INTERVIEW : 中村ゆりか

昨年シンガーとして音楽活動をスタートした、役者の中村ゆりか。その最大のストロングポイントは、特徴的な歌声にある。時に優しく、時に艶っぽく、その声は聴く者の心を魅了する。彼女がリリースしたデビューEP『Moonlight』には、“恋愛ソングのカリスマ”CHIHIROがプロデュースを手がけた、ポジティヴなメッセージが込められた作品が4曲収録されている。歌手という新たな一歩を踏み出した中村ゆりかは、これからどんな一面を見せてくれるのだろうか。じっくりと話をきいた。
インタヴュー&文 : 西田健
洋楽もK-POPもJ-POPもジャンル問わず聴いています
──音楽活動をやるきっかけとなったのが、2019年にリリースされたCHIHIROさんの「失恋のあと」のMVへの出演だったんですよね?
中村ゆりか(以下、中村) : そうですね。そのときにあるスタッフの方に声を褒めていただいて、「歌に興味ある?」と聞かれたんです。当時はお芝居に専念していたので、いろいろ考えていたんです、コロナの自粛期間中に、ちぃちゃん(CHIHIRO)に相談するなかで、「やってみると世界が変わるかもしれない。やりたいことをやらない方が後悔が残るな」と思うようになりました。いますぐ決断しなくても、徐々にその意思を強く訴えてみようと考えていました。
──4年の間に自分の中での気持ちを高めていったんですね。
中村 : お芝居をやっている人が急に歌をやりだすと、びっくりされるかなと思ってはじめは言いづらかったです。ですが、表現したいことがあれば抑え込む必要はないんじゃないかと考えるようになってから、少し自信がつくようになりました。主張することが不得意で自信もなかった自分が、「ゆりかちゃんの声に励まされた」って言ってもらえることが増えて、良い方向にシフトチェンジできました。
──確かに、音楽活動のイメージがなかったので正直驚きましたよ。
中村 : 自分自身、好奇心はある方だと思うんです。あまりそのように見られないですし、「これやりたい、こうなりたい」と言わないような子だったので、他人の意見に従ってばかりでした。ですので「音楽活動をしたい」と伝えた時は、会社の人や友達にも結構驚かれましたし、親が一番びっくりしていました(笑)。

──音楽活動について、ご家族はどういう反応だったんですか?
中村 : 心配してくれていましたが、私が音楽に触れ、人に届ける音楽活動をすることについて、すごく誇りを持ってくれています。親はカラオケが好きで、ピアノも家にあったので、音楽は身近にあったのですごく喜んでくれました。
──音楽がいつもそばにあるような家庭だったんですね。
中村 : はい。母親は自分が行き詰まったときに、思っていることをあまり言わない性格なんですが、そんなときはピアノを弾いていました。感情のコントロールをする術が、音楽だったのかもしれないですね。音楽があったから常に笑顔でいられるのかもしれないですし、そういう家族に囲まれて、私はすごく恵まれたなと思います。
──中村さん自身は普段、どういう音楽を聴かれるんですか?
中村 : ピンポイントでこれ、というものはないですが、好きな音楽はたくさんあります。普段から「ヒット100」みたいなプレイリストを片っ端から、洋楽もK-POPもJ-POPもジャンル問わず聴いています。
──好き嫌いなく、とりあえず全部浴びるんですね。
中村 : はい。自分の好きな曲って固まるじゃないですか。ですが、知らない音楽も流していると気づかなかった発見もあるので、いろいろな音楽を聴くようになりました。
──ひとつのジャンルに集中して聴く感じではなく。
中村 : あまり固めないですね。「意外とラップも好きかも」と好きな音楽が増えていくことはあります。気づけなかったことに気づくこともありますし…。
