OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.297 私にとっての音楽
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
私にとっての音楽
先日、ふと「今日は何も考えずに過ごしたい」と思い、行ったことのない喫茶店に行きました。少しの人の声とコーヒーの香り、好きな音楽に包まれながら、一人の時間を堪能した。それだけなのに、気づけば心が軽くなり、日常に戻るのが少しだけ楽になりました。その時「何気ないひと時」が今の私に必要だったと知りました。
そんな私を支えてくれているものがあります。それが「日常にそっと寄り添う音楽」。その日の気分や心の状態に合わせて、いろんなプレイリストを作るようになりました。その中でも特にお気に入りの曲が、“ミテイノハナシ” さんの『あの日、あの世界で』です。1日の始まりにも、疲れて帰宅した夜にも、そっと寄り添ってくれる一曲です。無意識に流し聞きするだけで、少しずつ肩の力が抜けていく感じがします。
聴くたびに、少しだけ世界がやわらかく見えてくる。あの空間で流れる音楽に身を委ねる時間、心の奥でくすぶっていた思いや、体にまとわりついていた疲れが溶けていくような感覚に包まれます。こうした何気ない音楽の力は、いつの間にか私の日常に欠かせないものになっていました。忙しさに押しつぶされそうなとき、私のための特別な時間を作ってくれる音楽は、まさに小さな贅沢です。
私が思う「音楽のいいところ」は、その場の気分や心の状態を尊重してくれるところかもしれません。元気いっぱいの曲はときに元気をくれ、静かな曲は心を落ち着かせてくれる。特に “ミテイノハナシ” さんの曲は、聴くたびに「ここで一息ついてもいいよ」と言ってくれている気がして、何度も何度もリピートしています。好きな音楽に身を委ねる時間が、いまの私にとって一番のご褒美になっているのかもしれません。私はこれからも自分だけのプレイリストを大事にしていこうと思います。
(横林航弥)
