映像としても音源としてもDEZOLVEの入門編になっている
──終盤の「Heart of the World」は今のDEZOLVEの幕開け的な曲では?
北川:兼子くんが正式メンバーとして加入した初めてのアルバム(『CoMOVE』)の1曲目だったので、「ベーシスト来た!」みたいな感じの曲にしたいなと思って作ったんですけど、今のDEZOLVEのサウンドに近いです。今回のコンサートのセトリでは時系列を追っているので最後の方に持ってきたっていうのもありますね。
友田:たしかに兼子くんが入ってからを二期と分けるとしたら、一期の方はおそらく一番最初にやった「Night of Megalopolis」がいわゆる初期の代表曲の感じなんですけど、「Heart of the World」が二期のそれに相当する曲になっていくと思いますね。
──本編は歌える曲である「ASTERISK」で締めくくっています。
山本:これはコロナ禍の前に作っていた曲で、次はお客さんみんなと歌える曲を作ろうとなった矢先、ちょうどこの曲が収録される『Frontiers』が出るタイミングでコロナ禍になってお客さんが声出しだったり歌えなくなっちゃって。だからこの曲が日の目を見ることがなくなっちゃったんですが、今回10周年コンサートということで、映像化もされて記念碑みたいなBlu-rayになる時にお客さんの大合唱なんて感動的だし一番ふさわしいんじゃないかなと思ったんです。僕らが思い描いていた「ASTERISK」を初めて聴けるかもしれないということでこれは絶対に本編のラストでやりたいよね、とメンバー4人の満場一致で決まりましたね。
──キャリアを網羅した2時間半ですし、演奏の細部も見ることでDEZOLVEを理解できる入門編として最適だと感じました。
山本:これ同タイミングでライブ音源も配信されるんです。これを2時間半聴けと言うのは少し大変ですけど、「こういう曲があるんだ」っていうのを流し聴きしていただけたらDEZOLVEというものが分かると思っているので、映像としても音源としても入門編になっていると思います。聴いてほしい曲は全部入ってます(笑)。
──DEZOLVEでの10年間の活動はプレイヤーや作家としての仕事にももちろん影響が?
北川:相互作用がありますね。ほかでやってる仕事がバンドの音楽に影響するし、バンドでの自分の演奏がほかのメンバーが作った曲の影響を受けてスキルがつくとか、感性が磨かれて仕事にプラスに作用するみたいなことはめちゃくちゃあります。それに僕はDEZOLVEに出会ってなかったら打ち込みをやってなかったかもしれないんで、かなり影響は大きいです。
山本:DEZOLVEが存在してなかったら、仕事はしてたかもしれないけど、こんなに曲を書けてなかったということはあると思います。
友田:一人でやるより経験値が桁違いになりますよね。ほかのメンバーの「そんなアイディアがあったんだ」「これ面白い」という曲をその場で自分も演奏するわけですから、ダイレクトに吸収することができる。それでまた各々で他のところでやって、また違うアイディアやエッセンスがきて、自分たちのアルバムを作るごとにこれが繰り返されていくので音楽的な経験値も高められるというか。そういった点ではすごく影響があると思いますね。
──ちなみにこれから取り入れていきたい音楽要素や気になる音楽はありますか?
山本:いやめちゃくちゃいっぱいあるんですけど、それをお客さんが求めているのかみたいな葛藤があって、精査中なんですよ。
北川:そんなのばっかですよ(笑)。
──具体的には?
北川:自分の話ですけど、最近クラシックばかり聴いていて、クラシックの古典的な曲の形式とか作曲方法をフュージョンに応用できないかな?と。
山本:僕も完全にそっちですね。古典ではないけどロマン派以降の感じのクラシック感ある曲をフュージョンテイストでやりたい。演奏楽器はドラムじゃなくてスネアだけでとか(笑)。
友田・北川:ははは!

編集 : ニシダケン
DEZOLVE結成10周年記念コンサート、ハイレゾ配信中
https://king-records.lnk.to/dezolve_10th
コンサート情報
9月10日(水)ビルボードライブ東京
1st Stage Open 16:30 Start 17:30
2nd Stage Open 19:30 Start 20:30
これまでにリリースされた音源もチェック!
INFORMATION
【公式HP】
https://www.dezolve.net/
【公式X】
https://x.com/dezolve_ofc
【公式YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/@officialdezolve8698