何があっても笑いで終わらしたいというのが簓っぽい
──僕、オオサカ・ディビジョン、どついたれ本舗の最初の楽曲としてリリースされた『あゝオオサカdreamin'night』のラップが本当にすごくて、感動したんですよね。
高校時代からSOUL'd OUTさんが大好きで、カラオケでもよく歌ってたんですよ。そこから、ラップの歌い方は練習してましたね。初のディビジョン曲『あゝオオサカdreamin'night』は、当時キャラクターの情報も限られてる中で、楽曲を提供していただいたCreepy NutsのR-指定さんの仮歌を聴いて、そこに白膠木簓ならではこの飄々とした感じの要素を足していきました。そこからだんだんといまのフロウ(歌い方)ができていった気がします。
──歌っていくうちに、それぞれの楽曲に対する気持ちも変わってくるんですか?
そうですね。レコーディングの時よりもライヴでやる度に、自分のより深いところで楽曲の解釈ができていく感じがしますね。余裕も出てきて、「ここには、もっと詰め込めるな」って進化しているところもあります。その色づけというか遊べる要素が増えてきている感じですね。
──オオサカ・ディビジョンはチームとしても、ライヴの映像とか見ていても、本当に明るくて光属性っぽいなって思うんですよ。
確かに楽曲自体もコミカルでエンターテイメント性抜群なんですよね。パフォーマンスでもそこは大事にしたいとは思っているところではありますね。もちろんお客さんを楽しませたい。ライヴに出るときは、そのキャラクターを背負って、「簓やったら、こうするやろな?」とかそういうことを思ってます。
──なるほど、ライヴの時の人格的なものは、簓になってるんですか?それとも岩崎さん自身なんですか。
場面によりますけど、本当に半々ですね。両方のスイッチが入っているというか。他の人がラップしている時のフレーズに反応したり、ツッコミ入れてみたりとかするけど、絶対決めなきゃいけないときは、かっこよく決める。そういうところは無意識のうちにやっているかもしれないです。
──ヒプノシスマイクは、他のキャストの方との掛け合いもおもしろいですよね。
ナゴヤのみんなと一緒になる機会が多いんで、仲もよくて楽屋では一緒にふざけたりしてますね。ほかにも神宮寺寂雷役の速水(速水奨)さんや同じオオサカ・ディビジョンの黒田(黒田崇矢)さんには、なんかもうお父さんと息子みたいな感覚で接してもらってますね。まあ、僕ももう36歳なんですけどね(笑)。
──6月15日に、ヒプノシスマイクとしての最新アルバム『CROSS A LINE』がリリースされました。まず、1曲目の“CROSS A LINE”は、全ディビジョンのメンバーがマイクリレーで繋ぐ楽曲です。
この曲はほんまに爽やかな曲ですね。朝方まで雨が降っていて、ちょっと晴れてきた午前中とかに聴きたいですね。ひとつ前のフェーズでバトルもあったけど、それが終わってまたここから先へと進む感じというか。その終わりと始まりが、タイトルの通りクロスしたような曲です。
──少年マンガの日常回みたいな感じがありますよね。
そうそう! 全体楽曲ってバチバチとした曲が多いから、こういう曲はおもろいですね。僕は「笑って締めたい」という歌詞を歌わせてもらっているんですけど、最後は何があっても笑いで終わらしたいというのが簓っぽいんですよね。ちょっと今は現実の世界でも大変なことはあるけど、「笑い」ってそんなときこそ大事だし。希望が見える前向きな曲ですね。
