白幡いちほ&郡司英里沙スペシャル対談──ふたりにとって、アイドルってどういう存在?

2022/05/06 19:00

ステージ上では包み隠さずありのままの自分でいました

──おふたりにとって、アイドルとはどういう存在ですか?

白幡 : 私はステージに上がるから輝くんじゃなくて、普段から輝いている人がアイドルだなって思っているんですよね。いつどこで誰が見てるかわからないし、ステージの上だけ取り繕おうと思っても絶対に無理だと思うんですよね。アイドルって、歌って踊ってパフォーマンスするってアスリートだなと私は思うんです。ステージに上がるからキラキラ輝くんじゃなくて、見た目とかメイクやファッションとか、言動とか所作、すべてにおいて普段からアイドルで、それをできる人が本当のアイドルだなって思っています。

郡司 : 本当にそうだと思います。アイドルというお仕事って、ライヴだけ良ければいいっていう話ではないですもんね。

白幡 : いまは、結構SNSで「アイドルです」って言ったらなれちゃうみたいな時代じゃないですか。それは、本来は自称じゃなくて他称であるべきだなと思うので、常にアイドルでいてほしいなと思います。

郡司 : 私は、もともとeggっていう雑誌でモデルをやっていたので、自分とは真反対の世界だと思っていて、最初はアイドルに偏見しかなかったんですよ。でも、いろんな大人の事情があるなかで、方向性が変わっていったり、ある日自分がリーダーという立ち位置になったときに、責任感が生まれました。そこからちょっとずつ意識が変わって。まずはアイドルを知ろうと思って、いろんなアイドルさんのライヴを、自分でお金を払ってちゃんと客席で観るようにしているうちに、好きなアイドルグループさんができたんですね。はじめてアイドルというものを好きになって、ファンの気持ちがわかったというか、本当に感動して泣けたんですよ。アイドルってこんなに素晴らしいものなんだって思って。リスペクトできる存在ができてから、どんどん感覚も変わっていって、音楽って楽しい、歌って踊るのって楽しいっていうふうになりました。ステージに立つこと自体が楽しいって思えるようになってからすべてが変わりました。

──なるほど。

郡司 : もともと、自分に自信がない人間だったんですよ。人に注目されるのも苦手だったし、「フォーメーションなんて端でいいです。なるべく見ないでください」みたいな感じで。けど、それが環境とか自分の考えが変わった瞬間に唯一ステージ上が自信を持てる場所になったんですよ。だから、ファンのみなさんのことも本当に好きだったし、だからアイドルとして大事にしてたものっていうのは、ありのままの自分でいることでしたね。本当にファンの人が好きだったら、ステージ上で「好き」って伝えるし、嫌だなって思ったら「本当にやめてください」って言うし(笑)。

白幡 : 私も曲止めて注意したりよくやってました(笑)。

郡司 : 「ちゃんと聞いてください」って言って、はじめたりとか(笑)。本当に客席って危険なんですよ。一時期「男は女を守ってね」って言ったら、男の人が女性専用エリアの線に沿って盾を作ってるっていうのがあったりとか。

白幡 : お客さんがスタッフみたいになってる(笑)。ずっと付いてきてくれている人は、「それが良い」って言ってくれる人ですよね。

郡司 : ステージ上では包み隠さずありのままの自分でいましたね。そういうのを経て、ライヴって自分たちだけじゃなくてファンの人と一緒に作るものなんだなっていうのを感じて、それが楽しかったです。

──5月8日に開催されるIZANAGIのデビューライヴにはSAIGO NO BANSANも出演されます。どんなライヴになりそうですか?

白幡 : 即戦力を取ったとは言いつつも、オーディション合格からデビューライヴまで1ヶ月ぐらいしかないんですよ。メンバーはある程度、歌やってました、ダンスやってましたっていう人ではあるんですけど、アイドルとしての経験値的なものは全然ない子もいるので、SAIGO NO BANSANさんを見て、学んでほしいなって思ってます。

郡司 : SAIGO NO BANSANも、このグループがはじめてのアイドル活動っていう子が多いんです。なので、逆にこちらも刺激をもらえたらいいなと思います。ミュージックビデオとか映像とか見させていただいて、自分たちと系統は違うなと思ったんですけど、すごいかっこいいというか、未経験に見えないぐらいの見せ方ができるメンバーさんたちだったので、こちらこそたくさん学ばせて頂きます。刺激をいただきにいきます。

白幡 : SAIGO NO BANSANさんって、結構中指立てる系の曲あるじゃないですか。うちもそういう曲を用意しているので、ちょっとシンパシーを感じてます。

郡司 : セットリストに入れますね(笑)。