せめて私の誕生日だけでも覚えてくれ
──今回ミニアルバム『Episode X』がリリースされますが、楽曲自体はいつ頃から作り始めたんですか?
らら : ちゃんと取り掛かったのは12月ぐらいだと思います。
いちこ : 結構スピーディーな感じでした。最初は私とららちゃんのパート分しか作詞してなかった曲も、後からギリギリになってひなちゃんの歌うパートを作ったり色々アレンジしたので結構ばたばたして。
──じゃあ本当に3人で作り上げた作品になってるんですね。
りるひな : 私、スタジオでレコーディングしたことがなかったんですよ。だからガラス越しで見られながら録られる感じが、すごく緊張した。あとは、こんなにアルバムに参加していいんだっていうのも正直ありました(笑)。
いちこ : ひなちゃんはラップもできるし歌も上手いから、うちらの弱いところとかも補ってもらってます。
──じゃあちょっと1曲1曲聴いていこうかなと思います。まず1曲目はMETEORさんとのコラボ楽曲「THIS IS MYSTYLE」ですね。METEORさんはTVアニメ『オッドタクシー』作中に登場するヤノ役でも話題の方ですね。
らら : この曲のテーマは最初「アイドルとは」みたいな感じだった気がする。でもふたりで話してるうちに「ちょっとこれは荷が重いね」ってなって。ふたりともOLだったりするし、OLやってる時の日常の自分と、週末はアイドルをやっている自分を書いてみようかってなったんですよね。
──確かに歌詞も「週5日間は地味で真面目デスクワーク」って。O'CHAWANZさんって普段働いているけど、土日はアイドルやってますみたいなおもしろさがあると思っていたんですけど、ここにきて歌詞にも出てきたのがすごく素敵だと思いました。
らら : 嬉しいです!
りるひな : 私はやっぱり、METEORさんの歌詞が衝撃的でした(笑)。「花壇のバラ食う」って言葉が、全然わかんなくてもうずっと頭から離れなくて。でもサビの皆とのわちゃわちゃした感じとか、聴いててすごく楽しいです。
──METEORさんのバースもすごくおもしろいですよね。レコーディングは一緒に?
いちこ : 早かったよね。数分で終わったよね。
らら : METEORさんもアイドルとこういう風に一緒に録るのがはじめてだったと思うんですよ。そわそわして戸惑ってて何回もタバコ吸いにいってた(笑)。でも話してみたら頭の回転が速い方でした。なんか落語家みたいに、スラスラスラーって感じでしたね。
──ラップのスタイルそのままの方だったんですね。この曲の最後の掛け合いもすごくおもしろいです。
らら : これは結構アドリブでした。
いちこ : METERさんに振る質問だけ何個か考えてたんですけど、あんな感じで返ってきて(笑)。
──噛み合ってるようで噛み合ってないような(笑)。
らら : 途中ラップしちゃうし(笑)。
いちこ : まあ、とりあえずやってみましょうみたいな感じだったよね。

──次の曲は”JUNE”ですね。
らら : テーマは「どうでもいい6月」です。
いちこ : 「祝日とかもないし休み少ないし、どうでもいいって感じのイメージで」ってプロデューサーさんに言われて。
──どういうところをイメージしたんですか?
らら : 私は6月生まれなんですけど、6月は自分の生誕をやることぐらいしか本当にいいところがなくて。確か12月も祝日ないんですけど、年末とかお正月に向けて休みがあるからまだ許せるんです。でも6月は雨も降るし、そのせいで前髪も崩れちゃうし、洗濯もできないし、もう本当にいいところが無い。だからせめて私の誕生日の6月5日だけでも覚えてくれって感じです。
いちこ : わたしも5月はゴールデンウィークがあるけど、7月になれば夏だし。どっか行くにもなにをするにも微妙な月だな、みたいなことを書いてます。
らら : 最後に”地球といっしょにダウンタイム”って歌詞を書いたんですよね。整形したあとのダウンタイムってあるじゃないですか。それが1年のなかだと6月だなって思って。夏に向けて、雨で1回クールダウンしてって感じです。
──“bitch bitch shit shit”みたいなワードが入っていますけど。
らら : いや、これは深い理由はないんですよ(笑)。6月って雨のイメージがあるから「ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン」って考えていて、「ぴちぴち しとしと」って言ってたら、「bitch bitch shit shit...あ、いける!」って思って(笑)。ちょっと悪い感じにしました。
──で、3曲目ですね。この“夢のTinyBoy”。これは曲を作ったhechimodiscoさん節が炸裂してますね。
いちこ : へちもちゃんに「歌詞のなかの夢のTinyBoyが誰か、ららちゃんは知ってる」って言われたんですよ。
らら : 去り際に「歌詞を見てればわかると思う」って言われた。でも、私とへちもちゃんの共通の”Boy”って、何人かしかいないから私もわかんなくて(笑)。プロデューサーさんかもしれない(笑)。この曲はちょっと怖いんですよね。突然“奥の畳にいてよね 僕の代わりにいてよね”で和になっちゃうところとか。
いちこ : レコーディングの日の朝ぐらいに「新しい曲あがってきました」って送られてきたんですけど、聴いていたら頭から離れなくなったんですよ。私、結構ヨガに行くんですけど、心を落ち着けなきゃいけないときに、頭のなかで流れはじめちゃって(笑)。頭から離れなくなるような中毒性のある曲だと思います。
