OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.331 オルタナ、シューゲ、iVy新譜
OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)
オルタナ、シューゲ、iVy新譜
最近は新旧オルタナ/シューゲイザーアーティストの情報解禁が多くて嬉しかったです。kurayamisakaは9月に1stアルバムリリース、ART-SCHOOLは結成25周年トリビュートアルバムの豪華参加者の発表、The Otalsはスプリット・アルバムやワンマン・ライブ発表、HASAMI groupは2年8カ月ぶりの新譜リリース等々…
そしてひとつピックアップするのであればiVyの新譜がとても良かったです。iVyは2023年に結成したVo.GtのfukiとVo.Keyのpupuによるオルタナティヴ・ポップ・ユニット。シューゲイザーやドリームポップを軸に、架空のキャラクター「iVyちゃん」から歌詞世界まで、儚さとポップネスを溶け合わせた世界観が特徴的なユニットです。1st EP『幽泳プログラム』でそのサウンドや世界観をときめきとともに提示してくれましたが、今作『混乱するアパタイト』ではサウンドや表現方法の幅がさらに広がり、今後の進化がより一層楽しみになるような作品でした。特に “tea time mystery!”、“トライアンフで誘ってよ” あたりの曲はテクノポップやインディー方面に拡張していく様子が見て取れたり、“HAVE A NICE DAY millennium +iVy information” ではYoutubeの解説動画などで見られる「ゆっくりボイス」を使用しており、彼女たちのインターネットからのルーツを感じます。そしてそれは、意図的ではないとしても、今の時代に共有されるインターネット感覚を書き記すことにも繋がっており、未来の視点からも聴き返したいと思える作品でした。iVyは8月に渋谷WWWにて初のワンマンライブも発表しているのでそちらも含めて注目です。
ということで、iVyの新譜をはじめ、激進するkurayamisaka、そして結成25周年のART-SCHOOLまで、新旧オルタナティブ/シューゲイズな音楽を詰め込んでみました。それらの音楽に共有される痛みや儚さに包み込まれながら、日々の憂鬱を乗り越えていければなと思います。
