ちょっとだけ言われるようになって、もうすっぴんで街を歩けなくなりました(笑)。