ファンの人も一緒に幸せになりたい
──そして、EPに収録される残りの1曲が“好きなことで食って生きたいのに才能とか親とかで葛藤して結局可もなく不可もない人生を選ぼうとしてる きみに届け”。このタイトル、すごく長いですね。
葉菜子 : タイトルは最近決めたんですけど、レコーディングした日に急いで1時間くらいで歌詞を書きまして。でも、これじゃあ伝わらないなと思って、タイトルで説明しました。ラノベみたいな。まぁ、略して「君に届け」ですね(笑)。
──めっちゃ略しましたね(笑)。これはどういう歌ですか?
葉菜子 : 歌詞を書く前日に、私地元の高校のときの友達と喧嘩してたんですよ。その子は、トラックメーカーになりたいという夢がありまして。私は別に特別歌が上手いわけでも、曲を作れるわけでもないですし、好きというだけでやっているので、気持ちさえあれば才能は正直必要ないんじゃないかなって思っているんです。でも、その子は「自分は才能がない」って結構言って親にも反対されていて、っていう感じなんです。その子のことが頭から離れず、書きましたね。
──その子に向けて書いたんですね?
葉菜子 : このときはそうですね。でも、誰しも当てはまるんじゃないかな。特に若い子だったら、「なにかになりたい、でもどうしよう」って思っている子はいっぱいいると思うので、そういう子たちに届けたいなって思いました。
──誰かの背中を押してくれそうな曲ですよね。
葉菜子 : ほんとに。特に同年代の子達に聴いてほしい。いまの私だからこそ書けるかなと思って。

──“嫌になってきた”と比べると、この2曲は歌詞のテイストが少し明るい感じがします。
葉菜子 : そうなんですよ! “嫌になってきた”は自分の弱さとかが完全に打ち出されてるかなと思っていて、私はそういうのが多かったんですね。私はもともと嘘をつけない性格なので、自分のテンションが暗いときに明るい歌詞は書けないんですよ。だから、“嫌になってきた”と比べたら、他の2曲は自分の気持ち的に変化してるなって思いました。
──どのへんが変化していると思いますか?
葉菜子 : ”ファッキンクソノスタルジーと言いたい”の「~したい」という部分があるんですけど、ここまでは、まだちょっと妥協してるんですよ。でも、最後に「ユートピアなど無いのだから」って自分で断言してるんですね。ここは元気になってきたのかなって思いました。“君に届け”の方は、作ったときは「これでいいのか?」っていうのがすごくあったんですけど、これは自分を見せているというより、誰かを引っ張ってるって歌詞だなと思います。うん。これはいい歌詞ですね!
──どのへんがいいと思うんですか?
葉菜子 : 歌詞のなかで「10%でいいの?平穏無事でいいの?」って聞いてるじゃないですか。ここは「そうじゃないでしょ?」って奮い立たせたいんですね。誰かに向けて書いて、それをちゃんと伝えるような歌詞ができたのは、本当に久しぶりじゃないかなと思うんです。それまでは自分勝手だったんですけど、ここに「誰かを救えたらいいな」「変えられたらいいな」いう想いがこもっていると思います。

──誰かに向けて曲を書いたことって、これまではなかったんですか?
葉菜子 : そこまで余裕がなかったです。自分のことを早く知ってほしいって思っていたので。この曲でやっと書けましたね。
──葉菜子として表現していくなかで、どういうことを表現してきたいと思ってますか?
葉菜子 : うわー、それ訊かれると思わなかったな。私は結構生きにくい体質だと思っているんです。モテないですし友達も少ないですし、空気読めなかったりしますし。「変だよね」みたいに言われると、あーなんか生きにくいなって思うんです。けど、生きにくい人が生き生きとしているのを見ると、自分も安心になるんですね。だから、生きにくい私が楽しんでる姿を見て、みなさんも楽しんでくれたらいいなと思っています。
──なるほど。
葉菜子 : あと、もちろんいま幸せなんですけど、BiSをやっぱりまだどっかで引きずってる自分がいて。100%を超える幸せをまだ見つけられてなくて。それでいま私だけじゃなくて、着いてきてくれているファンの人も一緒に幸せになりたいなっていう思いがありますね。私のファンのなかにはお金持ちもいますし、すごく幸せな夫婦とかもいるんですけど、勝手に幸せにならないでほしいんですよ。私を置いて勝手に幸せにならないで欲しくて。
──えーと、「せーの! で一緒に幸せになりたい」ということでいいですか(笑)?
葉菜子 : そう!一緒に幸せになりたいから、勝手に幸せにならないで欲しくて。ただ、私もみんなを置いて幸せになんないから、みんなと歩幅を合わせて一緒に行きたいなと思っています。ファンの方は、結構若い女の子が本当に多くて。私によってもっと考え方が増えたり、感受性が豊かになったり、人生が楽しくなったりしたらおもしろいなと思います。そういうのを伝えていきたいです。
──葉菜子さんの言う”幸せ”ってどういうことですか?
葉菜子 : え、難しい!哲学だ!ほんとに頭の悪い答えかたをしますと、私は”武道館を満員にして立つ”っていうのがいちばんの幸せっていうか、そこが死ぬまでにやりたいことですね。それ終わったらもうなんでもいいんですよ。
──じゃあ、それまではしぶとく続けていきたいですか?
葉菜子 : そうですね。自分でしっかり真っ当に生きようと思います。

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LIVE INFORMATION
■葉菜子 ONLINE LIVE『急がば回れなくても出来れば咲き誇りたい』
日程 : 2021年12月22日(水) 01:00~02:00
販売期間:11月24日(水) 00:00より販売開始
アーカイブ視聴期間: 12月22日(水) 02:00〜12月31日(金)23:59
FC会員(ジャム叔父さん)限定視聴チケット
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FC会員(ジャムを持参)限定視聴チケット
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一般視聴チケット
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■葉菜子ファンクラブ「葉菜子の窒素」
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葉菜子 ディスコグラフィー
PROFILE:葉菜子

唯一無二なミラクルアーティスト「葉菜子」。1999年9月12日午前5時、予定より早め生まれ。北海道出身、10代で上京したのち、音楽グループBiSのメンバーとしてデビュー。グループ解散後は葉菜子に名義を改め、アーティスト活動を展開、2021年9月に配信リリースされた楽曲"嫌になってきた"から本格始動を開始。楽曲の作詞はもちろん、アートワークも自身で手掛け、直感を解放するかのような作品を手掛けるハイブリットアーティスト。ドラクエが大好き。
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